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138 出発の朝2
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「あら、おはようですわ。出発にはいい朝ですわね」
「おっは~。いつでも行ける感じ?」
「おはようございます。団長殿。無論いつでも出られますぞ。それと馬車に乗せたものをリスト化しておいたので、良ければ目を通しておいてください」
「アハハ。ロロルドさんったら、団長殿だなんて。私、すっごいクランのリーダーっぽいんですけど」
「ぽいも何も、貴方はこのアリリアナ組のリーダーでしょう。まぁクラン名に付いてはもう少し考えた方がいい気もしますが」
集合時間に遅れないよう、余裕を持って家を出たんだけど、メルルさんの屋敷にはすでに全員集まってた。
「おはよう。ドロシーさん」
「あっ、メルルさん。おはよう」
アリリアナとイリーナさん達が談笑しているのを眺めていると、メルルさんとレオ君がやって来た。メルルさんはこれから仕事なのか、普段着ではなく白衣姿だ。
「レオ君も、その、おはよう」
「……おはよう」
ううっ、今回のクエストにはついて来なくて良いよと告げてからあまり話してなかったので、ちょっと気まずいかも。いつもは可愛く見えるレオ君の仏頂面も、今日はちょっと怖い。
「その、えっと、ごめんね。突然クエストについてこなくていいなんて言って。その、……お、怒ってる?」
「正直、ちょっと納得できないところはある」
「だ、だよね」
どうしよう。やっぱりレオ君怒ってるみたい。
「ただ」
「ただ?」
「ドロシーさんや姉貴の言い分も理解できる。せっかくフェアリーラ魔法学校に入れたのに、最近の俺は授業を疎かにしていたからな。冒険者として活動するなら卒業してからでも遅くない」
「……治癒使いじゃなくて冒険者を目指すことにしたの?」
レオ君の進路だし、私が口を出すことじゃないけど、どうしてかあんまり賛同する気にはなれなかった。
「そのほうが俺には向いてるし、そうしようと思ってたんだけど……」
レオ君は苛立たしげに炎のような真っ赤な髪を掻きむしった。
「? 何かあったの?」
「いや、ガルドの奴が」
「ガルドさん? そう言えば大勢の人を治療したってメルルさんがーー」
「何、あの程度、大したことではないよ。私の夜空。聖者としての義務を果たしたまでさ」
「きゃっ!? ガ、ガルドさん?」
メルルさんの横に現れた長身の男性。その顔は恐ろしいほどに整っており、アリアを見慣れている私でさえも魔法の如きその美貌に見惚れそうになる。
「お前な。いちいち気配を消して近づくなよ」
「失礼。人を驚かして楽しむ趣味があるわけではないのだが、気配を消さないと無駄に人の視線を集めてしまうので、癖になっているのだよ」
そんな理由があったんだ。ひょっとしてアリアも? ……いや、あの子は単純に私を驚かして遊んでる気がする。メルルさんが近づいてきて私に耳打ちした。
「昨日ちょっと話したんだけど、レオね、ガルドさんの治癒魔法に感動したみたいなの」
「そうなの? ひょっとしてそれで?」
コクリ、と頷くメルルさんはどこか嬉しそう。レオ君はどんな怪我も治せる治癒使いになるのが目標だって前に言ってたし、自分の目標とする場所に到達した人を見て、心境に変化が生じても不思議じゃない。
「まぁ、まだどちらを選ぶかは決め兼ねてるみたいだけど、進路を冷静に考えるキッカケになったみたいでちょっと安心しているの」
メルルさんは弟を優しい眼差しで見つめる。そんな彼女を見ているとどうしてか、無性にアリアと話したくなった。
「ドロシーさん? どうかした?」
「え? う、ううん。何でもないの。それよりもレオ君、ガルドさんに対してかなりフレンドリーだけど、大丈夫?」
出会い方のせいで忘れそうになるけど、ガルドさんはとっても偉い人なのだ。レオ君のあの態度は見る人が見たら問題にされかねない。
「私も嗜めたんだけど、当のガルドさんが構わないと仰って」
「そうなんだ。ちょっと変なところはあるけど、ガルドさん、いい人だよね」
「そ、そうね。ガルドさんは確かにいい人よ。だけど……」
「どうしたの?」
何故かは分からないけど、メルルさんは困ったと言わんばかりに眉根を寄せる。
「ドロシーさん」
「はい」
「レオは確かにまだまだ子供よ。でもそれはレオが十六歳だからであって、これから! 弟はこれからなのよ」
「う、うん。分かってるよ?」
レオ君は確かに感情的なところがあるけど、年下とは思えないほど頼りになるし、これからもっと格好よく成長していくと思う。でも何で急にそんなこと言うんだろ?
