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第24話【充実した日常を壊す招かれざる者】
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金色マースのおかげである程度のまとまったお金とギルドからの信頼と定期的な仕事をもらえるようになった僕は依頼の合間をみてノエルのお店に顔を出すことが多くなっていた。
――からからん。
「――いらっしゃいませ。
あ、ミナトさん。今日はどうされましたか?」
「ノエルさんの顔を見に来ました。
あと、時間がとれれば一緒に夕食でもと思いまして……」
「あら、それは嬉しいお誘いですね。
いいですよ、では夕の鐘がなる頃にまた来てもらえればと思います」
ノエルは微笑みながらそう答えると「じゃあ後ほど」と言って仕事を戻る。
――あの微妙なやりとりの後から僕はノエルにもっと自分を知って貰おうと積極的に話しかけるようになり、時には今回のように食事にも誘うようになっていた。
ノエルの方は相変わらず僕を弟のように見ているのか恋愛関係にはほど遠い感じだったがそれはそれで悪い気はしなかった。
(さてと、一度ギルドに顔を出してから食事の店を決めるかな)
僕はそう考えながらギルドへと足を運ぶ。
――からんからん。
ギルドのドアを開けるといつものようにサーシャがすぐに対応してくれる。
「あ、ミナトさん。おはようございます。
こっちの4つの水槽の準備が出来ましたので開放をお願いしたいです」
「分かりました。
では4つで合計200匹分ですね。残りはまた明日にでも来ますのでそのまま置いておきますね」
カード化したマースは時間が止まるので生きたままでずっと保存出来るのがこの能力の強みだが、開放するのに必ずその場に来なくてはならないのが欠点と言えば欠点だった。
「では、また明日にでも来ますね」
僕がそう言って帰ろうとするとちょうどザッハギルドマスターが部屋に入ってきて職員に告げた。
「至急の連絡だ。
ついさっき門兵から不審な男達が町に入ったようだとの連絡があった。
そいつらはこの町の住民である証明証を持っていたがどうやら偽造したか誰かから買い取ったもののようで、気がついた門兵が跡を追ったが見失ってしまったらしい。
何事もなければいいが、いつもの住民には至急情報提供を頼む。
俺はこれからその門兵に会って詳細を聞いてくるから暫くギルドをあけるからな」
「分かりました。
そのように手配をします」
本来ならば職員のみに話す内容であったが僕が居たことなど気が付かなかったかのようにザッハは話を済ませてから部屋を出ていった。
「――何事もなければ良いですね」
なんとなく帰るタイミングを逃した僕は側にいた職員にそう話していると急にノエルの事が心配になり足早にノエルの店に向かって走り出した。
* * *
ちょうどその頃、ノエル雑貨店ではお客が一段落して休憩がてらに商品の整理をする彼女の姿があった。
――からからん。
表のドアには『休憩中』を知らせるボードが掛けられていたがドアの鍵はかけておらず誰かが入って来た鐘の音でノエルが気がつき「すみません。今は休憩中ですので……」と言ったところで入って来た者達の姿を見て固まった。
3人程の男達は冒険者風の服を身に着けその手には大ぶりのナイフが握られていた。
「なんですか!? あなた達」
ノエルは驚いた風で男達にそう問いかける。
「……金を出せ。死にたくなければな」
一番前に居た男が低い声で短くそう告げる。
「……渡せば黙って帰ってくれますか?」
ノエルは気丈に振る舞いながらも男達にそう問う。
「……何度も言わせるな。俺の気が変わらないうちにな」
ノエルはその冷たい声に身の危険を感じ、店のレジから金貨と小金貨を取り出すとテーブルの上に置いてから離れた。
「今あるのはこれくらいで後は銀貨以下の小銭ばかりよ。
それを持って早く出て行ってください」
「おおっ!! こんな小娘がやってる店のくせに結構持ってるじゃねぇか!
