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OLの悲劇
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ガタンッと椅子を蹴ったてて立ち上がる。午前2時の会社はただただ不気味だった。
「おわった‼︎」
確認作業を怠ってしまったがために発生した仕事。今日までに仕上げなければならなかったがなんとか間に合った。
「よし、帰ろう」
ガランとしたオフィスはどこか寂しくて、1人呟いて気を明るく保とうとする。
もう電車は止まっている。でも、家まで歩いて帰れない距離ではない。
「ダイエットと思えばいいか」
疲れているのに、深夜テンションマックスだった私はルンルンと鞄を振り回しながらビルを出た。
そうだ、久しぶりにコンビニのスイーツでも食べようか?
「うん、いいかも」
ご褒美も時には必要だ。
シュークリームもいいな。あ、ガトーショコラも。それならいっそのことパフェにしようか? いや、和菓子風なのも捨てがたい。
「あ、ダイエット……まぁ、今日はいいか。歩くし」
歩いて帰る動機を完全に忘れていた。でもまぁ、いいやと思い直す。しかし、そんな私の邪な思いを罰するかのような出来事が起こった。
スイーツの事を考え、るんるんと上機嫌に歩いていた私。しかし、コンビニが見えてきた所で直前で大きなバイク音と共に視界が真っ白に染まったのだ。
ーーえ?
そのすぐ後に、体に強い衝撃が走る。人間の体の構造的にありえない角度で曲がった自身の腕と足が視界に見えた。ゆっくりと私自身も回転しながら宙を舞う。
実際は多分錐揉みしながら吹っ飛んだんだと思う。けど、体感としてはとても長時間宙を飛んでいたような、そんな感覚だった。遅れてやってくる激痛と、地面に叩きつけられる音。
パァーーーーー!!!! と、大きなクラクション音が聞こえた後、「やばいよ、人はねちゃった。死んでそう……」「いや、普通死ぬだろ! 逃げるぞ!」という若い男性達の声が聞こえた。
ズンズンと大音量の音楽が脇を通り過ぎていく。
いや、まだ生きてるから! せめて逃げるにしても救急車ぐらい呼んでくれたっていいでしょ!?
そうつっこんだ後、私は意識を失った。
「おわった‼︎」
確認作業を怠ってしまったがために発生した仕事。今日までに仕上げなければならなかったがなんとか間に合った。
「よし、帰ろう」
ガランとしたオフィスはどこか寂しくて、1人呟いて気を明るく保とうとする。
もう電車は止まっている。でも、家まで歩いて帰れない距離ではない。
「ダイエットと思えばいいか」
疲れているのに、深夜テンションマックスだった私はルンルンと鞄を振り回しながらビルを出た。
そうだ、久しぶりにコンビニのスイーツでも食べようか?
「うん、いいかも」
ご褒美も時には必要だ。
シュークリームもいいな。あ、ガトーショコラも。それならいっそのことパフェにしようか? いや、和菓子風なのも捨てがたい。
「あ、ダイエット……まぁ、今日はいいか。歩くし」
歩いて帰る動機を完全に忘れていた。でもまぁ、いいやと思い直す。しかし、そんな私の邪な思いを罰するかのような出来事が起こった。
スイーツの事を考え、るんるんと上機嫌に歩いていた私。しかし、コンビニが見えてきた所で直前で大きなバイク音と共に視界が真っ白に染まったのだ。
ーーえ?
そのすぐ後に、体に強い衝撃が走る。人間の体の構造的にありえない角度で曲がった自身の腕と足が視界に見えた。ゆっくりと私自身も回転しながら宙を舞う。
実際は多分錐揉みしながら吹っ飛んだんだと思う。けど、体感としてはとても長時間宙を飛んでいたような、そんな感覚だった。遅れてやってくる激痛と、地面に叩きつけられる音。
パァーーーーー!!!! と、大きなクラクション音が聞こえた後、「やばいよ、人はねちゃった。死んでそう……」「いや、普通死ぬだろ! 逃げるぞ!」という若い男性達の声が聞こえた。
ズンズンと大音量の音楽が脇を通り過ぎていく。
いや、まだ生きてるから! せめて逃げるにしても救急車ぐらい呼んでくれたっていいでしょ!?
そうつっこんだ後、私は意識を失った。
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