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第66話「特訓⑤」
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お侍1号の全力の一撃を頭に食らった楓を心配した竜太はすぐさま楓のもとへと駆け寄った。
「大丈夫か楓!」
地面に突っ伏している楓を抱きかかえて起こすと竜太にようやく聞こえるほどの音量で返事をした。1号に受けた攻撃の傷はすでに治癒しかけており出血はすでに止まっている。
竜太が何度か楓を呼ぶと楓は薄っすらと目を開けて竜太の存在を認識した。
ようやく目を覚ました楓に胸をなでおろした竜太は息を吐き出すようにして言った。
「暴走しかけてたんだぞ。戦ってるときのこと覚えてるか?」
楓は竜太に抱きかかえられたまま記憶を探るようにしてしばらく考え込んでから答えた。
「あるよ。竜太が僕のことを呼んでたのと1号を追い詰めてた」
「記憶はあるのか」とつぶやく竜太に楓は更に続けた。
「あの時ほどじゃなかったけどまた体の内側がぐっと熱くなって意識が次第に遠のいていったんだ。でも、前とは違って完全に支配されたわけじゃないけどそれでもずっとぼーっとしてた」
楓は地面に手を付いて立ち上がり、無事を確認した竜太も腰をあげる。
楓は訝しんで首を傾げた。
「これってコントロールしたってこと?」
二人の頭の上にはてなマークが浮かび上がりそうなほど今の結果は微妙だった。それで二人は「うーん」と唸って考えた。
「なんか微妙じゃね? 楓の意思で動いてる感じはしなかったし、いきなり正気に戻ってたし。暴走はしなかったけどコントロールしたとは思えないよな」
「何が足りないんだろう…」
楓が考え込んでいると竜太はふと思い出したように口を開いた。
「楓と戦ってた1号だけどさ絶対に動作がおかしいよ。俺が戦った2号だったら楓の攻撃は交わせてなかったはずなんだ」
「え? じゃあ、1号は何か特別なの?」
竜太は首を横に振って否定した。
「いや、これバグなんじゃね? あの西郷ってやつ初実践は俺らが初めてって言ってたじゃん。だから、その可能性高いぞ」
「そっか。でも、さっき戦った感じだと少しだけ強くなっただけみたいだらか大丈夫なんじゃないかな?」
竜太は思わず吹き出して笑った。
「ポジティブすぎ。まあいいか。とりあえず楓が力をコントロールできる方法を考えようぜ」
二人は考え込んだ。考えに考えそして、楓と1号は何度も戦いを続けた結果西郷が言い渡した期限の二週間も気づけば残すところあと1日となっていた。
「もう時間ねぇや。だから、手短に。2号を倒した俺から言えるアドバイスは一つ」
竜太は楓に向かって人差し指を突き出して続けて言った。
「死の淵に立つこと。俺が2号にボコられた時、死の恐怖を間近に感じた。そしたら体の内側から生存本能なのか力が湧いてきたんだ。楓が言ってたような内側から湧き上がってくるような感じでな。楓は死なないけど自分自身の死に対する恐怖を考えてみたらどうだ? 今までの出来事もあるけど楓は死から遠ざかったから本当の恐怖が見えなくなってんじゃねぇの?」
「僕の死に対する恐怖か。確かに今まで死なないとわかってて大胆に行動してきた事があるかもしれない。もう一度、自分の死をちゃんと感じてみるよ」
楓はマメだらけで赤くに滲んだ手のひらを広げてそこに視線を落とした。マメができては治って…という繰り返しのサイクルが早いあまりヴァンパイアの治癒力を持ってしても治りきらずに痛々しい跡が残っている。
その手で木刀を握りしめ、この1週間と6日間毎日何度も対峙してきたお侍1号のもとへ歩を進める。
その間、楓は小さな声でつぶやくように言った。
「死を感じること」
