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くろいゆきと映画の話・はてしない物語
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皆様、ごきげんようですわ~。
今回、取り上げる映画は『ネバーエンディング・ストーリー』でしてよ。
有名な映画ですけれど、一度も見たことがありませんの。
主題歌はついつい鼻歌を歌ってしまいそうなくらいによく知っていますし、幸運の竜ファルコンの微妙にもふもふした見た目も知ってますわ~。
でも、物語としての内容は全く、知らないですわね。
原作はドイツのミヒャエル・エンデの『はてしない物語』。
映画化にあたって、制作側とエンデとの間で裁判沙汰になっていたりしますけど、それは気にしてはいけませんわ🌿
主人公はバスチアン。
空想好きで本を読むのが好きな気の弱い少年で母親を亡くし、父親と二人暮らしをしてますの。
この父親との関係が何とも微妙な感じに描かれてますわね。
無関心というよりは無理解で仕事をして家庭を省みることがなかった父親という印象が強いですわ。
バスチアンに対して、思いやりがあるようには見えないせいかしら?
「夢を見るのをやめて現実を見る」ように。
「母親が死んだことを引きずらない」ように。
諭すというにはまだ、幼さが残る少年にとってはかなりきつい言葉でありながら、バスチアンは気が弱いので然りと答えるしかなく、成績も優秀とは言えない彼は憂鬱な学校へと向かうのですけど……。
典型的な悪ガキ三人組に追いかけられ、ゴミ箱に放り込まれるという最悪のいじめにあい、散々なバスチアンが偶然、逃げ込んだ古書店。
この古書店で『はてしない物語』という奇妙な古書に出会ったバスチアンは書店主のカールの目を盗み、『はてしない物語』を持ち去り登校するのですけれど、カールは意味深な視線を送るだけで彼を咎めたりはしませんの。
これは物語として、重要な伏線であるのですけど残念ながら、本作では回収されていませんわね。
授業(それもテスト!)に遅刻したバスチアンは教室に入ることも出来ず、開かずの間のように施錠された学校の屋根裏部屋のような一室に逃げ込み、『はてしない物語』に読み耽ることから、ようやくファンタジーな物語の始まりでしてよ?
『はてしない物語』には空想の世界ファンタージェンが広がっており、岩の巨人や妖精・小人のような亜人も存在していますの。
いわゆる御伽噺の世界にも似た異世界なのですけど、このファンタージェンは危機に瀕してますわ。
全てを飲み込み、無に帰す虚無によって世界が崩壊しかけており、この危機を救えるのは象牙の塔に住む女王のみ。
ところがその女王は病に伏せており、女王を救えるのは勇者一人。
この物語をワクワクしながら、読み進めるバスチアンの前に勇者として、現れたのはアトレーユと名乗るどう見ても少年にしか見えない者。
訝しむファンタージェンの人々とバスチアンを前に堂々とした態度で女王を助け、世界を救うと旅立つアトレーユ。
苦難に見舞われながらも純白の美しい鱗を持つ東洋的な長い体を持つ幸運の竜ファルコンと友人になり、冒険の果てに世界を救うヒントを得たアトレーユですけれど……。
その前に再び、艱難辛苦が彼の身に降りかかり、虚無の手下である闇の獣グモルク(狼ぽいですけど、全体像は出ないまま!)の襲撃に遭い、これを撃退(俺は強いと言った割に襲い掛かって、一撃でやられる……)したアトレーユ。
ところが苦難の冒険の末に辿り着いた女王は衝撃的な一言を告げるのですわ。
『あなたの辛い冒険は全て、ファンタージェンを救う為に見せないといけなかったの』
女王、まさかのメタ発言にアトレーユは「そんなのってないよー!」な絶望を感じさせる表情でフェードアウト。
虚無により崩壊したファンタージェンが再び、新たな世界として蘇るにはバスチアンが必要だったのですわ~。
何と言う衝撃的な展開!
かくして勇気と夢と希望を抱くバスチアンの手によりファンタージェンは救われ、バスチアン自身も少しだけ人として成長したのですわ。
めでたしめでたし。
……ではありませんのよね?
成長したバスチアンが現実世界でも強く、逞しく生きていくという終わり方ではなく、現実世界にファルコンに乗って現れたバスチアンはいじめっ子達をやっつけちゃえと某猫型ロボットの秘密兵器を利用して、鬱憤晴らしをするの◯太くん状態に……。
いじめっ子が意趣返しとばかりにゴミ箱に飛び込み、ゴミだらけになり、ファルコンに乗ったバスチアンが大空へと去っていく。
ナレーションは数々の冒険を……って、何だかモヤモヤする終わり方ですわ~🌿
てっきり、ファンタジー世界での冒険を体感し、勇者を手助けすることでバスチアンが人間的に成長し、現実の世界に戻っても勇気と夢を忘れないといういい話だと思っていただけにオチが何とも言えない感じですわね。
原作の方ではこの映画が描いたのは第一部に過ぎず、全体が描かれてませんもの。
仕方がないところもあるのでしょうけど!
