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15 解かれる封印
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女王種――アルファは想像を超える化け物だった。
5メートルはあろうかというバカでかい体に六本の腕。
腕も槍形状だけじゃない。
草刈り鎌みたいな湾曲した刃の腕が含まれているから、より厄介だ。
攻防を可能にしているとも言える。
さらに背中からは二本の触手みたいなのが伸びていた。
自在に鞭のように振るえるらしく、それで働きの悪い手下? 子分? のブラックタイガーを叩いている。
先端は槍状の腕と同じで鋭く尖っていて、危なそうだ。
注意すべきだろう。
ただ、アルファの胴には何重にも鎖が巻き付けてあり、腕や歩脚も同様だった。
頑丈そうな鎖で何重にも巻き付けられて、それが強固な十字架の形をした柱に固定されていた。
まるで十字架に生贄を磔にしたような感じだ……。
もっともその鎖をどうにかしようと子分? がせっせと働いており、アルファの封印は今にも解けようとしている。
「散開! スペシャリングで行くわ。急がないと!」
「お、おう」
「んっが!」
ああ。
そういうことか。
さすがにオルガでもアレを前にしたら、最適な戦術なんて思いつかなかったってことだ。
各自奮戦せよ!
健闘に期待する!
多分、そんなところだ……。
俺とスリーパーはオルガの掛け声で一斉に手持ちの投げ槍を思い切り、投擲した。
実技だけはちゃんと頑張った俺である。
寸分違わずに的を射抜いて、ヤツラの数を減らすことに成功した。
スリーパーも見た目とは裏腹にコントロールは抜群だ。
かなりの数を減らせたが……。
「決着付けるしか、ないみたいね?」
「そうだな」
一歩及ばず。
少しばかり、遅かったのかもしれない。
もう少し、急いでいたら間に合っていたのかと後悔するよりもどうやって、倒すのかを考えた方がいいな。
手下の働きで多くの鎖の戒めから、解き放たれたアルファは自由に動くようになった腕を使って、鎖を引きちぎり始めたからだ。
十字架は何かを象徴するように真っ二つに割れた。
同時にアルファも完全に封印から、解き放たれたってことさ。
取り巻きを投擲攻撃で減らすことに成功したし、自由の身となったアルファ自身が周囲にいた取り巻きをむんずと捕まえて、頭からバリバリとやってやがる。
何て、ヤツだ……。
共食いだろうが何でもありなのか。
「あれって、多分、自分の子供なのよ。それを食べてる……」
「だよな。どうする?」
「んがー……」
「スペシャリングは変わらないわ。各々が得意とする戦い方で挑むべきだと思わない?」
「そうだな。それが一番か」
それぞれが得意とするやり方で戦って、勝機を見出すか。
それしか、手はないようだ。
向こうもこちらに猶予を与えてはくれない。
「きしゃああああ」と耳障りな鳴き声を上げ、アルファが動き出した。
正面から、ぶつかった場合、体格でオルガには不利だろう。
いくら力が強いと言っても体格と筋力の差は大きい。
俺とスリーパーでヤツの初撃を受け止めるしか、手はない!
5メートルはあろうかというバカでかい体に六本の腕。
腕も槍形状だけじゃない。
草刈り鎌みたいな湾曲した刃の腕が含まれているから、より厄介だ。
攻防を可能にしているとも言える。
さらに背中からは二本の触手みたいなのが伸びていた。
自在に鞭のように振るえるらしく、それで働きの悪い手下? 子分? のブラックタイガーを叩いている。
先端は槍状の腕と同じで鋭く尖っていて、危なそうだ。
注意すべきだろう。
ただ、アルファの胴には何重にも鎖が巻き付けてあり、腕や歩脚も同様だった。
頑丈そうな鎖で何重にも巻き付けられて、それが強固な十字架の形をした柱に固定されていた。
まるで十字架に生贄を磔にしたような感じだ……。
もっともその鎖をどうにかしようと子分? がせっせと働いており、アルファの封印は今にも解けようとしている。
「散開! スペシャリングで行くわ。急がないと!」
「お、おう」
「んっが!」
ああ。
そういうことか。
さすがにオルガでもアレを前にしたら、最適な戦術なんて思いつかなかったってことだ。
各自奮戦せよ!
健闘に期待する!
多分、そんなところだ……。
俺とスリーパーはオルガの掛け声で一斉に手持ちの投げ槍を思い切り、投擲した。
実技だけはちゃんと頑張った俺である。
寸分違わずに的を射抜いて、ヤツラの数を減らすことに成功した。
スリーパーも見た目とは裏腹にコントロールは抜群だ。
かなりの数を減らせたが……。
「決着付けるしか、ないみたいね?」
「そうだな」
一歩及ばず。
少しばかり、遅かったのかもしれない。
もう少し、急いでいたら間に合っていたのかと後悔するよりもどうやって、倒すのかを考えた方がいいな。
手下の働きで多くの鎖の戒めから、解き放たれたアルファは自由に動くようになった腕を使って、鎖を引きちぎり始めたからだ。
十字架は何かを象徴するように真っ二つに割れた。
同時にアルファも完全に封印から、解き放たれたってことさ。
取り巻きを投擲攻撃で減らすことに成功したし、自由の身となったアルファ自身が周囲にいた取り巻きをむんずと捕まえて、頭からバリバリとやってやがる。
何て、ヤツだ……。
共食いだろうが何でもありなのか。
「あれって、多分、自分の子供なのよ。それを食べてる……」
「だよな。どうする?」
「んがー……」
「スペシャリングは変わらないわ。各々が得意とする戦い方で挑むべきだと思わない?」
「そうだな。それが一番か」
それぞれが得意とするやり方で戦って、勝機を見出すか。
それしか、手はないようだ。
向こうもこちらに猶予を与えてはくれない。
「きしゃああああ」と耳障りな鳴き声を上げ、アルファが動き出した。
正面から、ぶつかった場合、体格でオルガには不利だろう。
いくら力が強いと言っても体格と筋力の差は大きい。
俺とスリーパーでヤツの初撃を受け止めるしか、手はない!
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