じゃあコイツはありがたく頂いて行くぜ!」
後ろに控えていた片方の男が金貨を見て喜んで懐に仕舞い始める。
「ついでに高値で売り捌けそうなもんも頂いていこうぜ」
金貨を回収した男が調子にのってそう言い出す。
「まあ、待てよ。
それよりももっと良いものが目の前にあるじゃねぇか」
それまで沈黙をしていたもう一人の男がノエルを見ながらそう告げる。
「犯っちまっても良いですかい?」
その男がリーダー格であろう男に問う。
「――好きにしろ。
但し、後の始末を間違えるんじゃないぞ」
「分かってますって。
楽しんだ後はいつもどおり全て灰になって貰いますから。
くくくっ」
男は下品な声でナイフを舌なめずりしてビッとノエルに向けた。
「声を出すんじゃないぞ。
無駄な抵抗をすれば即一差しであの世に送ってやるからな」
「あ……あ……、いやっ……来ないで……ください」
ノエルは恐怖に怯えながら後ずさりをするが狭い店内の事であるすぐに壁にたどり着き、へなへなとその場にへたり込んだ。
「なかなかの上玉じゃないか。
これだけの女は田舎じゃお目にかかれないぜ。
今日はいい日になったぜ」
男は自分勝手な言葉を並べながらナイフをノエルの服に当てる。
――ビリビリビリッ
「っ!!」
ナイフがノエルの服を首元から下へと切り裂いた。
「ほう、なかなかのものを持ってるじゃねぇか。
こいつは楽しめそうだ」
男はノエルの胸元から切り裂かれた服からこぼれる豊満な膨らみにニヤニヤとしながら残った布切れを剥ぎ取ろうと手を伸ばした。
――その瞬間。
バン!と大きな音をたてながら入口のドアが開かれ何かが店内に飛び込んできた。
「なんだ!? 貴様は!!」
男達ががいきなり、飛び込んできた僕を見てそう叫ぶ!
「ノエルさん!! キサマらぁ!」
僕の怒りの形相に一瞬怯んだ男達の動きが止まった。
「――カード収納!」
僕は側にあったテーブルをカード化し、それを手前のふたりの男に向かって投げつける動作の途中で開放した。
「開放!」
「うおおおっ!?」
開放されたテーブルはカードを投げた勢いそのままに男達に向かって強烈な勢いでぶつかりふたりを吹き飛ばす。
「ぐはっ!!」
「ぐへっ!!」
重たいテーブルがまともに直撃したふたりは棚とテーブルに挟まれて泡を吐いて気絶した。
「何だお前は!? そこで止まれ!!
コイツを殺されてぇのか!!」
ノエルを襲っていた男は突然の事に固まっていたが僕が向かってくるのを見てノエルを人質にする事を選択した。
――からからん。
「――いらっしゃいませ。
あ、ミナトさん。今日はどうされましたか?」
「ノエルさんの顔を見に来ました。
あと、時間がとれれば一緒に夕食でもと思いまして……」
「あら、それは嬉しいお誘いですね。
いいですよ、では夕の鐘がなる頃にまた来てもらえればと思います」
ノエルは微笑みながらそう答えると「じゃあ後ほど」と言って仕事を戻る。
――あの微妙なやりとりの後から僕はノエルにもっと自分を知って貰おうと積極的に話しかけるようになり、時には今回のように食事にも誘うようになっていた。
ノエルの方は相変わらず僕を弟のように見ているのか恋愛関係にはほど遠い感じだったがそれはそれで悪い気はしなかった。
(さてと、一度ギルドに顔を出してから食事の店を決めるかな)
僕はそう考えながらギルドへと足を運ぶ。
――からんからん。
ギルドのドアを開けるといつものようにサーシャがすぐに対応してくれる。
「あ、ミナトさん。おはようございます。
こっちの4つの水槽の準備が出来ましたので開放をお願いしたいです」
「分かりました。
では4つで合計200匹分ですね。残りはまた明日にでも来ますのでそのまま置いておきますね」
カード化したマースは時間が止まるので生きたままでずっと保存出来るのがこの能力の強みだが、開放するのに必ずその場に来なくてはならないのが欠点と言えば欠点だった。
「では、また明日にでも来ますね」
僕がそう言って帰ろうとするとちょうどザッハギルドマスターが部屋に入ってきて職員に告げた。
「至急の連絡だ。
ついさっき門兵から不審な男達が町に入ったようだとの連絡があった。
そいつらはこの町の住民である証明証を持っていたがどうやら偽造したか誰かから買い取ったもののようで、気がついた門兵が跡を追ったが見失ってしまったらしい。