1号は楓の発言の有無を問わず依然として同じ表情を作るだけだったが、構えに入る速さが少しばかりいつもよりもタイミングが早く思えた。
お互いが施設の中央で対峙して見合う。もう何度もお互いがお互いの顔を見てきたが最終日の今日は表情を全く変えない1号でさえ顔つきが変化しているように思えた。
まず、攻撃を仕掛けてきたのは1号の方からだった。1号は楓やその他のヴァンパイアの戦闘データを蓄積しているせいか、初撃を同じ方法で繰り出してくることはない。同じような攻撃でも少しの工夫を加えて相手に自分の出方を予測されないようにしている。
今回も同様だった。正面から来ると思わせてフェイントからのサイドを狙った攻撃だった。動きのキレ、力強さどれをとってもレベルは高く。その攻撃を完璧に防ぐのは難しいだろう。
楓は1号の初撃をもろに脇に食らって2歩ほどよろついた。そこから1号は一気に勝負を仕掛けようと目にも留まらぬ速さで連撃を仕掛ける。
楓は10発に4発ほどは防ぐものの残りの6発は体に当たるほどの確率でダメージを受けていた。楓も反撃を繰り出すが決定的なダメージを与えることはできず、いつも通りの1号優勢の試合が始まった。
楓は1号の連撃から反撃することを止め、距離を取って意識に集中した。
「恐怖、死…思い出せ」
楓は深呼吸をしてゆっくりと目を閉じる。今まで自分が経験してきた「死」に近しい記憶。目の前で起こった「死」について記憶を呼び起こす。
そして、ポツリ、ポツリと言葉を落とすように単語を並べていく。
「大切…人…死。自分…死」
楓は言葉として身を成していない音を叫びながら頭を抑えて左右に激しく振った。
「あぁ…頭がぁああぅぅうぐあぁあぁあ」
竜太は心配になって楓のことを何度も呼んだが楓はそれに応える余裕などないかのように頭の痛みに悶え苦しんでいる。
いつもよりも明らかに様子がおかしい楓。竜太は手に持っている木刀を胸の位置に構えて重心をやや下げていつでも動ける準備を整えた。
楓は湧き上がってくる何かを押さえつけるように両手で側頭部を強く押し付けている。
地面に額をこすりつけて頭を抱えている楓に1号はこれから確実に止めを刺すことを決めたかのようにゆっくりと近づいていく。人工知能に刻まれたプログラムはここで勝負を決めることを選択したようだった。
1号は以前、真っ二つにされた木刀で楓の後頭部を叩いたことがある。その時は木刀が短かったためダメージもすぐに回復して楓は意識を取り戻した。しかし、今回は傷一つ付いていない照明を反射するほどの艷やかな木刀だった。
1号は目の前で無防備になっている楓の後頭部めがけて勢いよく木刀を振り下ろした。竜太も楓が死なないとわかっているが、叫ぶように思わず声を上げた。
鈍い音がした。それは床を叩く音でもなく、木刀同士がぶつかる音でもなく、骨を砕く音でもない。硬いものが柔らかいものに当たる音だ。
1号が振り下ろした腕は振り切ること無く途中で止まっている。木刀も目標物に触れること無く空中に止まったままだった。
竜太はこの光景を見て思わず声を漏らす。
「1号の攻撃を素手で止めやがった」
竜太の視線の先には額は地面に伏したままで頭の上まで腕を上げて1号の木刀を片手て鷲掴みしている楓がいた。
1号はそのまま力で押し切ろうと振り下ろす手にさらに力を込めるが楓の腕は微動だにしない。それどころか力は楓の方が上回っているように思える。
そのまま楓は力で押切り、腕を上方へ向けたまま立ち上がる。その間1号は何度も力を加えるが全く楓には効いていない。
1号は力で押しても勝ち目はないと考えたのか木刀を引き抜くことさえ諦めて木刀から手を離した。その意志を確認した楓は木刀の端と端を掴んで割り箸でも割るかのように軽々と真っ二つに割って後方へ放り投げた。そして、楓の足元に落ちている自分の木刀は蹴り上げて実験施設の中央から壁にぶつかり地面に落ちて乾いた音を鳴らした。
