運命なんて残酷なだけ

緋川真望

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29 運命の二人の物語(4)

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 Ωが一人で住んでいるなんてどれだけ汚い安アパートなのかと思ったら、そこは意外にも築年数の浅い小綺麗な三階建ての物件だった。その三階の西側の角部屋が唯月の部屋のはずなのだが、呼び鈴を押しても応答はない。

「おい、桜井唯月。中にいるんだろ? 抑制剤を飲んでいても無駄だぞ。どんなにフェロモンを抑えようとしてもゼロにはならないんだから」

 拓真はすーっと鼻から息を吸い込んだ。

「はぁ……ドア越しでもすごく良い匂いがする……。なぁ、唯月、お前だってとっくに俺の匂いに気付いているだろ?」

 中で息をのむ気配がして、拓真はふっと鼻で笑ってしまう。
 フェロモンの匂いだけであの広大なキャンパスの中を追跡してみせたのに、本気で居留守が使えると思っているんだろうか。
 拓真はドアに顔を近づけて、囁くように小声で言った。

「俺の匂い、たまらないだろ。体が熱く疼くよな。お前の欲しいものはここにあるんだ。さっさとドアを開けろって」
「か……かえって……」

 かすれた声がドアの向こうから聞こえた。

「は? 帰って? 俺の聞き間違いか? あの日はあんなに熱烈に俺を求めてきたくせに? あぁひどいな、俺は年上のΩにもて遊ばれたのかぁ。あーあ、この傷付いた心を周囲に叫ばずにはいられないな。みなさーん! この部屋には受験生を誘惑する淫乱なオメガが」
「やめて……! やめてください……!」

 弱々しい声がして、カチャリとわずかにドアが開いた。拓真はすかさずその隙間に手を入れてドアを開き、押し入るようにして玄関に入った。

「や、いや……」

 泣きはらしたように真っ赤な目をした唯月が怯えたように後退りする。
 拓真は後ろ手にガチャリと鍵を閉め直した。
 右手に簡易キッチン、左手に風呂トイレ、そして奥に6畳の部屋があり、小さな丸いテーブルとクッション、そしてピンク色のカバーのかかったベッドが見える。

「唯月、あれから三日間ずっと仕事を休んでるんだって? あそこまで発情しきってから抑制剤飲んでも効き目が薄いし、つらかっただろ? 俺とホテルですごした方が楽に発情期を乗り切れたのに、何で逃げたんだよ」
「こ、来ないで……」

 涙声でぶるぶると震えて唯月はさらに後退りしていく。だが、ワンルームでは逃げ場など無く、まるで自ら拓真をベッドに誘っているように見える。

「ああ、そうかそうか。だらだらと喋ってないで早く抱けって?」
「そ、そんなこと言ってな……」

 拓真はずんずんと大股で進み、たった5歩で唯月を捕まえてピンク色のベッドに押し倒した。

「いや……」
「そんな可愛い声で嫌って言われても、説得力なさ過ぎ」

 クスクス笑いながら細い体を押さえ付ける。
 唯月が顔を背けると、首の後ろにその印が見えた。

「へぇ、本当に『番の印』があるんだ」

 拓真のものではない誰かの歯形を指先でなぞると、唯月の体がぴくぴくと震える。

「はなして……」
「お前の番ってどんな奴?」
「あなたに関係ありません」
「番がいるのに何でこんなところで一人暮らししているんだ? お前が三日も仕事を休んでいるのにそいつは見舞いにも来ないのか?」

