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くろいゆきと映画の話・超少女完結

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 皆様、ごきげんようですわ~。

 前回、取り上げた『超少女マリア』に完結編の『超少女マリア 最期の戦い』があると申し上げたのですけど、何とアマプラさんにありましたのよ!
 定期的にアマプラさんが送って来るあなたにオススメの作品にありましたわ~。

 この『超少女マリア』は前作の『超少女マリア』で一話、二話。
 そして、完結編の本作『超少女マリア 最期の戦い』で三話。
 三話構成の作品で一話がおおよそ一時間くらいなので『超少女マリア』は二時間物で『超少女マリア 最期の戦い』は一時間物となってますの。

 前作で主人公のマリアが超能力に覚醒し、二話で宿敵ヤーマとの決着が終わった(どう見ても終わったようには見えなかったですけど)という体で始まるのが『超少女マリア 最期の戦い』でしてよ。
 一年の時が流れ、マリアと同級生で同じ超能力者仲間の弘志も高校二年生になってますわ。
 ヤーマとの戦いが終わったはずなのにどこか、違和感を覚えたまま平和な日常を過ごしていたマリアは、母親が命を落とした因縁の場所である別荘に行くことで真の決着を付けようと心に決める。

 そんな感じで唐突に出てきた別荘という閉鎖・隔絶されたホラー・サスペンスに最適な環境の登場ですわ~。
 敵のヤーマが狙い、殺害してきたのは脅威となりうる超能力者だったので二話に登場したマリアの親友ハルミの甥スグルがクローズアップされますのよ。
 このスグルは二話でハルミの義姉が産んだ子で母子ともに産後入院していたところをヤーマに襲われたのが、実は伏線でしたのよ。

 ただ、一年しか経過していないのに一歳よりも成長している感じがするのですけど!?
 おまけにテレポーテーションにテレパシーの能力を使えるなんて、まるで『サイボーグ009』の001並みに有能な幼児……。

 でも、驚くところはこれだけではありませんのよ?
 別荘を管理しているのはマリアの家に長年、仕えるばあや(みたいな家政婦さん)の甥オサムなのですけど、もうあからさまに怪しいのですわ。
 それなのに超能力者が二人いても全く、怪しいとさえ感じていませんのよ。

 そして、親友のハルミも誘い、父親、ばあや、弘志と別荘で過ごすことになるのですけれど……。
 ここにきて、急に『スウィートホーム』のような本格ホラーテイストを醸し出しますの。
 オサムの手でキッチンのシンクに沈められるばあや。
 同じくオサムに呼び出され庭の池に沈められる父親。
 一人、一人と減っていくパターンはホラーの王道ですわね。

 ハルミもオサムの手に落ち、残ったのはマリアと弘志のみ。
 しかし、ヤーマを倒す方法に辿り着いた二人はスグルに協力を仰ぎ、ヤーマを倒すべく鏡の世界へと乗り込むのでした、という感じかしら?

 ええ、でも、スグルが有能過ぎません?
 東京か、横浜か、分かりませんけど首都圏から、軽井沢らしい別荘まで「お姉ちゃん好きだからいいよ」だけで手伝ってくれるスグル、余裕で長距離テレポーテーションですのよ。
 わーんと幼児らしく泣くだけで特に負荷もなく、使い放題のテレポーテーションですし……。

 ヤーマによる強力な精神攻撃も乗り越えた三人はついにその醜い正体を現したヤーマを倒すと攫われた父親、ばあや、ハルミも(都合よく)救出され、世界に平和が訪れたのです、というところで終わりですわ。

 三話続いたのでさすがに主役二人の演技は、どうにか目立たない感じにはなってますし、ご都合主義な展開も仕方ないと思いましてよ。
 ただ、オープニングで語られる「数十万年前、超人類が……」という壮大な設定なのに色々と残念な演出の数々頭?
 造形に凝った敵クリーチャーのヤーマも狙うのが、脅威となる超能力者と限定されているのは仕方ないですわ。
 ただ、殺害シーンなどにやたらと凝っていて、気合が入っている割に肝心のヤーマが力押しの物理系なのでマリアが「やめてっ」のお祈りでドッカーンなだけという捻りも何もないのが残念なところかしら?
 ラスボスにあたるヤーマの正体との最終決戦も結局、それに終始していたので素材が生かし切れなかったようにも見えますわ。

 この作品の後に十歳くらいの少女の姿をしたサイコキラーが出てくる『エスター』を見たのですけど……まぁ、比べてはいけないですわね、ええ。
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