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第51話「醜い救世主」

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 楓は手を伸ばせばすぐにキースの首を掴むことができるほど近くまで歩を進めていた。いつの間にか目の前に現れる楓にキースは一瞬たじろいだ。
 そして、楓は目の前にいる生物をまるで己の好奇心を満たすかのようにしてジロジロと舐め回すように見つめる。

「君は死が怖くないのかねぇ。フフフ、勇敢だねぇ」
 悠然と答えるキースは目の前に立ち尽くす楓に向かって見下ろしながらそう言う。それはかろうじて作ったような余裕にも思えたが、それでもキースは刀を振り上げて楓の首めがけて振り払った。
 楓は無抵抗だった。その刀は楓に向かって右から左に向かって勢いを落とすこと無く振り払われた。
 当然のことながら楓の首はボトリと闘技場の砂地に低い音を出して落下し、体から離脱する。
 刀で切られた断面からは噴水のように赤い液体が勢いよく吹き出し目の前にいるキースの白い隊服を赤く染めた。

 しかし、それも数秒間の出来事だった。
 しばらくすると血の噴水は止まって切断された断面からはみるみるうちに元の楓の顔が形成されてゆく。
 やがて、もとの楓の姿に戻る。楓は新しくできた首の調子を確かめるように首を左右に振って音を鳴らした。
 その姿はまるで、首を来られる前にタイムスリップしたかのようにまたキースの目の前に何食わぬ顔で楓は立ち尽くす。
 そして、ついさっき出来上がった口を動かして楓は言う。
「殺してみろよ? なぁ、殺せよ」
 楓は挑戦的な笑みをすぐ目の前にいるキースに見せつけキースの整えられたオールバックの頭を鷲掴みして、キースの額を自分の額に押し付ける。

「なるほどねぇ。そういう副作用かなぁ」
 キースの頬に一筋の汗が伝って引きつった笑みを浮かべる。そして、楓の手を振り払って2歩3歩と後ずさり常に目の前にいる楓から距離を取ろうと試みた。
 一方、楓は血走った焦点の合っていない目でケタケタと笑いながら、なんでもう一度刀を振るわないのか? という疑問を解消する純粋な少年のように首を傾げて2歩3歩と前進する。
 楓が刀を持つ手に力を加えて刀を肩よりも高い位置に掲げてから空気を切り裂く音を鳴らして振り下ろした。
 キースは楓の振り下ろした刀を防いだ…。はずだった。キースが刀を持ち上げたときには刀を持っている逆の手である右肩から下が切断され虚しくも地面に落下する。
 キースの体から切り離された腕は地面に転がり、キースの腕の断面からは勢いよく赤い液体が地面に向かって噴射し、自らの腕を赤く染めた。

 腕を切り落とされたキースは更にほうぅと首を横に振りながら一息ついてから感嘆する。
「素晴らしい力だ。これが私のものになるのか。どうりでルイ様もコイツに期待するわけだ」
 それでも楓は焦点のあっていない目でキースを見ている。
「コ、ロス。お前コロス。ヘヘッ…ヘヘッ」
 目の前の食事を我慢する犬のようによだれを垂らして楓は不敵な笑みだけ浮かべる。
 目の前の敵に対して首を鳴らして接近する。彼は戦いを始まってから嬉々として楽しんでいるようだ。
「ただ、もう少し教育が必要なようですねぇ。ルイ様ぁ」
 キースは目の前に立ち尽くす楓の心臓部を刀で一直線に突き刺した。そして、楓は一瞬怯んでバランスを崩して倒れそうになったが、自分に貫通している刀に寄りかかってから体勢を立て直した。そして、当たり前のように刀が腹部に刺さったまま前進を続けて腹部が刀の鍔に接するほど前進していた。

 キースは楓に刺した刀をすぐに引き抜いて楓の首を再び切ろうとしたが楓は手に持っている刀を持ち上げてそれを防いだ。
「ほう。これを防ぐのか」 
「コ、ロス、コロス、コロース!」
 連撃を繰り出す楓にキースは溜息を吐く。
「君はそれしか言えないのかい? 下品で醜いねぇ」
 楓は無尽蔵のスタミナで延々とキースに突きの連撃を繰り出しキースもそれに対応する。
 楓の刀の振り方は今まで武闘会のために鍛え上げてきた教科書通りの理にかなったフォームとは程遠く、一挙手一投足で繰り出す攻撃が全て荒々しくまるで乱れ打ちをしているかのように規則的な攻撃もフォームも存在していなかった。

「まさか、薬で強化してもこんな単純な攻撃しかできないのか? パワーが増しただけじゃ勝てるもんも勝てないよねぇ。頼むから期待させるだけはやめてくれよぉ」
 そして、両者の青緑色の鮮やかに輝く光が無機質な茶色い地面の闘技場に彩りを添える。
 刀同士を交えるだけなのに二人の間では無風の闘技場に風が吹き始める。そして、彼らの足元にある砂が舞い砂埃が立ち上がる。
 その砂埃を振り払ってキースは楓が刀を持ち上げたスキを狙って刀を突くが、楓は当然のごとくその攻撃を振り払う。