 室内にはほかのαの匂いが全く感じられなかった。代わりにどこもかしこも唯月の香りがして、拓真の中に沁み込んでくるようだ。

「あの人が決めたことです。あなたに関係ありません」

 声は小さかったが、唯月の赤い目がキッと拓真を睨んでくる。

「関係はあるだろ。むしろ当事者だよな」

 拓真はその両手首を強く押さえて唯月を見下ろしながら、意図的にフェロモンを放ってみた。

「……あっ……」

 眩暈がするように唯月の視線が揺れる。

「ほら、自分でも分かるだろ? 俺のフェロモンを嗅いで、呼吸が速くなっているし、頬も赤くなってる。体温も上がってるよな? 番がいるのに俺のフェロモンに反応する。そういう二人を何と呼ぶのか、唯月もよく知っているだろ?」
「知らな……」
「嘘をつくな。あれからずっと俺のことばかり考えていたはずだ」
「……ち、ちが……」
「違うのか? 俺はずっとお前のことを考えていたのに」

 拓真は唯月の唇を乱暴に奪った。

「ん、んん……」

 運命同士のキスはまるで媚薬みたいだ。
 相手の香りがダイレクトに伝わってきて、唇と舌の温度で溶けてしまいそうになる。
 唯月の目が徐々にうっとりとゆるんで来て、拓真もたまらなく高ぶって来る。

「だ、め……」
「まだそうやって意味のない抵抗をするのかよ。すぐにトロトロになるくせに」
「……や……」
「もう諦めろ。運命を受け入れた方が楽になる」

 強引にキスを繰り返しながら、すでに膨らんでいる唯月のそれをズボンの上から撫でてやる。

「……あ…………あ……」

 弱々しく押し返そうとする手を軽く払いのけ、拓真は唯月のシャツとズボンを剥ぎ取っていく。前回はじっくりと見る余裕も無かったから、唯月の裸体をちゃんと見たかった。露わになった薄い胸は大きく上下し、小さな乳首が期待するようにとがっている。

「お前、ずいぶん細いな……」

 拓真の言葉に何も答えず、唯月は諦めたようにぎゅっと目を閉じた。
 手のひらでゆっくり体を撫でると、ぴくんぴくんと中央のものが反応する。拓真のものとはまったく違っていて片手の中に納まってしまうほどに小さい。

「はは、なんか可愛いな」

 それを優しくしごいてやると唯月が小さく声を出す。足を開かせると、そこは拓真を受け入れたくてたまらないというようにぐっしょりと濡れていた。

「入れるぞ」

 唯月は返事をしない。
 拓真はかまわず、唯月を抱きしめるようにしながら腰を沈めた。
 唯月の体がビクンとのけぞる。

「うわこれ……まじで死ぬほどいいよ、お前の中」

 唯月は唇を噛んでこらえているようだったが、拓真が腰を揺らしてやると簡単に声を出し始め、さっきまであんなに嫌がっていた拓真にぎゅうっとしがみついてきた。

「あっ……あぁっ……」
「唯月、いいか」
「あ、いい……すごくいい……!」

 これはレイプではないと思った。その証拠に唯月も喜ぶように喘いでいる。あの廃倉庫で玩具にされて泣き叫んでいた女達とはぜんぜん違う。素直に、そして貪欲に拓真を欲しがる唯月は今まで拓真が付き合ってきた誰よりも可愛く見えた。

「唯月、唯月……」
「は……あ……すごい……」
「お前、可愛いよ」
「あ、あぁ、だめ……」

 まるで恋人同士のように二人は深く交じり合った。
 体中が痺れるほどの快感だった。体だけでなく心まで充足していた。このΩは誰よりも拓真に満足感を与えてくれる。今までたくさんのメスが拓真に求めてきたものを、唯月にならやってもいい気がしていた。つまり、拓真の『恋人』という地位を。

 それから、何時間経ったのだろうか。
 カーテンの隙間からオレンジ色の夕陽が差し込んできている。拓真はベッドの上で唯月を抱き寄せたまま、しばらくその髪を撫でていた。

