148 / 149
連載
194 物資
しおりを挟む
「渡せそうなものは大体渡せたか。……何か他に必要なものはあるか?」
アリュウさんが自分達の馬車を覗き込みながら聞いてくる。
「アハハ。もう十分な感じですよ。ねっ、ドロシー」
「うん。ありがとうございました」
依頼主からの追加依頼をこなすべく、アリリアナ組はレイドを一時的に抜けることになった。そこで生じたのが、物資の分配問題。食料や道具のあるなしは生死を大きく分けるので、分配は難しい問題だけど、沢山の食料や結界石、過剰ともいえる量を分けてもらった。これ以上頂いて、商隊の護衛に支障があったら申し訳なさすぎる。
「やれやれ。いくらお得意様の依頼とはいえ、こんな割に合わない仕事、断ったって良いんだぜ。金に困ってるってわけじゃないんだろ?」
アリリアナ組がポタラさんからの追加依頼を正式に引き受ける旨を伝えると、アリュウさんはとても渋い顔をした。
「はい。皆で話し合って、そうするべきだと思って決めました」
「あ~……そうかい。知ってるとは思うが、ギルドで受ける仕事は、どの程度危険なのか、どのレベルの冒険者になら任せられるのか、それなりにチェックが入る。まっ、最近だと手が回らないことも増えてきたが、それでも情報のあるなしは大きい。分かってるよな?」
「勿論です」
どんな危険があるのか知ってて向かうのと、全く未知数の脅威に立ち向かうのでは、必要な装備も心構えも、何もかもが変わってくる。知っていれば無傷で勝つことのできる魔物が相手でも、唐突な遭遇で全滅させられた冒険者の話は決して少なくない。それほど事前情報というのは大切なのだ。
アリュウさんは乱暴に髪をかくと、これ見よがしのため息をついた。
「ったく、素直に見えて、嬢ちゃんは存外頑固だよな。ボウズ、必ず嬢ちゃんを守れよ」
「ああ。俺の命に替えてもドロシーさんは守ってみせる」
レオ君の気持ちは嬉しいけど、命に替えるなんて言って欲しくない。そのことを指摘したいけど、なんだか言葉尻を捕らえてるみたいで、ちょっと言いにくい。
アリリアナがレオ君の頭を後ろからドンッ! と押した。
「いてぇ!? 何すんだよ」
「アリリアナ組は死者ゼロを目指す超ホワイトクランなんだから、犠牲前提の考え方はやめて欲しい感じなんですけど?」
「うるせぇな。俺だって別に死ぬつもりなんかねぇよ。そういう気持ちの表明だろ、気持ちの。人の覚悟に水を差すなよな」
ご、ごめんなさい~。私もアリリアナと同意見でした。
別に私が言われたわけじゃないのに、胃がキリキリと締め付けられるような感触に思わず猫背になっちゃう。
「別に差したくて差してるわけじゃないんだけどね。冒険者の鉄則はとにかく自身の安全確保。アリュウさんもレオっちを焚き付けるような言い方はやめてくださいね」
「悪い、悪い。ドロシー嬢ちゃんのことになると、つい、な」
アリュウさんが意味ありげな視線を向けてくるけど、それにどんな顔をすればいいのか、ちょっと分からない。ただなんとなくレオ君の表情が気になった。
「そんなわけでボウズも自分の安全を確保した上で、死んでも嬢ちゃんを守れよ」
「……分かってるよ。アンタに言われるまでもない」
レオ君は面白くなさそうにムスッとしてる。不機嫌そうな彼には悪いけど、背が今ほど伸びてない頃みたいで、可愛いなって感じちゃう。
「……どうかした?」
「えっ!? う、ううん。なんでもないよ? なんでも」
可愛いレオ君をギュッとしてみたかった。もしも今が二人っきりなら勇気を出したかも知れないけど、こんなに沢山の人がいるところだと、とてもじゃないけど無理だ。
「どうしよう。なんだか、レオっちを無性に抱きしめたくなってきた感じなんですけど」
「は? 何言ってんだお前?」
「ちょっと、アリリアナ?」
「いやいや。これは私悪くない感じだから。むしろ被害者的な立ち位置だから」
あっ、もしかして私の気持ちが伝わっちゃったのかな? だとしたら……やだ、ちょっと恥ずかしいかも。
「こ、今度は羞恥心が? ええい、この困ったちゃんめ。こうしてあげる感じだし」
「きゃっ!? ちょっと、アリリアナ?」
いきなり抱きしめられて、どうすれば良いのか分らず、手が虚しく宙を描いた。
「う~ん。良い感じだし。っていうかドロシー相変わらず、いい匂い」
「に、匂いとか言わないでよね。あっ、ちょっと……もう」
仕方ないので脱出は諦めてアリリアナのやりたいようにやらせる。私が解放されるまで一分も関わらなかった……気がする。
アリリアナは何かをやり切ったような顔で、汗なんか掻いてないのに、額を腕で拭った。
「ふぅ。まったく、ドロシーにも困った感じね」
「困ったのは、お前だ」
