くろいやつのくろいつらつらですわ～

くろいゆきと映画の話・またガーディアンズ

　皆様、ごきげんようですわ～。

　今回もロシア映画を取り上げたいと思いますの。
　その名は『ナイト・ガーディアンズ』。
　また、『ガーディアンズ』と思いましたでしょう？
　でも、実はこの映画を見たのはエッセイに映画の話を書く前に遡りましてよ。

　この作品もまた、色々なところから、インスパイア？　オマージュ？
　ええ、そういうテイストが散りばめられているのですけど、中二病心をくすぐる設定となろう系のような勇者志向という意味では興味を引くのではないかしら？

　まず、主人公のパシャは不思議な夢を見る配達員の青年。
　とりわけ二枚目な訳でもなければ、財力がある訳でもなく、腕力に自信がある訳でもない。

　そういう平凡な青年ですわね。
　そんな青年が夢の中で見たのは失踪中の人気歌手ダナ。
　実はこの夢自体がクライマックスへの伏線だったりするのですけど、こういう仕掛けは大事だと思いますのよ。
　そして、夢で見た通りの行動をとって、ホテルへと向かったパシャはそこでダナと出会い、得体のしれない闇に生きる怪物との戦いへと巻き込まれていくのですわ～。
　掴みは謎の多い夢からの導入で始まるファンタジーぽいのでいい感じがしましてよ？

　何とダナはいわゆるヴァンパイアの姫で約束の時までに彼女の愛を得られれば、最高の力を得られる(恐らくは昼でも自由に行動かしら？　最強のヴァンパイアは太陽をも喰らう＝日食らしいですけど)ということですわね。

　それを狙って、強力にして狂暴な力を持つ弟とそれを解放した姉に率いられた闇の群れが迫るのですけど……。
　否応なしにこの戦いに巻き込まれたパシャは特殊任務D局と呼ばれる対闇の生物専門機関に協力していくことになりますの。
　普通の青年に過ぎないパシャとダナの間に芽生えていく確かな絆は彼に何をもたらすのか？
　ヒロイックファンタジーの王道とも言えますわね。

　アクションも頑張っていますし、SFX技術もそこそこ普通に凄いと思いますわ。
　パシャの何の変哲もない青年が次第に男らしく、成長していく姿もいいと思いますし、D局を率いるスキンヘッドのおじさまもいいキャラですもの。

　敵役の姉と弟も凶悪さが悪くないですわ。
　物語の展開も夢見る普通の青年が勇者となって、お姫様と結ばれるお約束ですわね。
　ただ、あまり、ロシアを感じさせる要素がないのが残念なところかしら？

　『魔界探偵ゴーゴリ』シリーズはゴーゴリが主人公なのもあって、否応なく、ロシア要素満載でしたから、余計に感じますわ。
　ヴァンパイア物が好きなら、十分に見る価値はあると思いましてよ。
　少なくとも私は満足しましたもの。

　まぁ、私が紹介した作品で『これは駄目』なんて、けなしたのはない気がしますけど！