「唯月……」

 これが『運命の番』というものなのか。男も女も国籍も家柄も関係なく、すでに番がいたとしてもそれすらも超えて魅かれ合う運命の相手……。

―――― 俺の、俺だけのΩ。

「俺の唯月……」
「……しゅんやさん……」

 恍惚とした表情で拓真を見つめながら、唯月の口は違う男の名前を呼んだ。

「春哉さん……だいすき……」

 甘えるように拓真の胸にすり寄って来て、唯月は嬉しそうに微笑んで目を閉じた。

「は……?」

 状況を理解するのに、少し時間を要した。

「はぁ?!」

 拓真はがばっと起き上がって、唯月の体を乱暴にベッドに放った。

「きゃっ」
「誰がシュンヤだ。俺は拓真だ!」
「え……?」

 ぼんやりとした顔をしている唯月の肩をつかみ、拓真が正面から睨みつける。

「シュンヤってのがお前の番か?」
「あ、あの……?」
「服を着ろ、唯月。そのシュンヤってやつに会いに行くぞ」
「あ、会う……? どうしてですか」
「決まってるだろ。唯月には俺という『運命の番』が現れたんだ。シュンヤとかいう男とはすぐに別れるべきだろうが」

 やっと目が覚めたのか、唯月の顔がさーっと蒼ざめていく。

「い、いやです」
「なに?」
「春哉さんとは別れません」
「はぁ? 何を言ってる。俺とお前は『運命の番』なんだ。そのシュンヤってやつは、お前を番にしたくせに一緒に暮らしてもくれない薄情なαなんだろ? 普通なら番がどんなにひどい奴でもΩの方からは別れられないけれど、今の唯月には俺がいる。そこらへんにいるただのαじゃない。『運命の番』の俺がいるんだから……」
「勝手なことを言わないでください! わ、私は春哉さんがいい! 私は春哉さんが好きなんです! 春哉さんとは別れたくありません!」
「お前、さっきまで俺の下でさんざん感じまくってたくせに」

 強情に首を振る唯月に苛立ち、拓真はさっと右手をあげた。びくっと首をすくめる唯月にさらに苛立ったが、拓真は唯月を殴らなかった。代わりに脱いだ服からスマホを出して、裸の唯月をカシャリと写真に収めた。

「え、な、なにを」
「いかにも事後って感じの写りだな。これをあの大学でばらまいてやろうか? シュンヤってやつも見るかもな」
「そんな……!」
「お前もよく知ってるだろ? αってのは異常にプライドが高い生き物だ。自分の番がほかのαと浮気なんてしやがったら、絶対に許してはくれないだろうな」
「や、やめてください……! 春哉さんには見せないで……!」
「ああ、さっきのセックスも録画しとけば良かった。唯月がどんな声を出してどんな風に俺を欲しがったのか、シュンヤってやつに見せつけてやれたのに」
「いや! やめて! それを消してください!」

 スマホを取ろうとする唯月をかわしながら、拓真は笑いながら言った。

「ああそうだ。今から録画しようぜ。一度ハメ撮りってのをしてみたかったんだ」
「い、いや! お願いだからやめてください……!」

 唯月はボロボロと涙を流し始め、その内に嗚咽するほど激しく泣き始めた。

「分かったよ。そんなに嫌ならハメ撮りはしないって」
「ひっ……ひぐっ……うっ……」
「お、おい、そんな泣くなよ。俺がいじめてるみたいだろ」
「春哉さんと……別れるくらいなら、し、死にます……」
「はぁ? 死ぬって、いくらなんでも……」
「ほ、ほんきです……」

 唯月はしゃくりあげながら、ベッドサイドに置いてある小さなガラス瓶を手に取った。中に小さな赤い実が入っている。

「わ、私が死んだら、その写真は消してください。春哉さんには食中毒で死んだって……言って……ください……。もしも……もしも春哉さんを傷付けたら……恨んで化けて出ますから……」
「は? なにその笑えない冗談……?」

 唯月は瓶の蓋を取ると赤い実をざらっと手のひらに出して口に含んだ。まずいものを食べるように顔を歪めながらもぐもぐと飲み込んでいく。

「お、おい! バカお前、何を食べた!?」

 唯月は口を閉じたままぶんぶんと首を振った。

「まじかよ。おい、吐け、吐けって!」

 両手で口を押さえて、唯月はその場にうずくまる。

「おい、唯月!」
「う、痛い……!」

 唯月が苦しそうに自分の腹を押さえた。
 拓真はとっさにキッチンへ走り、冷蔵庫から緑茶のペットボトルを取ってくると、むりやり唯月に飲ませようとした。ゲホゲホと唯月が咳き込む。

