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第一部 名も無き島の小さな勇者とお姫様
第64話 小さな勇者に芽生える独占欲!?
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レオの唇についてしまった紅を手巾で拭うとまた、見つめ合ってしまった。
危なかったわ。
また、口付けしそうな雰囲気になったんですもの。
わたしは別に構わないのですけど……。
君と一緒なら、どこでも何でも永遠にだって、いられるわよ?
でも、それだといつまで経っても森を出られないわ。
後ろ髪を引かれる思いで森を出て、ようやく着いたとホッとしていたら……『おいでませ! 小さな勇者様』と書かれた派手な横断幕を持った群衆が待ち受けているなんて、予想していなかったのですけど!?
「な、何なの、これ……」
「歓迎されてるのかな?」
『おめでとう』という祝いの言葉とともに色とりどりの花びらが宙を舞い、まるで雨のように降り注いでくる。
きれいですけど、数と量に限度がありましてよ!?
祝福の花の雨の中、嬉しいはずなのになぜか、疲れたわ。
レオは元気そうで何よりですけど。
しまいには横抱きに抱えられたので、にこやかな笑顔を崩さないレオに負けないようにと笑顔を振りまいたから、余計に疲れたのよ。
「レオ君のせいですからね?」
「え? 何の話?」
わたしに急に責められた君はキョトンとした表情になる。
それが見たくて、やっている訳では……あるわね。
かわいいんですもの。
仕方ないでしょう?
「君が似合っていると言ってくれたのはこれでしょ?」
「うん」
勝手知ったるわたしの城。
自分の部屋に戻ったら、連絡しておいた件の服がちゃんと用意してあるのよ。
乳母の手配かしら?
さすが、わたしのことを良く分かってくれていると言うべきだわ。
「本当に似合う?」
体に当ててみるけど、自分では良く分からない。
女王就任の儀式を行う『運命の泉』に向かう際に着た絹製の純白のローブ。
袖や裾に金糸で装飾が施されていて、防護の効果がある小さな魔石がそこに紛らせてある。
見た目では分からないけど、とても頑丈なのよね。
ただし、別の意味での防御力が低いのよ?
裾丈が短くて、ギリギリ隠せるくらいしかないのに素肌に着て、レオと旅した。
見えそうで見えないとはお母様の言葉ですけど、見えそうで見えるのよ。
「リーナは白いイメージがあるし、似合ってるよ」
「そ、そうなの?」
君に言われると悪い気がしないどころか、また着てもいいかもと思ってしまうわ。
ただし、二人きりで誰にも見られないのが絶対条件ね!
「これを基にして、新しい普段着を考えてもらうわ」
「うん。分かった」
彼はにこやかにわたしの言うことを許してくれる。
もしかしたら、水着のように肌が露わになっているのでもそんなににこやかな顔で許可を出すのかしら?
気になったことは聞いておかないと損よね
「ねぇ、レオ君。アニマル柄の水着でもよくない?」
「ダメだよ」
あら? そうではないの?
ちょっと不機嫌な顔になったし、即答なのね。
「他の人に見られると何だか、心が落ち着かないんだ。よく分からないけど、嫌なんだ」
わたしの旦那様(自称)がかわいすぎるので抱き締めたいわ。
思わず、レオの顔を胸に抱き締めようとしたのはいいのですけど、単に抱き着いただけの状態になっています。
ええ、分かってますわ。
身長差のことをすっかり、忘れていました。
今はレオの方がちょっとですけど、大きいんですのよね。
逆にわたしの方が優しく、抱き締められているのですけど……。
これはこれで悪くないわ。
君の腕で抱き締められて、体温を感じていると安心出来るんですもの。
危なかったわ。
また、口付けしそうな雰囲気になったんですもの。
わたしは別に構わないのですけど……。
君と一緒なら、どこでも何でも永遠にだって、いられるわよ?
でも、それだといつまで経っても森を出られないわ。
後ろ髪を引かれる思いで森を出て、ようやく着いたとホッとしていたら……『おいでませ! 小さな勇者様』と書かれた派手な横断幕を持った群衆が待ち受けているなんて、予想していなかったのですけど!?
「な、何なの、これ……」
「歓迎されてるのかな?」
『おめでとう』という祝いの言葉とともに色とりどりの花びらが宙を舞い、まるで雨のように降り注いでくる。
きれいですけど、数と量に限度がありましてよ!?
祝福の花の雨の中、嬉しいはずなのになぜか、疲れたわ。
レオは元気そうで何よりですけど。
しまいには横抱きに抱えられたので、にこやかな笑顔を崩さないレオに負けないようにと笑顔を振りまいたから、余計に疲れたのよ。
「レオ君のせいですからね?」
「え? 何の話?」
わたしに急に責められた君はキョトンとした表情になる。
それが見たくて、やっている訳では……あるわね。
かわいいんですもの。
仕方ないでしょう?
「君が似合っていると言ってくれたのはこれでしょ?」
「うん」
勝手知ったるわたしの城。
自分の部屋に戻ったら、連絡しておいた件の服がちゃんと用意してあるのよ。
乳母の手配かしら?
さすが、わたしのことを良く分かってくれていると言うべきだわ。
「本当に似合う?」
体に当ててみるけど、自分では良く分からない。
女王就任の儀式を行う『運命の泉』に向かう際に着た絹製の純白のローブ。
袖や裾に金糸で装飾が施されていて、防護の効果がある小さな魔石がそこに紛らせてある。
見た目では分からないけど、とても頑丈なのよね。
ただし、別の意味での防御力が低いのよ?
裾丈が短くて、ギリギリ隠せるくらいしかないのに素肌に着て、レオと旅した。
見えそうで見えないとはお母様の言葉ですけど、見えそうで見えるのよ。
「リーナは白いイメージがあるし、似合ってるよ」
「そ、そうなの?」
君に言われると悪い気がしないどころか、また着てもいいかもと思ってしまうわ。
ただし、二人きりで誰にも見られないのが絶対条件ね!
「これを基にして、新しい普段着を考えてもらうわ」
「うん。分かった」
彼はにこやかにわたしの言うことを許してくれる。
もしかしたら、水着のように肌が露わになっているのでもそんなににこやかな顔で許可を出すのかしら?
気になったことは聞いておかないと損よね
「ねぇ、レオ君。アニマル柄の水着でもよくない?」
「ダメだよ」
あら? そうではないの?
ちょっと不機嫌な顔になったし、即答なのね。
「他の人に見られると何だか、心が落ち着かないんだ。よく分からないけど、嫌なんだ」
わたしの旦那様(自称)がかわいすぎるので抱き締めたいわ。
思わず、レオの顔を胸に抱き締めようとしたのはいいのですけど、単に抱き着いただけの状態になっています。
ええ、分かってますわ。
身長差のことをすっかり、忘れていました。
今はレオの方がちょっとですけど、大きいんですのよね。
逆にわたしの方が優しく、抱き締められているのですけど……。
これはこれで悪くないわ。
君の腕で抱き締められて、体温を感じていると安心出来るんですもの。
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