「大丈夫か楓!」
地面に突っ伏している楓を抱きかかえて起こすと竜太にようやく聞こえるほどの音量で返事をした。1号に受けた攻撃の傷はすでに治癒しかけており出血はすでに止まっている。
竜太が何度か楓を呼ぶと楓は薄っすらと目を開けて竜太の存在を認識した。
ようやく目を覚ました楓に胸をなでおろした竜太は息を吐き出すようにして言った。
「暴走しかけてたんだぞ。戦ってるときのこと覚えてるか?」
楓は竜太に抱きかかえられたまま記憶を探るようにしてしばらく考え込んでから答えた。
「あるよ。竜太が僕のことを呼んでたのと1号を追い詰めてた」
「記憶はあるのか」とつぶやく竜太に楓は更に続けた。
「あの時ほどじゃなかったけどまた体の内側がぐっと熱くなって意識が次第に遠のいていったんだ。でも、前とは違って完全に支配されたわけじゃないけどそれでもずっとぼーっとしてた」
楓は地面に手を付いて立ち上がり、無事を確認した竜太も腰をあげる。
楓は訝しんで首を傾げた。
「これってコントロールしたってこと?」
二人の頭の上にはてなマークが浮かび上がりそうなほど今の結果は微妙だった。それで二人は「うーん」と唸って考えた。
「なんか微妙じゃね? 楓の意思で動いてる感じはしなかったし、いきなり正気に戻ってたし。暴走はしなかったけどコントロールしたとは思えないよな」
「何が足りないんだろう…」
楓が考え込んでいると竜太はふと思い出したように口を開いた。
「楓と戦ってた1号だけどさ絶対に動作がおかしいよ。俺が戦った2号だったら楓の攻撃は交わせてなかったはずなんだ」
「え? じゃあ、1号は何か特別なの?」
竜太は首を横に振って否定した。
「いや、これバグなんじゃね? あの西郷ってやつ初実践は俺らが初めてって言ってたじゃん。だから、その可能性高いぞ」
「そっか。でも、さっき戦った感じだと少しだけ強くなっただけみたいだらか大丈夫なんじゃないかな?」
竜太は思わず吹き出して笑った。
「ポジティブすぎ。まあいいか。とりあえず楓が力をコントロールできる方法を考えようぜ」
二人は考え込んだ。考えに考えそして、楓と1号は何度も戦いを続けた結果西郷が言い渡した期限の二週間も気づけば残すところあと1日となっていた。
「もう時間ねぇや。だから、手短に。2号を倒した俺から言えるアドバイスは一つ」
竜太は楓に向かって人差し指を突き出して続けて言った。
「死の淵に立つこと。俺が2号にボコられた時、死の恐怖を間近に感じた。そしたら体の内側から生存本能なのか力が湧いてきたんだ。楓が言ってたような内側から湧き上がってくるような感じでな。楓は死なないけど自分自身の死に対する恐怖を考えてみたらどうだ? 今までの出来事もあるけど楓は死から遠ざかったから本当の恐怖が見えなくなってんじゃねぇの?」
「僕の死に対する恐怖か。確かに今まで死なないとわかってて大胆に行動してきた事があるかもしれない。もう一度、自分の死をちゃんと感じてみるよ」
楓はマメだらけで赤くに滲んだ手のひらを広げてそこに視線を落とした。マメができては治って…という繰り返しのサイクルが早いあまりヴァンパイアの治癒力を持ってしても治りきらずに痛々しい跡が残っている。
その手で木刀を握りしめ、この1週間と6日間毎日何度も対峙してきたお侍1号のもとへ歩を進める。
その間、楓は小さな声でつぶやくように言った。
「死を感じること」
1号は楓の発言の有無を問わず依然として同じ表情を作るだけだったが、構えに入る速さが少しばかりいつもよりもタイミングが早く思えた。
お互いが施設の中央で対峙して見合う。もう何度もお互いがお互いの顔を見てきたが最終日の今日は表情を全く変えない1号でさえ顔つきが変化しているように思えた。
