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くろいゆきと映画の話・話題作?

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 皆様、ごきげんようですわ~。

 ピッコ〇の『余命わずかの脇役令嬢』なのですが、かなり体調が悪化していて、死にそうだったのにちょっとばかり、大切にしてもらったくらいであんなに走ったり、普通に外出出来るほど、回復するものかしら?🤔
 人は死ぬ前に蠟燭の炎のように最後が激しくなるのと同じで逆に危険なのかしら?
 でも、元気になってますわね、アレ。

 そういう訳ですから、今回、語るのは『ジェーン・ドゥの解剖』ですわ~!?
 私はたいてい『この作品を見ている人は~』から、関連作品として見ていくパターンが多いんですの。
 今回もその例に漏れず、それですわ。

 予備知識やあらすじを読まないでGOですのよ?
 ジェーン・ドゥが日本でいうところの名無しの権兵衛。
 名前が分からない場合の身元不明な遺体などに付けられる女性名であることはどこかで見た記憶がありましたの。
 タイトルにその名があるということは意味があるのかしら?

 民家で住民が死亡する事件が発生し、遺体が回収されるのですが、そのうちの一体。
 特にどこも損傷していないように見える美しい女性の死体が土中から、上半身を覗かせているという何ともいわくありげなシーンが挟まれますわ。
 彼女が身元不明の謎の死体であるジェーン・ドゥ。

 主人公はどうやら、検視官を務める父トミーとその息子オースティンの二人と思われ、淡々とした遺体の解剖や検死シーンが描かれていきますの。
 ここまでは普通のサスペンス映画かしら? と思っていたのですけど……。
 旧知の仲である保安官から、ジェーン・ドゥの遺体の検死を頼まれたことで急に雲行きというか、雰囲気が変わりますのよ。
 さらにオースティンの恋人エマとのやり取りでも廊下に置いてある鏡が何か、嫌な感じがしてなりませんわ。
 何とも気味が悪いんですもの。

 そして、始まるジェーン・ドゥの検死ですけど、これが結構、グロですのよ。
 日本で監察医や検死を描いた作品でこんな生々しいやり取りがあったかなと思うくらいにグロいですわ。
 耐性が無い方には見るのをオススメ出来ませんわ。
 胸を切り開いて、肋骨を切ったり、頭蓋骨を切断して、脳を見たりとやりすぎなくらいにリアルですわ……。
 問題はそこではありませんのよ?
 ジェーン・ドゥが異常ですわ。
 体の内側が傷ついているし、胃の中から、謎の魔法陣が描かれた布が出てきますのよ!
 二十代にしか見えない女性なのに数十年のヘビースモーカーのように肺が真っ黒。
 急にホラーへと雰囲気が変わっていきますわ。
 奇妙な現象も起こり始め、次第に親子は追い詰められていきますの。

 派手な演出で怖がらせてくるのではありませんのよ?
 ジワジワとくる恐怖に襲われるとでも言うのかしら。
 ジェーン・ドゥの正体が何であるのかはまず、予想出来る人がいないと思う設定なのですけど、人間の深い闇が招いてしまった災厄とでも言った方がふさわしいのかもしれませんわ。

 しかもこれ、オチに何の救いもありませんのよ?
 まぁ、ハリウッド映画のホラーは割合、バッドエンドが多いですわね……。
 恐怖は終わらない。
 誰も解決することが出来ない。
 絶望を味わせてくれますわ。



 それではもう一本、行きますわね。
 『安市城 グレート・バトル』という韓国の歴史を描いた作品ですわ~。
 七世紀の朝鮮半島で起きた唐と高句麗の戦いの中で実際にあった出来事を脚色して、描いたものですが『三国志』や『キングダム』ばりに大規模な合戦シーンを頑張っていますわ。
 特に騎馬隊の突撃や弓兵隊の描写は中々に見応えがありますのよ。

 主人公は冒頭で描かれる二十万の唐の大軍の前に敢え無く、殲滅される高句麗軍の兵サムル……ではありませんの。
 実はまだ、出てきておりませんの。
 タイトルにもある安市城の城主であるヤン・チュンマンという実在の武将が真の主人公ですわ~。
 サムルはチュンマンを暗殺せよとの命を受け、近づくのですがその人柄や心意気に触れ、悩むのですわ。
 兵を出さなかった裏切り者の城主とされたチュンマン。
 領民とも分け隔てなく接し、圧倒的な大軍である唐の猛攻にも果敢に立ち向かう様子からは彼が裏切り者の弱虫には見えなくなってきますの。
 不思議な友情のようなものが芽生えてくるチュンマンとサムルの関係にも注目ですけど、この他にも濃いキャラがたくさん出てきますわ。
 城主チュンマンの妹と恋仲にある騎馬隊長プソ。
 副官の槍の名手のおっちゃん(名前忘れましたわ!)
 斧使いで粗野なファルゴ。
 剣使いでファルゴと犬猿の仲のプン。

 敵は唐の大軍を率いて、攻め寄せた二代皇帝太宗こと李世民。
 憎たらしいほどに超然とした皇帝であり、倒せる気がしないのですわ~。
 どうにか、してくださいまし~。
 二十万は無理ですわ~。

 そして、忘れてはならない諸悪の根源ともいえるのがチュンマンの元許嫁の巫女。
 この巫女がざまぁ作品に出てくるお花畑ヒロインの悪いところを凝縮した感じですのよ。
 自分には未来が見える。
 このままではいけない。
 だから! という思考の赴くままに動くところは『私はヒロインでこうなるのが決まっているんだから』と似てますのよ。

 チュンマンは情けに厚く、斬ろうとしても斬れないところがもどかしい。
 だけど、そこがいいですわ~!
 そんな電波ヒロインにはそれ相応の最期が待っているのでざまぁをお求めの皆さんも納得していただけるはずですわ。
 そのざまぁの代償があまりにも大きいので結構、辛いですけど😨

 この安市城の戦いを知らなくても普通にエンターテインメントとして、楽しめる作品だとは思いますの。
 むしろ、この映画から、歴史に興味を抱くということもありそうですわね。
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