「いいね。嬢ちゃんのボスだけあって、アリリアナ嬢も面白いな」
親指を立てるアリリアナに苦笑すると、アリュウさんはこっちを見て、急に真面目な顔になった。思わず背筋が伸びちゃう。
「今更俺が何を言っても嬢ちゃん達は意見を変えないだろう。だから最後に一つだけ。少しでも危険を感じたら、依頼は諦めろ。たとえ一度引き受けた仕事であっても、手に余るようなら大人しく引く。冒険者の鉄則だ。いいな」
「はい。私も誰にも死んで欲しくないですから」
あの親子(母親はトモコさん、娘はアケミちゃん)を助けてあげたい。襲われてる村の人達もそうだ。でもその為にアリリアナやレオ君、そしてアリアの身を危険に晒すつもりはない。少しでも無理だと感じた場合は評判なんて無視して逃げる。これは以前からアリリアナと何度も話し合った、うちのクランの方針だ。……未だに実行した試しはないけど。
「よし。それならさっき決めた通り俺達は先に行ってるぞ。向こうで会おう」
「はい。依頼を終えたらすぐに追いつきます」
アリュウさんはアリリアナとレオ君にも声をかけた後、自分の馬車の方へと戻っていった。
「あっ、それじゃあ私はポタラさんに挨拶してくるわ。そのまま出発になると思うから皆にもそう伝えておいて」
「うん。分かった。レオ君。行こう」
「ああ」
アリリアナはポタラさんの馬車へ、私とレオ君はアリリアナ組の馬車へと移動する。
「アリュウさん、やけにドロシーさんのこと気にかけるよな」
「え? うん。やっぱりリトルデビル事件のことを気にしてるみたい。あれは仕方のないことだったのにね」
「本当にそれだけなのか?」
「え? それって……」
なんだかこのまま会話を続けると、すっごく気まずい雰囲気になりそう。そんな予感がふと沸いた。
「あっ、いや……ごめん。その、変なこと聞いた」
「ううん。そんなことないよ」
肩が触れ合うほど近くにいる彼の手をそっと握る。レオ君の赤い瞳が見開かれる。
「私のこと気にかけてくれたんでしょう? 嬉しい」
「あ、ああ」
なんとなく気恥ずかしくて、お互いに視線を外す。でも握った手だけはそのままで、私達は馬車へと向かう。そしてそこではーー
「きぃいいい!! このクソガキ! もう我慢できませんわ。決闘。決闘ですわ」
「……カモン」
アリアとイリーナが取っ組み合いの喧嘩をしていた。
アリュウさんが自分達の馬車を覗き込みながら聞いてくる。
「アハハ。もう十分な感じですよ。ねっ、ドロシー」
「うん。ありがとうございました」
依頼主からの追加依頼をこなすべく、アリリアナ組はレイドを一時的に抜けることになった。そこで生じたのが、物資の分配問題。食料や道具のあるなしは生死を大きく分けるので、分配は難しい問題だけど、沢山の食料や結界石、過剰ともいえる量を分けてもらった。これ以上頂いて、商隊の護衛に支障があったら申し訳なさすぎる。
「やれやれ。いくらお得意様の依頼とはいえ、こんな割に合わない仕事、断ったって良いんだぜ。金に困ってるってわけじゃないんだろ?」
アリリアナ組がポタラさんからの追加依頼を正式に引き受ける旨を伝えると、アリュウさんはとても渋い顔をした。
「はい。皆で話し合って、そうするべきだと思って決めました」
「あ~……そうかい。知ってるとは思うが、ギルドで受ける仕事は、どの程度危険なのか、どのレベルの冒険者になら任せられるのか、それなりにチェックが入る。まっ、最近だと手が回らないことも増えてきたが、それでも情報のあるなしは大きい。分かってるよな?」
「勿論です」
どんな危険があるのか知ってて向かうのと、全く未知数の脅威に立ち向かうのでは、必要な装備も心構えも、何もかもが変わってくる。知っていれば無傷で勝つことのできる魔物が相手でも、唐突な遭遇で全滅させられた冒険者の話は決して少なくない。それほど事前情報というのは大切なのだ。
アリュウさんは乱暴に髪をかくと、これ見よがしのため息をついた。
「ったく、素直に見えて、嬢ちゃんは存外頑固だよな。ボウズ、必ず嬢ちゃんを守れよ」
「ああ。俺の命に替えてもドロシーさんは守ってみせる」
レオ君の気持ちは嬉しいけど、命に替えるなんて言って欲しくない。そのことを指摘したいけど、なんだか言葉尻を捕らえてるみたいで、ちょっと言いにくい。
アリリアナがレオ君の頭を後ろからドンッ! と押した。
「いてぇ!? 何すんだよ」
「アリリアナ組は死者ゼロを目指す超ホワイトクランなんだから、犠牲前提の考え方はやめて欲しい感じなんですけど?」
「うるせぇな。俺だって別に死ぬつもりなんかねぇよ。そういう気持ちの表明だろ、気持ちの。人の覚悟に水を差すなよな」
ご、ごめんなさい~。私もアリリアナと同意見でした。
