くろいやつのくろいつらつらですわ～

くろいゆきと映画の話・SFだと思ったら違った

　皆様、ごきげんようですわ～。

　今回、取り上げる映画は『NOPE』でしてよ。
　サイコホラーなのか、SFホラーなのか。
　ジャンルとしてはサイコスリラーと言うべきところかしら？

　冒頭ではドラマか、映画の撮影シーンと思われる場所からスタートしますの。
　暴れ出したチンパンジー。
　床に倒れている動かない女性の足。
　このチンパンジーの描写は『NOPE』の中で何度か、差し込まれてますわ。
　何かの象徴として、人間の心理を描写するので使われている技法だとは思うのですけど、少々説明不足は否めないかしら？
　この点に関してはあらすじを解説しながら、入れますわね。

　そして、物語がようやく動き出しますの。
　荒野にある牧場へと場面が移り、主人公であるOJことオースティン・ジュニアがようやく登場しますわ。
　馬を扱うのが生業の牧場らしく、父親とOJのぶっきらぼうなやり取りが続けられる中、空から突如、降りしきる謎の金属片！
　何事かと狼狽えるOJの前で父親が落馬し……何と父親はそのまま他界し、彼の両肩に牧場経営という名の重荷がかかりますの。

　このOJの父親の死。
　表向きには小型飛行機からの落下物による事故死とされているだけ。
　OJは事故の瞬間、ありえない物体を目撃していたのですわ～。
　というところから、始まるUFOらしき地球外から来たかもしれない謎の飛行物体を巡り、OJとその妹エメラルドを中心とした群像劇が描かれるのがこの『NOPE』でしてよ？

　冒頭に出てきたチンパンジーの描写は実は人気ドラマ『ゴーディズ・ホーム』の撮影シーンだったことが判明し、人気のあるキャラクターだったチンパンジーのゴーディが撮影中に突如狂暴化し、人々に襲い掛かる猛獣と化したというもの。
　このドラマに出ていたリッキーが大人になり、OJの経営するヘイウッド牧場を狙っているのですけれど、リッキーはその撮影で唯一、生き延びた人間でもあり……。
　リッキーの心にその出来事が深く刻まれているのが伏線として、張られているのですけどちょっと分かりにくいかもしれないですわね。

　それはUFOの正体が宇宙船のような無機物ではなく、UFOのような外見をした生命体だった！
　しかも強い縄張り意識を持つ狂暴な肉食性の……。
　でも、それがなぜチンパンジーの暴れる描写が伏線なのかは分かりにくいですわ。

　OJは口下手なので営業に向いておらず、セールスに向いている口が達者なエメラルドがそれをサポートするもののどこか、ぎくしゃくとした兄妹。
　それでも牧場の近くの空に現れるU・F・O・を撮影し、バズらせて牧場を立て直すことを企んだOJとエメラルドの兄妹は電器屋のエンジェルという青年、名うてのカメラマンであるホルストも巻き込み、リッキーの牧場を全滅させたU・F・O・の撮影という難題に挑むのですけれど……。
　オチは実際にその目で確かめていただきたいと思いますけど、そんなに意表を突かれる内容ではございませんでしてよ？