何事もなければいいが、いつもの住民には至急情報提供を頼む。
俺はこれからその門兵に会って詳細を聞いてくるから暫くギルドをあけるからな」
「分かりました。
そのように手配をします」
本来ならば職員のみに話す内容であったが僕が居たことなど気が付かなかったかのようにザッハは話を済ませてから部屋を出ていった。
「――何事もなければ良いですね」
なんとなく帰るタイミングを逃した僕は側にいた職員にそう話していると急にノエルの事が心配になり足早にノエルの店に向かって走り出した。
* * *
ちょうどその頃、ノエル雑貨店ではお客が一段落して休憩がてらに商品の整理をする彼女の姿があった。
――からからん。
表のドアには『休憩中』を知らせるボードが掛けられていたがドアの鍵はかけておらず誰かが入って来た鐘の音でノエルが気がつき「すみません。今は休憩中ですので……」と言ったところで入って来た者達の姿を見て固まった。
3人程の男達は冒険者風の服を身に着けその手には大ぶりのナイフが握られていた。
「なんですか!? あなた達」
ノエルは驚いた風で男達にそう問いかける。
「……金を出せ。死にたくなければな」
一番前に居た男が低い声で短くそう告げる。
「……渡せば黙って帰ってくれますか?」
ノエルは気丈に振る舞いながらも男達にそう問う。
「……何度も言わせるな。俺の気が変わらないうちにな」
ノエルはその冷たい声に身の危険を感じ、店のレジから金貨と小金貨を取り出すとテーブルの上に置いてから離れた。
「今あるのはこれくらいで後は銀貨以下の小銭ばかりよ。
それを持って早く出て行ってください」
「おおっ!! こんな小娘がやってる店のくせに結構持ってるじゃねぇか!
じゃあコイツはありがたく頂いて行くぜ!」
後ろに控えていた片方の男が金貨を見て喜んで懐に仕舞い始める。
「ついでに高値で売り捌けそうなもんも頂いていこうぜ」
金貨を回収した男が調子にのってそう言い出す。
「まあ、待てよ。
それよりももっと良いものが目の前にあるじゃねぇか」
それまで沈黙をしていたもう一人の男がノエルを見ながらそう告げる。
「犯っちまっても良いですかい?」
その男がリーダー格であろう男に問う。
「――好きにしろ。
但し、後の始末を間違えるんじゃないぞ」
「分かってますって。
楽しんだ後はいつもどおり全て灰になって貰いますから。
くくくっ」
男は下品な声でナイフを舌なめずりしてビッとノエルに向けた。
「声を出すんじゃないぞ。
無駄な抵抗をすれば即一差しであの世に送ってやるからな」
「あ……あ……、いやっ……来ないで……ください」
ノエルは恐怖に怯えながら後ずさりをするが狭い店内の事であるすぐに壁にたどり着き、へなへなとその場にへたり込んだ。
「なかなかの上玉じゃないか。
これだけの女は田舎じゃお目にかかれないぜ。
今日はいい日になったぜ」
男は自分勝手な言葉を並べながらナイフをノエルの服に当てる。
――ビリビリビリッ
「っ!!」
ナイフがノエルの服を首元から下へと切り裂いた。
「ほう、なかなかのものを持ってるじゃねぇか。
こいつは楽しめそうだ」
男はノエルの胸元から切り裂かれた服からこぼれる豊満な膨らみにニヤニヤとしながら残った布切れを剥ぎ取ろうと手を伸ばした。
――その瞬間。
バン!と大きな音をたてながら入口のドアが開かれ何かが店内に飛び込んできた。
「なんだ!? 貴様は!!」
男達ががいきなり、飛び込んできた僕を見てそう叫ぶ!
「ノエルさん!! キサマらぁ!」
僕の怒りの形相に一瞬怯んだ男達の動きが止まった。
「――カード収納!」
僕は側にあったテーブルをカード化し、それを手前のふたりの男に向かって投げつける動作の途中で開放した。
「開放!」
「うおおおっ!?」
開放されたテーブルはカードを投げた勢いそのままに男達に向かって強烈な勢いでぶつかりふたりを吹き飛ばす。
「ぐはっ!!」
「ぐへっ!!」
重たいテーブルがまともに直撃したふたりは棚とテーブルに挟まれて泡を吐いて気絶した。
「何だお前は!? そこで止まれ!!
コイツを殺されてぇのか!!」
ノエルを襲っていた男は突然の事に固まっていたが僕が向かってくるのを見てノエルを人質にする事を選択した。
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