71 / 73
第二部 偽りから生まれる真実
閑話 夕暮れ極秘ファイル④
しおりを挟む
(三人称視点)
ハンマブルクの盗賊ギルドに所属する工作員ナイト・ストーカーであるシルヴィオ・ジュラメントことアーベント。
彼が青い鳥作戦にあたって、本国に送った調査報告書から、気になる項目を再び、抜粋しよう。
東西首脳会議
和平協定交渉に向けて
今回、開催された東西首脳会議の議題は恒久的な和平協定の締結だった。
キーマンは二人。
自由都市同盟ハンマブルクの外務卿オスカー・キッシンガー。
自由共和国議員コンスタンチン・モロゾフ。
両人の動き次第で和平協定の締結が現実的な物になると思われる。
これは車輪の両輪のようなものであり、どちらかが欠けても円滑に事が進まない。
当然のように予想されたことだが、両人の命を狙った暗殺計画を事前に察知した。
モロゾフ議員の命を狙った暗殺事件は未遂に終わる。
件の『黎明の聖女』によって、暗殺者が退けられたと判断せざるを得ない。
暗殺者を放ったのはカーズニであるとみて、間違いない。
現場に残された遺留品の痕跡から、東特有の物が散見された。
しかし、ここで判断に苦しむ不可解な点が見受けられる。
『黎明の聖女』と『薔薇姫』が同一の存在であると仮定した場合、『薔薇姫』がカーズニに所属していることで矛盾が生じる。
この不可解な点は下記のキッシンガー卿暗殺未遂事件においても同様のことが起きている。
会議開催中に発生したキッシンガー卿の暗殺事件では東側からの協力が打診されるという異例の事態も発生している。
現場にて同東側工作員と合流。
協力者が『薔薇姫』だったことから、カーズニの意図が全く、読めない。
キッシンガー卿の暗殺を謀る黒幕が、カーズニであることは明白である。
暗殺者を差し向けながら、暗殺者で守ろうとする行動に何らかの意味が隠されているのだろうか?
それとなく『薔薇姫』を牽制し、情報を聞き出そうとするも失敗。
しかし、感触としては悪くない。
『薔薇姫』が『公女』である確率は高いと思われるが、説得には並々ならぬ努力と困難が待ち受けていることは確実である。
また、『薔薇姫』を始めとした七悪は足並みが揃っていないことも判明。
組織的に動いているのではなく、単独行動をとっているの可能性が高い。
キッシンガー卿の暗殺を謀った暗殺者は集団で動いていた。
こちらは組織的な動きであるとみて、間違いない。
カーズニという組織が奇妙なヒエラルキー構造を取っている可能性あり。
カーズニが活発な動きを見せているので注意されたし。
ハンマブルクの盗賊ギルドに所属する工作員ナイト・ストーカーであるシルヴィオ・ジュラメントことアーベント。
彼が青い鳥作戦にあたって、本国に送った調査報告書から、気になる項目を再び、抜粋しよう。
東西首脳会議
和平協定交渉に向けて
今回、開催された東西首脳会議の議題は恒久的な和平協定の締結だった。
キーマンは二人。
自由都市同盟ハンマブルクの外務卿オスカー・キッシンガー。
自由共和国議員コンスタンチン・モロゾフ。
両人の動き次第で和平協定の締結が現実的な物になると思われる。
これは車輪の両輪のようなものであり、どちらかが欠けても円滑に事が進まない。
当然のように予想されたことだが、両人の命を狙った暗殺計画を事前に察知した。
モロゾフ議員の命を狙った暗殺事件は未遂に終わる。
件の『黎明の聖女』によって、暗殺者が退けられたと判断せざるを得ない。
暗殺者を放ったのはカーズニであるとみて、間違いない。
現場に残された遺留品の痕跡から、東特有の物が散見された。
しかし、ここで判断に苦しむ不可解な点が見受けられる。
『黎明の聖女』と『薔薇姫』が同一の存在であると仮定した場合、『薔薇姫』がカーズニに所属していることで矛盾が生じる。
この不可解な点は下記のキッシンガー卿暗殺未遂事件においても同様のことが起きている。
会議開催中に発生したキッシンガー卿の暗殺事件では東側からの協力が打診されるという異例の事態も発生している。
現場にて同東側工作員と合流。
協力者が『薔薇姫』だったことから、カーズニの意図が全く、読めない。
キッシンガー卿の暗殺を謀る黒幕が、カーズニであることは明白である。
暗殺者を差し向けながら、暗殺者で守ろうとする行動に何らかの意味が隠されているのだろうか?
それとなく『薔薇姫』を牽制し、情報を聞き出そうとするも失敗。
しかし、感触としては悪くない。
『薔薇姫』が『公女』である確率は高いと思われるが、説得には並々ならぬ努力と困難が待ち受けていることは確実である。
また、『薔薇姫』を始めとした七悪は足並みが揃っていないことも判明。
組織的に動いているのではなく、単独行動をとっているの可能性が高い。
キッシンガー卿の暗殺を謀った暗殺者は集団で動いていた。
こちらは組織的な動きであるとみて、間違いない。
カーズニという組織が奇妙なヒエラルキー構造を取っている可能性あり。
カーズニが活発な動きを見せているので注意されたし。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
冤罪で婚約破棄され、隣国に嫁がされそうです。そのまま冷遇されるお飾り王妃になるはずでしたが、初恋の王子様に攫われました。
櫻井みこと
恋愛
公爵令嬢のノエリアは、冤罪によって王太子から婚約破棄を告げられる。
どうやらこの婚約破棄には、国王陛下も関わっているらしい。
ノエリアを、隣国に嫁がせることが目的のようだ。
だが夫になる予定の国王にはもう妻がいて、ノエリアは血筋だけを求められるお飾りの王妃になる予定だった。
けれど結婚式直前に、ノエリアは忍び込んできたある男に攫われてしまう。
彼らの隠れ家に囚われているうちに、ノエリアは事件の真実を知る。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。
天織 みお
恋愛
「おめでとうございます。奥様はご懐妊されています」
目が覚めたらいきなり知らない老人に言われた私。どうやら私、妊娠していたらしい。
「だが!彼女と子供が出来るような心当たりは一度しかないんだぞ!!」
そして、子供を作ったイケメン王太子様との仲はあまり良くないようで――?
そこに私の元婚約者らしい隣国の王太子様とそのお妃様まで新婚旅行でやって来た!
っていうか、私ただの女子高生なんですけど、いつの間に結婚していたの?!ファーストキスすらまだなんだけど!!
っていうか、ここどこ?!
※完結まで毎日2話更新予定でしたが、3話に変更しました
※他サイトにも掲載中
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる