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第17話 小動物系姫は意外と頑固
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オルロープ邸の中庭は整備が行き届いている。
庭師さんがいい仕事をしているようだ。
色とりどりの花が咲き乱れているのにあまり自己主張が激しい種類の花は生けられていないらしい。
可憐な美しさの花々が静かに咲き誇っていると言うのがふさわしいだろう。
派手ではなく、あくまで清楚可憐。
それがどこか、姫を連想させるものを感じて、癒しを感じるのは気のせいではないはずだ。
中庭の中央には濃緑色の鉄製の机と椅子がセッティングされており、茶器やお茶請けが既に並べられていた。
これはただ、セレナ姫に挨拶するだけでは済まないだろうな。
「お待たせして、申し訳ございません。フレデリク・フォン・リンブルクです」
「ふぇ!? ひ、ひゃい」
椅子に腰掛けて、優美な仕草で紅茶を飲んでいた姫は俺が声を掛けることなんて、思いもしなかったんだろう。
ドキッとして、慌てている様子がうさぎのような小動物みたいでかわいい。
『ひゃい』って、何だよ。
かわいすぎだろ。
「お……いえ、私もこちらにお邪魔してよろしいのでしょうか、姫君」
「は、はい。どうぞ、お掛けになってくださいませ」
姫の向かい側に置かれた椅子に腰掛け、落ち着いた状態で姫の顔を見て、天使は実在したんだなと改めて、実感する。
その美しさ。
いや、可憐さと言うべきだろうか?
ユウカもかわいい。
兄妹だから、贔屓目というものが多少なりともあるのは否めないが……。
セレナ姫はまっさらな目で見ても間違いなく、国宝級美少女だろう。
これは推しだからというだけではないと思うんだ。
彼女が声を掛けて、靡かない男はいないんじゃないか?
ただ、態度がどこか、おどおどしている。
小動物ぽいんだよな。
それがまた、男の庇護欲を誘うというやつなのか!?
わざとだったら、あざといんだが……。
姫の場合、天然だよなぁ。
「セレスティーヌ姫。あなたのことをセレナ姫とお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「ひ、ひゃい」
本当にいいのだろうか?
小動物みたいにぷるぷる震えながら、噛んでる姿を見ると脅しているみたいで罪悪感を拭えないものがある。
「私のこともフリットとお呼びください」
姫を安心させる為、ニコッと微かな笑みを浮かべたが逆効果だったのか。
姫の顔は熟れたトマトのように真っ赤になってしまった。
そうだった……フレデリクは滅茶苦茶、男前だった。
前世の俺は良くても中の中、自分では中の下がいいとこだと思うくらいに平凡な面構えだった。
イケメンが微笑むだけで破壊力があるという自覚がなかったんだ。
「フ、フリットさみゃ?」
「はい、セレナ姫」
何か、姫の頭から湯気が出ているように見えるが錯覚だよな。
人間はオーバーヒートする生き物だったか?
あれ? 俺は何をしに来たんだっけ?
姫を鑑賞しに来たんじゃなかったと思うんだが……。
「あ、あの私……お父様にフリット様とお会いするようにと言われただけなのです」
「ああ。私が姫の騎士になりたいと申し上げたからでしょう」
「騎士でひゅか? わ、私に騎士など百万年早いのではないでしょうきゃ」
本当、良く噛む子だけど、舌は大丈夫なんだろうか。
そっちの方が心配だぞ。
緊張しているから、噛んでしまうんだろう。
それは俺がまだ、姫に緊張させてしまう存在だからってことだよな。
「フリット様はその……お噂で伺っていたのと違って、お優しいですし、あの時も私を助けてくださいましちゃ……痛っ」
『痛っ』って、言わなかったか!?
