不死身の吸血鬼〜死を選べぬ不幸な者よ〜

真冬

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第81話「始動」

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 モラドの洋館1階の大会議室で行われた会議は6時間にも及んだ。
 その結果、今後モラドの方針としては竜太奪還に向けて動くことになり、奪還後モラドにとって不安要素を排除してからゼロの様子を伺いながら、モラドとゼロの同盟を築くことで共存に向けて動くという方針になった。

 会議が終わり各々が会議室を後にする。
「楓、ユキちゃん。俺は二人の味方だからね」と鬼竜は二人の肩を掴んで慣れたようにウインクをしてから部屋を後にした。ユキは、微笑んで対応した。
 会議室に集まった人間とヴァンパイアがぞろぞろと部屋を出ていく中二人が部屋に残っていた。

「いやはや楓君に恋人がいたなんて驚きましたねぇ。しかもなかなかきれいな人でいらっしゃる。楓くんにはもったいないくらいです」
 赤髪にクリクリとした瞳で頭の後ろに手を組み、のんきにそう言うのは立華だった。そしてその隣には烏丸がいる。烏丸は丁寧にユキに頭を下げるとユキもつられるように頭を下げた。

「空太、烏丸さん」
「まさかこんなことになるなんて思いもしませんでしたよ。ついこの間まで4人で一緒に旅してたのに」
「ごめん。僕がいたのに何も出来なくて。あの時、止められていればこんなことになならなかったのに」
「いいんですよ。行ってしまったものはしょうがないです。竜太君も純粋な子ですから何色にでも染まってしまうんでしょうね。きっと」
「僕がなんとかして連れ戻さないと。竜太の悩みにもっと耳を傾けるべきだったんだ。僕が頼ってばっかりだから」
 段々と自責の念に駆られる楓を立華はむしろ笑って肩を叩いて励ました。
「抱え込みですよ楓君。誰も楓君一人のせいだと思ってないですから。こちらも準備してALPHAの本拠地に乗り込む予定ですし、モラドのみんなが付いてるから安心してください」
 楓は顔を上げる。

「まあ室内にいても何だし外行きませんか? 今日はきれいな三日月が出ていますよ」
 立華は楓スーツの腕の部分を掴んで引っ張った。それに楓は「いや、でも…」と躊躇したがユキは「いってらっしゃい」と一言言うと楓は立華に引っ張られて部屋を出ていった。

 二人が去って部屋にはしばらくの沈黙あった。そして、ユキと烏丸が取り残された。
 ユキは初対面の烏丸を前に目を泳がせて緊張気味だった。京骸や美波と話した時は、状況が状況なだけに、改めて話してみるとその反応だった。
「あ、あの。初めまして」
「どうも」と烏丸はぎこちない愛想笑いを浮かべて会釈する。
「ユキさんは楓の彼女なんですか?」と烏丸が首を傾げて聞くとボーイッシュの髪ふわりと揺れた。そして、ユキは顔の前ですばやく手を振って否定していた。しかし、顔は少し赤らんでいた。
「じゃあ楓君の事好きですか?」
 いきなりグイグイと質問攻めを始める烏丸にユキは戸惑いの色を隠せないでいる。
「楓と竜太とは幼馴染なんです。二人とは小さい頃からずっと友達でその…好きとかそういうのじゃないです」
「好きなんですね。楓君のことが」
 わかりやすいほど顔を真っ赤に染めるユキに烏丸は思わず口元に手を添えて笑った。
「ごめんなさい。ユキちゃんわかりやすくて面白いからついからかっちゃった。ねぇ、ユキちゃん」
 二人は互いにあった壁を崩したように、打ち解けて笑いあった。

