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くろいゆきと映画の話・世界で絶賛されるホラー映画
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皆様、ごきげんようですわ~。
今回、取り上げる映画は『クワイエット・プレイス』。
大ヒットし、興行的にも成功を収めただけでなく、専門家からも絶賛され、非常に高いレビュー点を得てますの。
地球外生命体が登場し、人類が抑圧された生活を送っている世界観なので位置付けとしてはホラーのジャンルに入ってますけど、家族の絆の深さを描いた人間ドラマとしての印象が強かったですわ。
この映画をエイリアン=クリーチャーの脅威に晒された明日をも知れぬ我が身で震えて眠る人類が描かれている純粋なホラー映画として、評価しようとすると……
ツッコミどころが満載で粗が目立ちますのよね。
エイリアンのデザインは醜悪なクリーチャーの見た目そのもので造形的にも非常に優れておりますの。
金属製の壁を軽く破る強靭な身体能力と異常な瞬発力に両腕の鎌状の鋭い爪と戦闘能力も確かな物。
そして、視覚器官を持たず、聴覚器官だけが異常に発達しているので微かな物音にも反応し、襲い掛かって来るという設定。
これが曲者になっていて、どのくらいの物音に反応するのかがダブルスタンダードになってますのよ。
小動物が動く音に反応し、ネズミらしき生物を殺す描写がされているのに主人公一家の父親が自然の大きな音があれば、喋っても大丈夫と言うんですもの。
恐ろしく矛盾してますでしょう?
小さな足音にすら反応されるのであれば、人間は生活音をさせずに生きることが出来ませんから、とうに殺されているはず。
そのくせ、主人公一家はわざわざ落としたら、割れる音が相当に大きい花瓶をあちこちに飾っており、ガッシャンからのクリーチャーが来るかも? ビクビクという描写がされるのも矛盾ですわね。
そんな環境なのにリスクの高い花瓶を置いて、生活する意味がありませんもの。
そして、驚くべきことに主人公一家の母親は強いられた一年以上の厳しい生活の中で妊娠してますの。
喋ることさえ出来ない沈黙を強いられる状態でそういう行為をしていたのも驚きですし、赤ちゃんですのよ?
「鳴き声を出さないで」なんて、言っても無理だということが分かりますし、そもそもが出産自体、リスクが高すぎますわ。
専門的な知識のある医療行為を行ってくれる人もいないので自然分娩をせざる得ませんし、リスクの高さから言ったら、前述の項目以上でしてよ。
極めつけは敵として描かれているクリーチャー。
確かに動きは素早く、力も強いですし、丸腰の一般人であればなすすべもなく殺される恐ろしい生物ですわ。
でも、銃で頭部を撃たれたら、普通にダメージを受けるだけでなく、死にますのよ?
専門家でも何でもない一家の母親のヘッドショットであっさりとやられるところを見るとそんなに強くはないように見えましてよ。
各国の軍が組織的に動けば、難なく殲滅出来そうに思えるのに全世界にエイリアンが蔓延している感じというのが解せませんわ。
聴覚に頼り、聴覚しかない生物と分かっているだけに音を囮に使い、クリーチャーを集め火力を集中するのもいいですし、銃火器を手にした軍人であれば、もう少し何とかなっていると思いますのよね。
でも、これはあくまでSF的なホラーとして見た場合の話ですわ~。
私はこの映画はホラーではなく、ドラマチックなヒューマンドラマであり、家族の再生を描いているのだと考えると以上に上げた問題点は一切、気にならないは言い過ぎかもしれませんけれどクリーチャーも世界がそういうことだというのも舞台装置に過ぎないとも思えますの。
主人公は三人の子供を抱えたアボット一家。
父親のリー、母親のイヴリン。
長女リーガン。長男マーカス、次男ボー。
リーガンには聴覚障害があり、補聴器が必要だったこともあり、手話を用いていた一家は沈黙を強いられる過酷な生活でも逞しく生き延びられた訳ですの。
ところが一家が町で物資を仕入れ家路についた時、悲劇が起きてしまいますの。
スペースシャトルの玩具で遊びたがる弟ボーの為にリーガンが電池を与えたことでまだ、幼いボーは危険性を知らずに音が出る玩具に電池を入れてしまう……。
鳴り響く玩具の電子音に反応したクリーチャーが出現し、ボーはあっという間に家族の目の前で殺されてしまうのですわ。
この悲劇が原因となり、家族全員の心に強いトラウマと溝が生じてしまい、自分のせいで弟が死んだ=殺してしまったと自責の念に囚われるリーガンとそんな娘にどう接していいのかが分からない父リー。
この二人を軸として、出産を控えた母イヴリンや父親と姉の間を取り持とうとするマーカスというよく出来た息子の描写が彩りを加えているといったところかしら?