「バカ野郎! そこまですることかよ!」

 パニックになりながら拓真はスマホを操作する。
 短いコール音の後に相手が出た。

「お、おじいちゃん? 俺だよ、拓真だよ。助けて!」

 拓真がすがったのは祖父だった。
 祖父は何人もいる孫の中で一番拓真をかわいがってくれて、どんな時でも拓真の味方だった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 瓶の中の赤い実は、スズランの実だったという。
 食べた量は成人の致死量ギリギリだったが、抑制剤を飲んでいたせいで毒性が増してしまい、唯月はかなり危ない状態だった。

「抑制剤に、そんな効果があったんですね。知りませんでした」

 鬼在きさら総合病院のΩ専用病棟で目を覚ました唯月は、拓真の説明を聞いて冷静にそう言った。

「いや、効果とかそんなことよりも、言うことがあるんじゃないか」
「ああ……。今回も、神様の天秤は生きる方に傾いたんですね……」
「神様の天秤? なんだそれ」

 目の前で服毒されて以来、唯月の意識が戻るまで病室に泊まり込んでいた拓真に対して、唯月は感謝の言葉すら言ってくれない。

「唯月、すいませんとか迷惑かけましたとか俺にそういう言葉はないのか? なんであれくらいのことで毒なんか……」
「あの写真を春哉さんに見せると言うなら、また飲みます」
「は?」
「春哉さんと別れろと言うなら、また飲みます」
「お前な……。あれはとっくに瓶ごと捨てたぞ」
「毒ならほかにも持っていますよ。大学の花壇には色々と面白い植物があるので」
「……どこでそんな知識を?」
「お義父さんの書斎ですけど」
「そういや薬学部の教授だったか」
「はい」

 拓真はハーッと大きく息をついた。

「違う。俺が聞きたいのはそういうことじゃなくて……。どうして『番と分かれるくらいなら死ぬ』とかって不毛な考えになるんだよ」
「好きだからです」
「死んでもいいほど?」
「そうです」
「『運命の番』よりも?」
「そうです」
「……まったく理解できないな」
「ふ」

 唯月は笑った。

「あなたはまだ恋を知らないんですね」

 それが、初めて見た笑顔だった。
 たとえ拓真を小馬鹿にした笑いだったとしても、笑顔には違いなかった。

「お前。笑うと、すごく可愛いんだな」





 それから、唯月との奇妙な関係が始まってしまった。
 拓真は唯月の発情期に合わせて、唯月の元を訪れる。
 唯月はいつも最初は嫌がるけれど、結局拓真を受け入れてしまう。
 拓真と唯月の間には『運命の番』の絆と呼べるものは存在しなかった。
 拓真が唯月に執着しているだけだと、自分でも分かっていた。


 唯月の番はいったい何をしているのか、しばらく会えないと唯月に告げたらしい。命を懸けるほど愛してくれるΩがいるのに放って置くなんて、そいつの考えていることがさっぱり分からなかった。


 もっと分からないのが、盲目的に番を信じて待ち続ける唯月のことだった。
 せっかく『運命の番』に出会ったというのに、ほかのαの方が良いなんてふざけた話だ。
 簡単に毒物を飲むようなメンヘラだし、深く関わるべきじゃないと頭では分かっていた。
 それに、拓真こそが『運命』なのに、まるで間男みたいにコソコソしなくちゃならないのも我慢ならなかった。
 激しい情事の最中にほかの男の名前を何度も呼ぶ唯月が許せなかった。


 そんなヤバイΩなんてさっさと忘れてしまえばいいのに、それでも唯月に会いに行ってしまう自分が一番理解できなかった。




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