 そして、ユキは気になっていたことを烏丸に訊いてみる。 
「あの、さっき旅って言ってましたけど、皆さんで旅に出てたんですか?」
 烏丸は頷いてから地下世界について知っているかとどうか尋ねると楓から訊いたとユキは答えた。
 すると、烏丸は武闘会に出場したことも伝えた。武闘会出場に向けて旅の途中で出会った鋼星というヴァンパイアに出会って特訓を積んできたこと。闘技場で屈強なヴァンパイアと戦ったこと、それに勝ったこと、そして負けたこと。キースが襲ってきたこと。
 そして、楓にはALPHAの実験で得たもう一つの人格が存在していることを烏丸は見たことをすべて隠すこと無くユキに告げた。

 ユキは烏丸が話している時、静かに頷きながら真剣に訊いていた。今まで楓と竜太といるはずだった空白の時間を少しでも埋めるように。
 そして、烏丸は言った。
「ヴァンパイアってね、力の源が負の感情なの。その負の感情をうまくコントロールして、私達でしか使えない武器を使うことが出来るんだ」
 烏丸は腰に携える刀を手を添えた。
「でも、自分でコントロールできないような恐怖を感じたら、負の感情が暴走してしまう。人間もヴァンパイアもいずれ死ぬ時が来るし、死は誰でも怖い。だから、ALPHAは楓の力を取り込んで死を克服しようとしているの。でも、不老不死って死なないし、肉体も保つことが出来るけど、それって、死ぬほどの恐怖を体験しても生きているっていうことと同じ」
 烏丸は、ユキの手を両手で掴んで自分の胸のあたりまで持ち上げた。
「だから、彼は不安定だと思うの。楓が壊れる時はきっと簡単に壊れる。楓だって新地みたいに、ある時、突然変わってしまうことがあるかも知れない。それだけ今、楓が背負っているものは大きくて、それをすべて自分で背負い込もうとしてる。だから、彼の心の拠り所になってあげてね」
 ユキは烏丸の手に、もう片方を手を添えて、少しだけ強く握った。
「楓があんなにたくましくなっていたなんて思いもよりませんでした。楓がいなくなってからそんなに経っていないのに見違えるようでした。それだけ苦労してきたんだと思います。だから、私も楓を守りたい」
 



「楓君お月さまがきれいですね。なんか空に吸い込まれちゃいそうです」
 モラド洋館は山奥にある。そのため、空気が澄んでいて都心で見る星空よりも星が多く見えた。二人はモラド洋館外にある芝生のきれいな斜面で立華は頭に手を回して寝そべりながら視線の先の星々を眺めてそう言った。
「どうしたの? 急にロマンチックなこと言い出して」
「慰めようとしてるんですよ。僕なりに」
 立華はその容姿のせいか一言一言に何か含みがありそうな言い方をするが、楓は気にしないことにした。

 楓は膝を抱えて座っていた。そして、寝そべる立華を一瞥し、その立華は続けて話し始めた。
「不思議だと思いませんか? 今、地上では夜だし地下でも夜なんですよ。僕らが地下や地上で嬉しいことや悲しいこと楽しいこと、何が起こっても時は当たり前のように進んで僕らの都合では止まってはくれない。不思議ですねぇ。きっと、竜太君も進んでいく時の中でALPHAとして時間を刻んでいってるんでしょうね」
「空太。何か言いたいことがあるの?」
 立華は空から視線を楓に向けた。よくニヤついた顔を見せる立華であったが、今回は真剣な顔つきをしていた。
「僕は竜太君を奪還するのに美波さんと京骸さんの協力無しで成し遂げるのは難しいと思っています。なぜかというと、二人共無駄な戦いは嫌うからです。ALPHAに竜太君を奪還するために乗り込むのであればALPHAを丸ごと落としたほうが良い。しかし、現状の戦力差ではALPHAの鬼化が存在する以上向こうの方が上でしょう。そう考えて二人は協力するつもりはないと考えています」
「それは…そうかも知れないけど」
 立華はいつものニヤついた顔に戻った。
「説得してみましょうよ。僕らで。もしかしたら動いてくれるかも知れませんよ」