悲劇により一度はバラバラになりかけた家族が絆を取り戻していくまでがドラマチックに描かれていて、引き込まれること間違いなしだと思いますわ。
今回、取り上げる映画は『クワイエット・プレイス』。
大ヒットし、興行的にも成功を収めただけでなく、専門家からも絶賛され、非常に高いレビュー点を得てますの。
地球外生命体が登場し、人類が抑圧された生活を送っている世界観なので位置付けとしてはホラーのジャンルに入ってますけど、家族の絆の深さを描いた人間ドラマとしての印象が強かったですわ。
この映画をエイリアン=クリーチャーの脅威に晒された明日をも知れぬ我が身で震えて眠る人類が描かれている純粋なホラー映画として、評価しようとすると……
ツッコミどころが満載で粗が目立ちますのよね。
エイリアンのデザインは醜悪なクリーチャーの見た目そのもので造形的にも非常に優れておりますの。
金属製の壁を軽く破る強靭な身体能力と異常な瞬発力に両腕の鎌状の鋭い爪と戦闘能力も確かな物。
そして、視覚器官を持たず、聴覚器官だけが異常に発達しているので微かな物音にも反応し、襲い掛かって来るという設定。
これが曲者になっていて、どのくらいの物音に反応するのかがダブルスタンダードになってますのよ。
小動物が動く音に反応し、ネズミらしき生物を殺す描写がされているのに主人公一家の父親が自然の大きな音があれば、喋っても大丈夫と言うんですもの。
恐ろしく矛盾してますでしょう?
小さな足音にすら反応されるのであれば、人間は生活音をさせずに生きることが出来ませんから、とうに殺されているはず。
そのくせ、主人公一家はわざわざ落としたら、割れる音が相当に大きい花瓶をあちこちに飾っており、ガッシャンからのクリーチャーが来るかも? ビクビクという描写がされるのも矛盾ですわね。
そんな環境なのにリスクの高い花瓶を置いて、生活する意味がありませんもの。
そして、驚くべきことに主人公一家の母親は強いられた一年以上の厳しい生活の中で妊娠してますの。
喋ることさえ出来ない沈黙を強いられる状態でそういう行為をしていたのも驚きですし、赤ちゃんですのよ?
「鳴き声を出さないで」なんて、言っても無理だということが分かりますし、そもそもが出産自体、リスクが高すぎますわ。
専門的な知識のある医療行為を行ってくれる人もいないので自然分娩をせざる得ませんし、リスクの高さから言ったら、前述の項目以上でしてよ。
極めつけは敵として描かれているクリーチャー。
確かに動きは素早く、力も強いですし、丸腰の一般人であればなすすべもなく殺される恐ろしい生物ですわ。
でも、銃で頭部を撃たれたら、普通にダメージを受けるだけでなく、死にますのよ?
専門家でも何でもない一家の母親のヘッドショットであっさりとやられるところを見るとそんなに強くはないように見えましてよ。
各国の軍が組織的に動けば、難なく殲滅出来そうに思えるのに全世界にエイリアンが蔓延している感じというのが解せませんわ。
聴覚に頼り、聴覚しかない生物と分かっているだけに音を囮に使い、クリーチャーを集め火力を集中するのもいいですし、銃火器を手にした軍人であれば、もう少し何とかなっていると思いますのよね。
でも、これはあくまでSF的なホラーとして見た場合の話ですわ~。
私はこの映画はホラーではなく、ドラマチックなヒューマンドラマであり、家族の再生を描いているのだと考えると以上に上げた問題点は一切、気にならないは言い過ぎかもしれませんけれどクリーチャーも世界がそういうことだというのも舞台装置に過ぎないとも思えますの。
主人公は三人の子供を抱えたアボット一家。
父親のリー、母親のイヴリン。
長女リーガン。長男マーカス、次男ボー。
リーガンには聴覚障害があり、補聴器が必要だったこともあり、手話を用いていた一家は沈黙を強いられる過酷な生活でも逞しく生き延びられた訳ですの。
ところが一家が町で物資を仕入れ家路についた時、悲劇が起きてしまいますの。
スペースシャトルの玩具で遊びたがる弟ボーの為にリーガンが電池を与えたことでまだ、幼いボーは危険性を知らずに音が出る玩具に電池を入れてしまう……。
鳴り響く玩具の電子音に反応したクリーチャーが出現し、ボーはあっという間に家族の目の前で殺されてしまうのですわ。
この悲劇が原因となり、家族全員の心に強いトラウマと溝が生じてしまい、自分のせいで弟が死んだ=殺してしまったと自責の念に囚われるリーガンとそんな娘にどう接していいのかが分からない父リー。
この二人を軸として、出産を控えた母イヴリンや父親と姉の間を取り持とうとするマーカスというよく出来た息子の描写が彩りを加えているといったところかしら?
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