くろいやつのくろいつらつらですわ～

くろいゆきと映画の話・サイレントホラー

　皆様、ごきげんようですわ～。
　今回は短いのですわ💦

　取り上げる映画は『狂った一頁』ですわ～。
　江戸川ばた散歩様御推薦の怖い映画ということで何と、驚いてくださいませ。

　おおよそ百年ほど昔(一九二六年)のいわゆるサイレント(無声)映画でしてよ。
　何でも、日本で初めて、実験的に製作された前衛的なホラー映画らしいですわ。

　たまにBGMがかかるだけで字幕もありませんの。
　まず、登場人物がこれこれ、こういう人でああいった名前でということが一切、分かりませんのよ。
　考えるな、感じるんだ！　ということかしら？
　でも、たいていの映画がそうですわね。
　情報を細かく与えてくれる方が珍しいとも言えますわ。

　ただただ、映像的に怖いのですけど。
　狂ったようにクルクルと回って、踊り続ける女性。
　鉄格子があったり、白衣を着た医者や看護師らしき人物がいることと常軌を逸した表情の人々の様子が何とも恐ろしいのでどうやら、精神病院が舞台ということだけは分かるのですけれど……。

　とにかく、怖いですわ。
　はっきりした恐怖ではなくってよ？
　やや音割れを起こしたBGMと歪んだ顔で映る患者らしき人々。
　映像による視覚的な要素もあいまって、心にジワジワとくる恐怖ですわ。

　字幕もなく、台詞もないので推測することしか、出来ませんけど、主人公らしき中年男性の現実と妄想が入り乱れて、映像的な美しさに狂気が垣間見えるところが心を侵食するのかもしれませんわ。
　いかんせん、最低限の字幕があれば(せめて、台詞くらい)、内容が少しは理解できると思うのですけど、オリジナルの雰囲気を崩さないようにとの配慮かしら？

　怖いだけではなく、見終わるとなぜか、疲れるかもしれませんけれど、一世紀も昔の名作の視聴経験は中々、出来なくってよ？