やっぱり、舌にかなりのダメージがあるんだな。
俺がもっと姫を安心させられる人間にならなくてはいけない。
「俺は当然のことをしたまでです。義を見てせざるは勇無きなり。あのような状況で困っておられた姫を見捨てることが出来ましょうか」
「私……あの、その……家の者以外に優しくされたことがありませんでしたから。とても嬉しかったでしゅ」
そう言って、初めて俺に微笑んでくれた姫になぜ、陽だまりの温かみのようなものを感じるのだろう。
そんなことある訳ないのにな。
「えー、こほん。先程はちょっとかっこつけたことを言ってしまいました。本当は姫があまりにお美しいのでお助けしたかっただけなのですよ。どうか、姫の騎士となる名誉をいただけませんか?」
推しだった。
推ししか、勝たんのだよ!
不幸になる推しの姿なんて、見たくないのだ。
だから、絶対に俺が守らないといけない。
彼女に好きになってもらう必要はないんだ。
ただ、俺が守りたいだけなんだから。
「ふぇ!? ほ、本気でしたのね」
「ええ、本気です。騎士はいりませんか? それなら、雑用係でもかまいませんよ」
「ふぁ!? ざ、雑用をフリット様のように高名な将軍に……そんなことをさせたら、お父様に叱られまひゅ」
まあ、そうだよな。
俺としては雑用係でもいいから、姫を守りたいんだ。
死亡フラグというのはどこにあるか、分かったもんじゃないからな。
だが、姫が騎士を迎えるのに乗り気じゃないのはどうしたものかね。
俺がどう説得すればいいか、分からず悩み始めると姫も何だか、そわそわしている。
微妙に居心地が悪いってやつだな。
「おい、馬鹿弟子!」
「「ふぁ!?」」
俺も姫も同じタイミングで変な声が漏れた。
いないと思っていた先生に突然、雷を落とされたら、出ても仕方ないかって気がするよ。
「お前ら、面倒だからさ。結婚しろ」
な、なんですと?
先生、今、藪から棒に変なことを言ってませんか。
い、いきなり結婚だなんて、それは無理ですよ。
手順を踏んでプロポーズしてからがセオリーってもんでしょう。
「馬鹿弟子、ごちゃごちゃ考えてる暇はねえんだ。四の五の言わずに覚悟決めな」
庭師さんがいい仕事をしているようだ。
色とりどりの花が咲き乱れているのにあまり自己主張が激しい種類の花は生けられていないらしい。
可憐な美しさの花々が静かに咲き誇っていると言うのがふさわしいだろう。
派手ではなく、あくまで清楚可憐。
それがどこか、姫を連想させるものを感じて、癒しを感じるのは気のせいではないはずだ。
中庭の中央には濃緑色の鉄製の机と椅子がセッティングされており、茶器やお茶請けが既に並べられていた。
これはただ、セレナ姫に挨拶するだけでは済まないだろうな。
「お待たせして、申し訳ございません。フレデリク・フォン・リンブルクです」
「ふぇ!? ひ、ひゃい」
椅子に腰掛けて、優美な仕草で紅茶を飲んでいた姫は俺が声を掛けることなんて、思いもしなかったんだろう。
ドキッとして、慌てている様子がうさぎのような小動物みたいでかわいい。
『ひゃい』って、何だよ。
かわいすぎだろ。
「お……いえ、私もこちらにお邪魔してよろしいのでしょうか、姫君」
「は、はい。どうぞ、お掛けになってくださいませ」
姫の向かい側に置かれた椅子に腰掛け、落ち着いた状態で姫の顔を見て、天使は実在したんだなと改めて、実感する。
その美しさ。
いや、可憐さと言うべきだろうか?
ユウカもかわいい。
兄妹だから、贔屓目というものが多少なりともあるのは否めないが……。
セレナ姫はまっさらな目で見ても間違いなく、国宝級美少女だろう。
これは推しだからというだけではないと思うんだ。
彼女が声を掛けて、靡かない男はいないんじゃないか?