地下世界アガルタのALPHA本拠地である国バスティニアに闇夜に紛れるほどに漆黒の城がある。その城にある玉座の間に竜太とルイの姿があった。一人分の大きな椅子にルイは肘掛けに肘を乗せ足を組み頬に手を当てる。
「竜太、君は大きな力を手に入れた。副作用もさほどない。つまり君は選ばれんだ。そんな君に見せたいものがある」
 竜太は「見せたいもの?」と聞き返すとルイは頷いて椅子から立ち上がった。そして、人差し指を上に向ける。
「地上の実験施設だよ。竜太に力を与えた薬の生産源だ。是非君にも見てもらいたくてね、来てくれるかな?」
 

 二人は地下から地上の山奥に来ていた。時刻は当然人間が寝静まった深夜。二人の目の前には工場の跡地のような大きな建物がある。そこは外側から見ると窓ガラスにヒビが入っていたり、配管が途中で切れて無くなっているところがあったりと、表向きにはとても使用されているようには見えず、まるで廃工場のようだった。
 二人は鎖で鉄格子にがんじがらめにされている門をジャンプして飛び越える。

 工場に近づくに連れて夜の闇に紛れて人間の視力では何も見えないような暗闇でもその工場の中からは何やら作業をしている小さな音が聞こえる。それはヴァンパイアの聴覚でようやく聞き取れるほどの音だった。
 
 二人は工場の中へ入ったが中は以前、使用していたであろう状態のままであった。加工を行う機械が立ち並んでおり、生産ラインで使っていたベルトコンベアもあった。
「ここであの薬を作ってるのか? ただの工場の跡地にしか見えないんだけど…」と竜太は不思議そうにそう言うとルイは首を横に振った。
「作っているのは地下だよ」
「ここの地下?」と聞き返すとルイは頷いてからなにもない壁に向かってノックをした。するとそこにはドアの形がありありと表れて扉を開くと地下へと通じる階段があった。竜太はその階段を前にあっけにとられていたが、ルイは迷うこと無く進んでいくので竜太もその後をついていった。

 地下に実験施設に到着し、目の前の光景に竜太を目を疑った。
 アガルタの実験施設にもあった人一人分入れるカプセルは部屋の両脇に並んでいたがアガルタであったカプセルは比べ物にならないほど立ち並んでいる。等間隔に立ち並ぶカプセル全てに実験体になっているヴァンパイアの姿が見られた。

 しかし、アガルタの実験施設とは違うところが1つだけあった。それは、入口入って正面にある壁だった。そこには一人のヴァンパイアが壁に埋め込まれたように貼り付けられており、生きているのか眠っているのか、目をつむったまま動かないでいる。そのヴァンパイアはまるで骨に皮膚が張り付いただけのようにやせ細って、ただ肉体だけがそこに存在しているようにしか見えなかった。
 そして、そのヴァンパイアを中心として蜘蛛の巣のように赤く細い線が伸びている。唯一赤くない線はチューブ状のものでそのヴァンパイアの腹部に直接何かの透明な液体を注入している。
  
 そのヴァンパイアのの足元で小瓶に入った薬物を調合したり作業している白衣を着たヴァンパイアがいた。
 彼は実験室のドアが開く音にびっくりして肩を一瞬持ち上げて恐る恐る振り返った。
「ル、ルイ様。な、何故こちらへ? い、いらっしゃるご予定はありましたか?」とそのヴァンパイアは手をこすり合わせ、へりくだるように言う。
 牛乳瓶のような分厚いレンズのメガネ、伸び放題のボサボサの長髪、そして、出っ歯が特徴の白衣を着たヴァンパイアのことをルイは神原と呼んだ。彼はALPHAが現在作成している不死身計画や鬼化の薬開発などALPHAでの実験全般を取り仕切っているという。