まず、攻撃を仕掛けてきたのは1号の方からだった。1号は楓やその他のヴァンパイアの戦闘データを蓄積しているせいか、初撃を同じ方法で繰り出してくることはない。同じような攻撃でも少しの工夫を加えて相手に自分の出方を予測されないようにしている。
今回も同様だった。正面から来ると思わせてフェイントからのサイドを狙った攻撃だった。動きのキレ、力強さどれをとってもレベルは高く。その攻撃を完璧に防ぐのは難しいだろう。
楓は1号の初撃をもろに脇に食らって2歩ほどよろついた。そこから1号は一気に勝負を仕掛けようと目にも留まらぬ速さで連撃を仕掛ける。
楓は10発に4発ほどは防ぐものの残りの6発は体に当たるほどの確率でダメージを受けていた。楓も反撃を繰り出すが決定的なダメージを与えることはできず、いつも通りの1号優勢の試合が始まった。
楓は1号の連撃から反撃することを止め、距離を取って意識に集中した。
「恐怖、死…思い出せ」
楓は深呼吸をしてゆっくりと目を閉じる。今まで自分が経験してきた「死」に近しい記憶。目の前で起こった「死」について記憶を呼び起こす。
そして、ポツリ、ポツリと言葉を落とすように単語を並べていく。
「大切…人…死。自分…死」
楓は言葉として身を成していない音を叫びながら頭を抑えて左右に激しく振った。
「あぁ…頭がぁああぅぅうぐあぁあぁあ」
竜太は心配になって楓のことを何度も呼んだが楓はそれに応える余裕などないかのように頭の痛みに悶え苦しんでいる。
いつもよりも明らかに様子がおかしい楓。竜太は手に持っている木刀を胸の位置に構えて重心をやや下げていつでも動ける準備を整えた。
楓は湧き上がってくる何かを押さえつけるように両手で側頭部を強く押し付けている。
地面に額をこすりつけて頭を抱えている楓に1号はこれから確実に止めを刺すことを決めたかのようにゆっくりと近づいていく。人工知能に刻まれたプログラムはここで勝負を決めることを選択したようだった。
1号は以前、真っ二つにされた木刀で楓の後頭部を叩いたことがある。その時は木刀が短かったためダメージもすぐに回復して楓は意識を取り戻した。しかし、今回は傷一つ付いていない照明を反射するほどの艷やかな木刀だった。
1号は目の前で無防備になっている楓の後頭部めがけて勢いよく木刀を振り下ろした。竜太も楓が死なないとわかっているが、叫ぶように思わず声を上げた。
鈍い音がした。それは床を叩く音でもなく、木刀同士がぶつかる音でもなく、骨を砕く音でもない。硬いものが柔らかいものに当たる音だ。
1号が振り下ろした腕は振り切ること無く途中で止まっている。木刀も目標物に触れること無く空中に止まったままだった。
竜太はこの光景を見て思わず声を漏らす。
「1号の攻撃を素手で止めやがった」
竜太の視線の先には額は地面に伏したままで頭の上まで腕を上げて1号の木刀を片手て鷲掴みしている楓がいた。
1号はそのまま力で押し切ろうと振り下ろす手にさらに力を込めるが楓の腕は微動だにしない。それどころか力は楓の方が上回っているように思える。
そのまま楓は力で押切り、腕を上方へ向けたまま立ち上がる。その間1号は何度も力を加えるが全く楓には効いていない。
1号は力で押しても勝ち目はないと考えたのか木刀を引き抜くことさえ諦めて木刀から手を離した。その意志を確認した楓は木刀の端と端を掴んで割り箸でも割るかのように軽々と真っ二つに割って後方へ放り投げた。そして、楓の足元に落ちている自分の木刀は蹴り上げて実験施設の中央から壁にぶつかり地面に落ちて乾いた音を鳴らした。
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