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5.もうお酒は禁止だ

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「ひゃああああんっ!!!!!」





豪華な寝室にメルティの絶叫に近い声が響き渡る。何せ、今まで誰にも触れられたことのないメルティの胸が露にされた上にその頂きにキースリンデがしゃぶり付いているのだ。





「やんっ!!やめ…て、キースしゃまぁぁ!!!!」





何という羞恥なのだろう。嫁入り前なのに!!こんな破廉恥な!!喪女である『澪』も、乙女な『メルティ』もすべてが入り交じりこのとんでもない淫らな行為を受け入れられず何とか回避できないかと声を上げる。





「ルティ…、身体は嫌がってないみたいだけどね?」





胸の頂から口を離したキースリンデは、メルティの恥部に手を伸ばし、濡れそぼった下着越しに花芯を刺激する。



「ひゃん!!!!やだやだ、こわいでしゅわっ、キースしゃまぁ!!」



まるで自分の身体では無いように、感じたことのない快楽が脳天を突き抜けるように押し寄せる。メルティは頭を振ってキースリンデに訴えるが、次の瞬間には蜜壺にキースリンデの指が挿入される。





「ひぇっ!!!!」





狭い膣口を解すように進められる指にメルティは身体を強張らせた。生まれて初めて感じる異物感と違和感。自分の身体が作り変えられていくような恐怖。



それでも……心の奥からは女としてキースリンデに求められているという悦びが湧き出てきていた。



「ルティ、君は誰のもの……?」



激しくなる指の動きに、メルティの腰もくねりだす。もう恐怖以外の甘い感覚が生まれてきている。



そうだ……『メルティ』はキースリンデを愛していた。ずっと、欲していた。自分に振り向かない冷たい婚約者。いずれヒロインに攻略されてしまう…愛おしい人。



そんな彼が今は自分をその瞳に映し、自分を求めてくれている。



好きだ──今だけでも、彼の物になりたい──





「キースしゃ…まの、ものです……あああっ、しゅき、好きですわ──っ」





メルティが心の内を叫んだ瞬間──

キースリンデの指が引き抜かれ、変わりにもっと熱い、質量のあるものが充てがわれる。





「愛しているよ、ルティ──私だけのものだ」





キースリンデの愛の言葉に目を見開いた瞬間、メルティの蜜壺にキースリンデの雄芯が突き挿れられた。



「っ!!!!」



ポロポロとメルティの瞳から涙が零れ落ちる。破瓜の痛みからではなく、キースリンデの愛が得られたことに……心が歓喜し身が震える。



眉を下げ、キースリンデはメルティの目尻に口付けを落とした。



メルティはキースリンデがはっと息を呑むほど、幸せそうに微笑み、その身体を抱きしめ、そっと耳元で囁く。





「キースしゃま……だいしゅきです…わ」





その瞬間、メルティの中のキースリンデの雄芯が質量を増し、我慢できないとばかりに、キースリンデは顔を歪める。



最初はメルティを気遣いゆっくりとした抽挿が徐々に激しくなり、意識が飛ばされないようにメルティは必死にキースリンデにしがみついた。



「ひゃぁぁんっ!!!」



それでも達してしまいそうになったメルティの締め付けに、キースリンデは雄芯を最奥まで激しく突き挿れた。



「くっ……、出すぞ」



「あああっ!!!」





互いに絶頂を迎え、メルティは最奥に熱いものが注がれるのがわかった──









◆◆◆







「………、ルティ、悪かった、謝るから布団から出てきてくれないか?」





情事の後、あまりの羞恥にメルティは寝台の上で布団を被り蹲っていた。



わわわわわ、私、キース様とぉぉぉぉぉ!!!!!



もう一生この布団から出られない気がした。先程の痴態も、まるで痴女のように腰を振ってしまった自分も、甘い声を出した自分も、全てが信じられなかった。



布団の外からキースリンデの宥めるような声が聞こえるが、メルティは全身を真っ赤に染めて身もだえるしか出来なかった。





「君が婚約破棄などと言うから逆上してしまった。本当にすまない。私の伴侶は君以外に考えられない。それほど…君に虜にされてしまったんだ。」



キースリンデの優しい声色に、メルティはピタリと動きを止めた。





「顔を見て言いたい、ルティ、布団を取るよ」





布団を剥ぎ取られたメルティの顔は涙で濡れており、ぽかんとした表情で目の前のキースリンデを見つめていた。





「愛している。一生私と連れ添ってくれないか。」





──ああ、恋愛ゲームのエンディングが、『悪役令嬢』の自分でいいのだろうか…?──



そんなことが頭を過ったが、もう自分の気持ちを誤魔化すことなど出来なかった。





「ひゃい……」





ずびっと鼻水を啜りながら、メルティは求愛を受け入れたのであった──









◆◆◆







「ハイデン様ぁ!!好きです─っ!!」



「ああ、私も君が好きだ、二人でこの愛の道を進もうではないか!!」







王太子ルートを諦めたハンナが、次の攻略対象である隣国の王子とエンディングを迎えているのを尻目に、メルティとキースリンデは周りも驚くほど仲睦まじく学園生活を過ごしていた。





「わわわ、私が、王太子妃……、無理、絶対むり、ああ、命の水(強めのお酒)を一杯……!!」





お酒の入った小瓶を取り出そうとしたその手は、キースリンデによって阻止された。





「もうお酒は禁止だ」



「で、でもっ!!!!」





必死な形相で懇願するメルティに、キースリンデは意地悪な笑みを浮かべて耳元で囁く。









「私は素面の君に惚れているからな──」















END











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