 唖然として目の前の光景を見上げていると竜太に神原は「そ、そちらの方は?」と竜太の目線の下方から指を指した。
「彼は新入りの竜太だよ。鬼化の薬を投与して適合に成功したんだ」
「そ、それはそれは。おめでたいことでございます。ルイ様が連れてこられたということは適合できることを予め予測されていたのでしょう」と神原はまた媚びるような笑みを見せた。
 ルイは神原のごますりには反応せず、この施設を竜太に説明するように言った。神原は即座に返事をして「では、こちらに」と壁に貼り付けられているヴァンパイアを指差した。

「こ、このヴァンパイアは、に、人間でもあります」と時折声が裏返りながら言った。
「混血ってことか?」
 驚いた様子で竜太は聞くと神原は何度も頷いた。
「こ、このヴァンパイアは我々が生み出した混血伊純楓の父に当たる存在です」
「父って…まさか。ってことは、すでに不死身のヴァンパイアを作ることが出来るのか?」
 神原は首を何度も横に振った。
「ざ、残念ながらそれは出来ません。げ、原因ははっきりしていませんが、お、恐らく血が足りないのでしょう。混血が一体だけだと鬼化が限界でした。も、もちろん不死身の実験を行いましたがどれも失敗で…」
 神原は実験室脇の半開きになっている扉に視線をやった。竜太も同じようにそこを見てみると、扉の隙間から何本もヴァンパイアの手や足が溢れ出るように姿をのぞかせていた。周りにはハエが飛んでおり部屋の中からはゴキブリが3匹出てきた。
「は、廃棄する実験体が多すぎて部屋に入らなくなってしまったんです」
 竜太はその光景に吐き気を催して口に手を当ててなんとか吐き気を押し込んだ。その様子を神原はニッと楽しそうに見ていた。

「な、慣れないのも無理はないでしょう。り、竜太さんも御存知の通りここで廃棄されるヴァンパイアは薬の副作用でほとんどが原型をとどめておりません。し、終いには液化や気化してしまい腕一本しか残らないものもいます」
 竜太は息を整えて神原に再び訊いた。
「俺がモラドにいた時は楓の父親は逃走しているって訊いたんだが」


「そこからは俺が話そう」
 神原と竜太は声のする方を向いた。
 振り返ってみるとそこには黒い布を鉢巻をまくみたいに巻き付けて目を隠しているヴァンパイアがいた。
「え、Aえーさん。ご無沙汰しております」と神原はまたルイにするみたいに手をこねる。布の下で見えないがAと呼ばれた者は顔だけ神原に向けてから竜太の方を見た。
「ルイ様は城に戻られた。この施設のことを紹介しろとルイ様から仰せつかったんだ」 
 Aは竜太を品定めするように下から上へと視線を這わせた。そして、Aはいきなり竜太の頭を鷲掴みした。その速さに竜太は全く反応できず、されるがままだった。

 そして、Aは頭をつかんだまま手の親指で竜太の閉じたままのまぶたを無理やり開いた。
「あの薬で目玉一個で済んだか」
 Aは竜太の頭から手をどけてポケットに手を入れた。
「俺はA。お前が新入りだな。で、さっきの話だがどうやらモラドはALPHAにスパイを送っていたらしい。それを俺が見つけてルイ様に報告した。そして、ルイ様はそのスパイに対して伊純の父親を追っているというデマの情報をモラドに流させた」
「なんでわざわざそんなデマ流したんだよ」
「恐らく、まだ未完成の実験をモラドに邪魔されたくなかったんだろう」
「だろうってお前らは理由を知らないのか?」
「ルイ様が決めたことだ。俺らはそれに従うだけ」

 竜太は目の前の人形のように動かない楓の父を指差していった。
「生きてんのか?」
「ああ、生きている。かなり衰弱しているがな」
 Aは「そんなことより」と言ってから続けた。
「ルイ様はお前のことを偉く気に入っている。新入りにここまでの情報を開示するのはめったに無いことだ。つまり、ルイ様はお前にそれだけ期待しているということだ。これがどういう意味かわかるか?」
 
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