ただ、態度がどこか、おどおどしている。
小動物ぽいんだよな。
それがまた、男の庇護欲を誘うというやつなのか!?
わざとだったら、あざといんだが……。
姫の場合、天然だよなぁ。
「セレスティーヌ姫。あなたのことをセレナ姫とお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「ひ、ひゃい」
本当にいいのだろうか?
小動物みたいにぷるぷる震えながら、噛んでる姿を見ると脅しているみたいで罪悪感を拭えないものがある。
「私のこともフリットとお呼びください」
姫を安心させる為、ニコッと微かな笑みを浮かべたが逆効果だったのか。
姫の顔は熟れたトマトのように真っ赤になってしまった。
そうだった……フレデリクは滅茶苦茶、男前だった。
前世の俺は良くても中の中、自分では中の下がいいとこだと思うくらいに平凡な面構えだった。
イケメンが微笑むだけで破壊力があるという自覚がなかったんだ。
「フ、フリットさみゃ?」
「はい、セレナ姫」
何か、姫の頭から湯気が出ているように見えるが錯覚だよな。
人間はオーバーヒートする生き物だったか?
あれ? 俺は何をしに来たんだっけ?
姫を鑑賞しに来たんじゃなかったと思うんだが……。
「あ、あの私……お父様にフリット様とお会いするようにと言われただけなのです」
「ああ。私が姫の騎士になりたいと申し上げたからでしょう」
「騎士でひゅか? わ、私に騎士など百万年早いのではないでしょうきゃ」
本当、良く噛む子だけど、舌は大丈夫なんだろうか。
そっちの方が心配だぞ。
緊張しているから、噛んでしまうんだろう。
それは俺がまだ、姫に緊張させてしまう存在だからってことだよな。
「フリット様はその……お噂で伺っていたのと違って、お優しいですし、あの時も私を助けてくださいましちゃ……痛っ」
『痛っ』って、言わなかったか!?
やっぱり、舌にかなりのダメージがあるんだな。
俺がもっと姫を安心させられる人間にならなくてはいけない。
「俺は当然のことをしたまでです。義を見てせざるは勇無きなり。あのような状況で困っておられた姫を見捨てることが出来ましょうか」
「私……あの、その……家の者以外に優しくされたことがありませんでしたから。とても嬉しかったでしゅ」
そう言って、初めて俺に微笑んでくれた姫になぜ、陽だまりの温かみのようなものを感じるのだろう。
そんなことある訳ないのにな。
「えー、こほん。先程はちょっとかっこつけたことを言ってしまいました。本当は姫があまりにお美しいのでお助けしたかっただけなのですよ。どうか、姫の騎士となる名誉をいただけませんか?」
推しだった。
推ししか、勝たんのだよ!
不幸になる推しの姿なんて、見たくないのだ。
だから、絶対に俺が守らないといけない。
彼女に好きになってもらう必要はないんだ。
ただ、俺が守りたいだけなんだから。
「ふぇ!? ほ、本気でしたのね」
「ええ、本気です。騎士はいりませんか? それなら、雑用係でもかまいませんよ」
「ふぁ!? ざ、雑用をフリット様のように高名な将軍に……そんなことをさせたら、お父様に叱られまひゅ」
まあ、そうだよな。
俺としては雑用係でもいいから、姫を守りたいんだ。
死亡フラグというのはどこにあるか、分かったもんじゃないからな。
だが、姫が騎士を迎えるのに乗り気じゃないのはどうしたものかね。
俺がどう説得すればいいか、分からず悩み始めると姫も何だか、そわそわしている。
微妙に居心地が悪いってやつだな。
「おい、馬鹿弟子!」
「「ふぁ!?」」
俺も姫も同じタイミングで変な声が漏れた。
いないと思っていた先生に突然、雷を落とされたら、出ても仕方ないかって気がするよ。
「お前ら、面倒だからさ。結婚しろ」
な、なんですと?
先生、今、藪から棒に変なことを言ってませんか。
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