 2人は一旦後方に跳躍して距離を取った。
 キースは乱れた襟と茶髪のオールバックをクシで整えてから口角を上げて言う。
「君は逸材だよ! その強さ。そして、無限の生命。是非我々ALPHAに来るべきだ。だが…」
「ア、アル、アラ…ファ?」
 楓はからくり人形のようにカタカタと首を揺らして単語を形成しようと試みるが、キースの発言を理解できていないのか首を傾げて血に濡れた白髪を揺らす。
 キースはその楓の姿をまるで醜いものでも見るように目を細めて怪訝な顔をした。
「知能は最低レベルだろうね。私がこんな姿になってしまったら実に恥ずかしいよぉ。改善してもらわないとねぇ」
 キースは襟についた砂埃を手で振り払ってから、刀を握る手に力を入れて楓に向かって走り出す。
「でも、初成功にしては上出来だろうねぇ。ただ、」

 再び2人はお互いが助走をつけてその勢いを刀にぶつけて交える。
 刀と刀が激しくぶつかり割れるような金属音が闘技場に鳴り響きく中、刀越しにキースは話す。
「教えてくれ、君はどうやってその力を発芽したのかねぇ? 発芽条件はなんだ?」
 楓は真っ赤な瞳と白い歯を見せて自力で当ててみせろとでも言わんばかりに挑戦的な顔で首をかしげる。
「さぁ?」
 楓は刀を振り切って両者後方に跳躍して再び刀の届かない程の距離を取った。
 キースは「ふーむ、そうかぁ」と唸り顎に手を当てて何やら考え込んだ。
「そっちがそのつもりなら。どうやって捕まえるかねぇ…」
 キースはなにか思いついたように竜太の方へ歩を進めて刀で竜太のことを指し示した。
「彼は君の親友だ。どうだろう? ここで取引をしようじゃないか」
 楓は青緑色に輝く刀の刃先を舐めて見開いた真っ赤な瞳をキースに向ける。キースの声が聞こえているのかは不明だがそれでもキースが話している間にキースに向かって一歩一歩着実に歩を進めている。

 キースは手足を鎖で拘束されている竜太の首元に刀を添えるように突きつけた。首筋にわずかに触れた刃先からは一筋の血が伝っている。
「止まりたまえ! 君がALPHAにおとなしく戻るならこの子の拘束をといて君たちに返してやろう。しかし、もし来ないというのなら彼の命は保証できないねぇ。それ以上進んだら、わかるよねぇ?」
 キースはそうは言ってみるものの、まるで話が聞こえていなかったかのように楓は歩を止める意志すらなかった。むしろ、歩を進める速さは増して段々とキースに近づいていく。
「やってみろよ。殺してみろよ?」
 まるで、話の通じない阿呆でも見ているかのような嘲笑を楓は浮かべる。
 竜太は首に突きつけらた刀に視線を落としていた、そして這うようにして視線を上げ向かってくる別人に成り果てた楓を見つめている。
「ほうぅ。随分と余裕じゃないか…君はもっと慎重に選択するべきだったよ」
 キースは竜太の首元に当てた刀に視線を落として刀を握る力を強めた。そして、腕をめいいっぱい振り切る。

 すると、肩だけは竜太の首を切っている軌道を描くように振り切った。しかし、竜太の首元に添えた刀は地面に虚しく落ちている。
 その間に、竜太とキースを隔てる僅かな隙間に青緑色の風が突風のように吹き去る。
 この時、キースは両腕を失った。片方は治癒途中で肘までしかまだ治癒しきれていない。そして、さっきまで刀を持っていたもう片方の手は肩から下が無くなっている。
 キースは呆然と自分の落下する腕を見つめているとこめかみに青い血管が浮き出て、目つきが鋭くなった。いや、鋭いと言うよりも白目を剥いて怒りに身を任せているようだった。
 キースは少し刀が首に入り込んで首から血を流し咳き込む竜太には目もくれず、切り落とされた自分の腕に再び視線を落とした。

 そして、両腕を失い片方は肘まで、もう片方は肩から下がないアンバランスな体は、だらしなく地面に這いつくばって、さっきまで自分が握っていた刀を口に加えた。その際にいくつかの砂を口内に含んでしまったのだろう、闘技場に落ちている誰とも知らない歯や爪がキースの口元からよだれと共にこぼれ落ちている。
「この私にこんな醜い格好をさせるなんて…無事で帰れるともうなよ。出来損ないがぁ」
 その時のキースの茶髪で整えられていたオールバックはボサボサになり、常に整えていた襟元の白い隊服ははだけたままで、砂にまみれてだらしなく汚れている。
「貴様ぁ。この私の交渉も訊くことができないのかぁ? 低能のバカがぁ。はぁあぁ、いいだろう戦力は同じ、戦闘経験は私のほうが上だ。この私が負けるわけ無いぅい」
 刀の持ち手を加えた口の隙間からかろうじて声を発するキースは切り終えて背を向けている楓の首元に顔を突っ込むかのようにして飛び込んだ。

