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24 冒険終わって
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レイさんと別れて、ポータルを使ってユーくんと一緒にO府へと戻った。
午後二時から、頑張ること数時間が経過しているので夕食に近い時間だ。
そして、半年分の稼ぎを一気に稼いだ。
会社勤めでもないのにボーナスを貰った気分になる。
以上のことから、導き出される答えは一つ。
食い倒れで名高いO府に行く機会があって、お土産を買わないで買える訳には行かないっ!
ラッキーなことに地元に詳しいユーくんもいる。
若いのに舌も肥えていて、グルメな子だ。
アドバイスが頼りになると思う。
彼がオススメする食い倒れなお土産を買いつつ、労いの意味も込めて、彼にも買ってあげた。
ちょっとしたデート気分も味わえる。
十歳差があるのでほんの少しの疚しさもあるけど……。
でも、多分、大丈夫。
彼はカエル。
カエルなのだから、問題ない……はず。
「ただいまー」
買い物が思いの外、楽しくて、これまた想定外に時間を食った。
ようやく帰宅した頃には既に空にお月様が出ている時間だった。
「おかえり」
リビングではなく、部屋で脳のトレーニング代わりのパズルをやっていたようだ。
ちょっと遠いところから、声がした。
マンションだし、さして広くもない3LDKだから、ちょっと遠いところと言ってもたかが知れている。
「食い倒れのところに行ったから、奮発してお土産買ってきた」
「そう」
母は相変わらず、趣味のリボンフラワーや刺繍をしているかというとそうではない。
脳トレ代わりにパソコンでパズルをするのは変わってないけど。
変わったのはそこじゃない。
リビングを飾っていたリボンフラワーの完成品の代わりにうねうねと蔓が蠢いていて、そこかしこに季節外れの色とりどりの花まで咲いている。
さながらリビングが異国のジャングルのようだ。
これは全て、母の仕業。
あの異変があった日、母も例に漏れず覚醒した一人だった。
それもわたしと同じエルフ。
ただし、植物に関係の深いドリュアスとして。
もっとも母は何度、説明しても「ゲームはよく分からないから」とプレイヤー審査を受けることも拒否した。
別にそれでもいいと思う。
プレイヤーとしての適性があったとしても危ないことはやって欲しくない。
「すぐに用意するね」
そう言うと母もやれることをやろうとする。
あまり自由自在に動ける体ではないものの食卓を入念に消毒しないと気が済まない性格なのだ。
そこまでしなくても? と思うくらいに念入りにやる。
本人がそれで満足しているから、別にいいんだけど。
もしかしたらと思うことがある。
母が病を得て、足を悪くしたのもドリュアスだったことが、影響しているのかもしれない。
ドリュアスは樹木の精霊とも言われる種族らしい。
居場所から離れないのがその特徴だとか……。
だから、余計にそう思ってしまう。
世界がああなってから、誰しも少なからず、他方に引き摺られているのは事実だし。
その日の夕食はいつになく、華やかで盛り上がった。
ユーくんが見立ててくれたメニューは大当たり。
母も喜んでくれた。
臨時収入で当分の間は楽できそうでもある。
いい一日だったと思う。
ただ、気にならないことがないかと言えば、そうでもない。
あの「テケリ・リ」という嫌な鳴き声が耳について、離れないのだ……。
午後二時から、頑張ること数時間が経過しているので夕食に近い時間だ。
そして、半年分の稼ぎを一気に稼いだ。
会社勤めでもないのにボーナスを貰った気分になる。
以上のことから、導き出される答えは一つ。
食い倒れで名高いO府に行く機会があって、お土産を買わないで買える訳には行かないっ!
ラッキーなことに地元に詳しいユーくんもいる。
若いのに舌も肥えていて、グルメな子だ。
アドバイスが頼りになると思う。
彼がオススメする食い倒れなお土産を買いつつ、労いの意味も込めて、彼にも買ってあげた。
ちょっとしたデート気分も味わえる。
十歳差があるのでほんの少しの疚しさもあるけど……。
でも、多分、大丈夫。
彼はカエル。
カエルなのだから、問題ない……はず。
「ただいまー」
買い物が思いの外、楽しくて、これまた想定外に時間を食った。
ようやく帰宅した頃には既に空にお月様が出ている時間だった。
「おかえり」
リビングではなく、部屋で脳のトレーニング代わりのパズルをやっていたようだ。
ちょっと遠いところから、声がした。
マンションだし、さして広くもない3LDKだから、ちょっと遠いところと言ってもたかが知れている。
「食い倒れのところに行ったから、奮発してお土産買ってきた」
「そう」
母は相変わらず、趣味のリボンフラワーや刺繍をしているかというとそうではない。
脳トレ代わりにパソコンでパズルをするのは変わってないけど。
変わったのはそこじゃない。
リビングを飾っていたリボンフラワーの完成品の代わりにうねうねと蔓が蠢いていて、そこかしこに季節外れの色とりどりの花まで咲いている。
さながらリビングが異国のジャングルのようだ。
これは全て、母の仕業。
あの異変があった日、母も例に漏れず覚醒した一人だった。
それもわたしと同じエルフ。
ただし、植物に関係の深いドリュアスとして。
もっとも母は何度、説明しても「ゲームはよく分からないから」とプレイヤー審査を受けることも拒否した。
別にそれでもいいと思う。
プレイヤーとしての適性があったとしても危ないことはやって欲しくない。
「すぐに用意するね」
そう言うと母もやれることをやろうとする。
あまり自由自在に動ける体ではないものの食卓を入念に消毒しないと気が済まない性格なのだ。
そこまでしなくても? と思うくらいに念入りにやる。
本人がそれで満足しているから、別にいいんだけど。
もしかしたらと思うことがある。
母が病を得て、足を悪くしたのもドリュアスだったことが、影響しているのかもしれない。
ドリュアスは樹木の精霊とも言われる種族らしい。
居場所から離れないのがその特徴だとか……。
だから、余計にそう思ってしまう。
世界がああなってから、誰しも少なからず、他方に引き摺られているのは事実だし。
その日の夕食はいつになく、華やかで盛り上がった。
ユーくんが見立ててくれたメニューは大当たり。
母も喜んでくれた。
臨時収入で当分の間は楽できそうでもある。
いい一日だったと思う。
ただ、気にならないことがないかと言えば、そうでもない。
あの「テケリ・リ」という嫌な鳴き声が耳について、離れないのだ……。
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