別に私が言われたわけじゃないのに、胃がキリキリと締め付けられるような感触に思わず猫背になっちゃう。
「別に差したくて差してるわけじゃないんだけどね。冒険者の鉄則はとにかく自身の安全確保。アリュウさんもレオっちを焚き付けるような言い方はやめてくださいね」
「悪い、悪い。ドロシー嬢ちゃんのことになると、つい、な」
アリュウさんが意味ありげな視線を向けてくるけど、それにどんな顔をすればいいのか、ちょっと分からない。ただなんとなくレオ君の表情が気になった。
「そんなわけでボウズも自分の安全を確保した上で、死んでも嬢ちゃんを守れよ」
「……分かってるよ。アンタに言われるまでもない」
レオ君は面白くなさそうにムスッとしてる。不機嫌そうな彼には悪いけど、背が今ほど伸びてない頃みたいで、可愛いなって感じちゃう。
「……どうかした?」
「えっ!? う、ううん。なんでもないよ? なんでも」
可愛いレオ君をギュッとしてみたかった。もしも今が二人っきりなら勇気を出したかも知れないけど、こんなに沢山の人がいるところだと、とてもじゃないけど無理だ。
「どうしよう。なんだか、レオっちを無性に抱きしめたくなってきた感じなんですけど」
「は? 何言ってんだお前?」
「ちょっと、アリリアナ?」
「いやいや。これは私悪くない感じだから。むしろ被害者的な立ち位置だから」
あっ、もしかして私の気持ちが伝わっちゃったのかな? だとしたら……やだ、ちょっと恥ずかしいかも。
「こ、今度は羞恥心が? ええい、この困ったちゃんめ。こうしてあげる感じだし」
「きゃっ!? ちょっと、アリリアナ?」
いきなり抱きしめられて、どうすれば良いのか分らず、手が虚しく宙を描いた。
「う~ん。良い感じだし。っていうかドロシー相変わらず、いい匂い」
「に、匂いとか言わないでよね。あっ、ちょっと……もう」
仕方ないので脱出は諦めてアリリアナのやりたいようにやらせる。私が解放されるまで一分も関わらなかった……気がする。
アリリアナは何かをやり切ったような顔で、汗なんか掻いてないのに、額を腕で拭った。
「ふぅ。まったく、ドロシーにも困った感じね」
「困ったのは、お前だ」
「いいね。嬢ちゃんのボスだけあって、アリリアナ嬢も面白いな」
親指を立てるアリリアナに苦笑すると、アリュウさんはこっちを見て、急に真面目な顔になった。思わず背筋が伸びちゃう。
「今更俺が何を言っても嬢ちゃん達は意見を変えないだろう。だから最後に一つだけ。少しでも危険を感じたら、依頼は諦めろ。たとえ一度引き受けた仕事であっても、手に余るようなら大人しく引く。冒険者の鉄則だ。いいな」
「はい。私も誰にも死んで欲しくないですから」
あの親子(母親はトモコさん、娘はアケミちゃん)を助けてあげたい。襲われてる村の人達もそうだ。でもその為にアリリアナやレオ君、そしてアリアの身を危険に晒すつもりはない。少しでも無理だと感じた場合は評判なんて無視して逃げる。これは以前からアリリアナと何度も話し合った、うちのクランの方針だ。……未だに実行した試しはないけど。
「よし。それならさっき決めた通り俺達は先に行ってるぞ。向こうで会おう」
「はい。依頼を終えたらすぐに追いつきます」
アリュウさんはアリリアナとレオ君にも声をかけた後、自分の馬車の方へと戻っていった。
「あっ、それじゃあ私はポタラさんに挨拶してくるわ。そのまま出発になると思うから皆にもそう伝えておいて」
「うん。分かった。レオ君。行こう」
「ああ」
アリリアナはポタラさんの馬車へ、私とレオ君はアリリアナ組の馬車へと移動する。
「アリュウさん、やけにドロシーさんのこと気にかけるよな」
「え? うん。やっぱりリトルデビル事件のことを気にしてるみたい。あれは仕方のないことだったのにね」
「本当にそれだけなのか?」
「え? それって……」
なんだかこのまま会話を続けると、すっごく気まずい雰囲気になりそう。そんな予感がふと沸いた。
「あっ、いや……ごめん。その、変なこと聞いた」
「ううん。そんなことないよ」
肩が触れ合うほど近くにいる彼の手をそっと握る。レオ君の赤い瞳が見開かれる。
「私のこと気にかけてくれたんでしょう? 嬉しい」
「あ、ああ」
なんとなく気恥ずかしくて、お互いに視線を外す。でも握った手だけはそのままで、私達は馬車へと向かう。そしてそこではーー
「きぃいいい!! このクソガキ! もう我慢できませんわ。決闘。決闘ですわ」
「……カモン」
アリアとイリーナが取っ組み合いの喧嘩をしていた。
23
お気に入りに追加
4,948
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。