 キースは楓の首元を切った…。はずだった、しかし、楓はキースのすぐ後ろにいる。
「はれ?」
 キースは加えた刀の隙間から思わず声を漏らした。
 楓はあえて死なないように心臓を避けてへそめがけて後ろから刀を突き刺してそのまま刀を地面に突き刺した。そして、キースを地面に刀を突き刺された状態で固定して、まるで串刺しのようになっている。
 楓は陽気に歌いだしながら立華のもとへ向かっていく。
「カタナ、カタナ、カタナァ♪」
 立華の両手を一本ずつ固定しているナイフの内一本引き抜いて手に取った。
 立華から刀を引き抜いた時、そのときに立華は目を覚ました。
「楓くんですか?」
 その問いかけに楓は全く聞こえていなかったかのように振り向きすらしない。
「楓くん? 聞こえてますか?」

 楓は嬉々として手に持っているナイフを青緑にか輝かせて器用な指さばきでクルクルと回しながら再びキースに馬乗りになってのしかかる。
 キースを見下ろすのその目つきは以前の楓の姿の面影はもはやなくなって目の前のヴァンパイアを殺すことが食欲を満たことと同義であるかのように欲求に飢えた表情であった。
 両腕の無いキースは陸上に上げられた魚のように懸命に足と腰をばたつかせて抵抗する。
「頼む! 止めてくれ! そうだ! 君に永遠の自由を約束しよう。もうALPHAに来なくてもいい! 君の生きたいようにこれから自由に生きていくといい。私からルイ様に言っておこう。こう見えても私は約束は守る男でね。どうだ? 良い交渉じゃないか? 君は延々の自由を手に入れられるんだぞ」
 楓は人差し指でナイフを回転させてからキースの心臓をあえて避けた右胸に向かって突き刺した。当然キースは闘技場に響き渡るような叫びをあげる。
「実験…ジッケン…」

 目を覚ました立華は楓がキースを斬りつける瞬間を目の前で見ている。
「楓くん。な、何してるんですか? そいつを倒したんですか?」
 もはや立華は白い歯を見せて笑っている。そして、当然ながら楓はその問いに答えることはない。一人で黙々と己の欲求を満たすという目標に向けて作業を続けている。
「か、楓君? そのヴァンパイアを無力化したなら僕らの捕虜にしましょうよ。だから、無理に殺す必要はないですよ」
 立華は様子のおかしい楓に諭すようにそういった。本心で捕虜にしようとしているかどうかは定かではないが楓の様子を見ながらそう言っていることは容易に想像できた。
 しかし、楓にはその声は全く聞こえていなかった。
 楓はブツブツと独り言を言いながら作業を依然として継続している。
 唖然として見ていた竜太も固定された口元を懸命に動かしながらなんとかして音を発した。言葉を発することが難しいその竜太ではあったが瞳から滴るものから今の竜太の感情を理解することができる。
「…ゔぁえれ、ゔぉおやれろ!」
 当然ながら楓にその声は届いていない。それどころか、手に持ったナイフをキースの右胸から今度は脇腹を掻っ切るように振り切った。そんな楓は一挙手一投足嬉々としている。

 竜太は拘束され、立華も手を拘束される。そして、楓自らが腹部を刺した烏丸は気を失っている。故に、楓を止められる者はここには誰もいない。よって、皆、指を加えて楓がこれから行うことを見ているしかなかった。
「死ねぇ、無くなっちゃえぇ。ヒヒッヒヒヒ」
 楓は手を止めることは無くキースの背中から腸をえぐり出す。
 初めは脇腹を掻っ切ったと思ったら背中から臓物を取り出して手のひらで宝物でも眺めるように目を細めて鑑賞した。そして、飽きたと思ったらそこら変にゴミを捨てるかのごとく投げ捨てて次の臓物をえぐり出した。
 やがて、キースは動かなくなった。というか結構前から動かなくなっていた。
 楓は地面に埋まった宝探しでもするようにキースの後頭部めがけてナイフを頭の上まで持ち上げて振り下ろそうとした。

 しかし、楓の腕は盛大に空振りした。そして、垂れ流される楓の血だけがキースの無残にも横たわる後頭部に振りかかり、楓が前方を確認してみれば楓がこれから味わおうとしていたキースは後頭部は青く光る刀で刺されて静かに生命を停止していた。
「はえ?」
 楓は血が吹き出ている自分の腕の断面をまじまじと見つめていると眼の前に立っている男を見上げた。
 キースから刀を引き抜いて両手に持った太刀を地面に引きずるようにして歩く男は楓の目の前にゅうっと覗き込むように顔を近づける。
 目の前で行われていることに立華は唖然としていた。
「…京骸さん」
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