今回、取り上げる映画は『ネバーエンディング・ストーリー』でしてよ。
有名な映画ですけれど、一度も見たことがありませんの。
主題歌はついつい鼻歌を歌ってしまいそうなくらいによく知っていますし、幸運の竜ファルコンの微妙にもふもふした見た目も知ってますわ~。
でも、物語としての内容は全く、知らないですわね。
原作はドイツのミヒャエル・エンデの『はてしない物語』。
映画化にあたって、制作側とエンデとの間で裁判沙汰になっていたりしますけど、それは気にしてはいけませんわ🌿
主人公はバスチアン。
空想好きで本を読むのが好きな気の弱い少年で母親を亡くし、父親と二人暮らしをしてますの。
この父親との関係が何とも微妙な感じに描かれてますわね。
無関心というよりは無理解で仕事をして家庭を省みることがなかった父親という印象が強いですわ。
バスチアンに対して、思いやりがあるようには見えないせいかしら?
「夢を見るのをやめて現実を見る」ように。
「母親が死んだことを引きずらない」ように。
諭すというにはまだ、幼さが残る少年にとってはかなりきつい言葉でありながら、バスチアンは気が弱いので然りと答えるしかなく、成績も優秀とは言えない彼は憂鬱な学校へと向かうのですけど……。
典型的な悪ガキ三人組に追いかけられ、ゴミ箱に放り込まれるという最悪のいじめにあい、散々なバスチアンが偶然、逃げ込んだ古書店。
この古書店で『はてしない物語』という奇妙な古書に出会ったバスチアンは書店主のカールの目を盗み、『はてしない物語』を持ち去り登校するのですけれど、カールは意味深な視線を送るだけで彼を咎めたりはしませんの。
これは物語として、重要な伏線であるのですけど残念ながら、本作では回収されていませんわね。
授業(それもテスト!)に遅刻したバスチアンは教室に入ることも出来ず、開かずの間のように施錠された学校の屋根裏部屋のような一室に逃げ込み、『はてしない物語』に読み耽ることから、ようやくファンタジーな物語の始まりでしてよ?
『はてしない物語』には空想の世界ファンタージェンが広がっており、岩の巨人や妖精・小人のような亜人も存在していますの。
いわゆる御伽噺の世界にも似た異世界なのですけど、このファンタージェンは危機に瀕してますわ。
全てを飲み込み、無に帰す虚無によって世界が崩壊しかけており、この危機を救えるのは象牙の塔に住む女王のみ。
ところがその女王は病に伏せており、女王を救えるのは勇者一人。
この物語をワクワクしながら、読み進めるバスチアンの前に勇者として、現れたのはアトレーユと名乗るどう見ても少年にしか見えない者。
訝しむファンタージェンの人々とバスチアンを前に堂々とした態度で女王を助け、世界を救うと旅立つアトレーユ。
苦難に見舞われながらも純白の美しい鱗を持つ東洋的な長い体を持つ幸運の竜ファルコンと友人になり、冒険の果てに世界を救うヒントを得たアトレーユですけれど……。
その前に再び、艱難辛苦が彼の身に降りかかり、虚無の手下である闇の獣グモルク(狼ぽいですけど、全体像は出ないまま!)の襲撃に遭い、これを撃退(俺は強いと言った割に襲い掛かって、一撃でやられる……)したアトレーユ。
ところが苦難の冒険の末に辿り着いた女王は衝撃的な一言を告げるのですわ。
『あなたの辛い冒険は全て、ファンタージェンを救う為に見せないといけなかったの』
女王、まさかのメタ発言にアトレーユは「そんなのってないよー!」な絶望を感じさせる表情でフェードアウト。
虚無により崩壊したファンタージェンが再び、新たな世界として蘇るにはバスチアンが必要だったのですわ~。
何と言う衝撃的な展開!
かくして勇気と夢と希望を抱くバスチアンの手によりファンタージェンは救われ、バスチアン自身も少しだけ人として成長したのですわ。
めでたしめでたし。
……ではありませんのよね?
成長したバスチアンが現実世界でも強く、逞しく生きていくという終わり方ではなく、現実世界にファルコンに乗って現れたバスチアンはいじめっ子達をやっつけちゃえと某猫型ロボットの秘密兵器を利用して、鬱憤晴らしをするの◯太くん状態に……。
いじめっ子が意趣返しとばかりにゴミ箱に飛び込み、ゴミだらけになり、ファルコンに乗ったバスチアンが大空へと去っていく。
ナレーションは数々の冒険を……って、何だかモヤモヤする終わり方ですわ~🌿
てっきり、ファンタジー世界での冒険を体感し、勇者を手助けすることでバスチアンが人間的に成長し、現実の世界に戻っても勇気と夢を忘れないといういい話だと思っていただけにオチが何とも言えない感じですわね。
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