不思議に思いつつも、私はメルルさんと一緒に将来有望な少年を眺めた。
「そもそもお前、聖者のくせしてドロシーさんとアリアさんの二人にちょっかいかけるのやめろよな」
それは全くその通りなので、心の中でレオ君を応援する。
「貴族で魔法使いの家系にしては珍しい価値観だね。血族を絶やさないために貴族が妻や夫以外の恋人を数人作るなどよくある話だろうに」
魔物という人類の捕食者がいる以上、どれだけ気をつけても最悪の事態は起こる時は起こる。だから名家に生まれた者は子供を多く作ることを期待される。人類が力をつけてきた近年はともかく、魔物による死亡率が極めて高かった時代は十代の前半で子供を作るのが普通だったらしい。
「うちは変わり者の貴族ってことで通ってるんだよ」
「時代の流れというものかな。誠実なのはいいことだよ、鮮烈なる炎を宿す少年」
「その言い方やめろよな。普通にレオって呼べ」
「では私のことはガルドと呼んでくれるかな」
「いや、呼んでるだろ」
なんか二人が仲の良い兄弟に見えてきちゃった。ガルドさんはレオ君としばらく会話を続けると、唐突に私の方へやってきた。
「やぁ、私の夜空。壮健そうで何よりだ」
「えっと……ガルドさんもお元気そうで」
ついこの間会ったばかりなのにこの挨拶はどうなんだろう? そんな疑問はガルドさんが浮かべる美しすぎる微笑にあっさりと消しとばされる。
「クエストに出かけるそうだね。私も仕事がなければ同行したいところではあるのだが……どうかしたかね? 私の顔に何か?」
「へっ!? いえいえいえ。何でもない。何でもないですよ?」
自分でもどうかと思うほど、手を左右にブンブンと振る。
「そうか。君に見られるのは嫌ではないので、穴が開くほど見つめてくれてもいいのだがね」
うっ。これってやっぱり見透かされてるのかな?
「え、えっとですね……」
「冗談だよ。お詫びと言っては何だが、これを受け取ってはくれないかな?」
「これは?」
ガルドさんが手渡してきたのは小瓶だった。
「その中には私の力で清めた水が入っている」
「え? ってことは聖水?」
聖者の祈りを帯びた水は邪悪なものを退ける力となる。
魔物に対して絶大な効果を持つ聖水ではあるが、作るのに時間がかかることと、聖者の数が多くないことから、市場に出回ることは殆どない。
「時間がなくてあまり数を用意できなかったが、残りは馬車の方に積ませてもらった。役立たせてくれると嬉しい」
「えっと、ありがとうございます。料金はちゃんとお支払いーーング!?」
人差し指をそっと唇に当てられて、私は口を閉じた。
「くれぐれも気を付けて。力量に見合わない無茶はしないように。いいね?」
コク、コクと何度も頷く。視界の端に映るムスッとした顔のレオ君が、どうしてだかひどく印象的だった。
「おっは~。いつでも行ける感じ?」
「おはようございます。団長殿。無論いつでも出られますぞ。それと馬車に乗せたものをリスト化しておいたので、良ければ目を通しておいてください」
「アハハ。ロロルドさんったら、団長殿だなんて。私、すっごいクランのリーダーっぽいんですけど」
「ぽいも何も、貴方はこのアリリアナ組のリーダーでしょう。まぁクラン名に付いてはもう少し考えた方がいい気もしますが」
集合時間に遅れないよう、余裕を持って家を出たんだけど、メルルさんの屋敷にはすでに全員集まってた。
「おはよう。ドロシーさん」
「あっ、メルルさん。おはよう」
アリリアナとイリーナさん達が談笑しているのを眺めていると、メルルさんとレオ君がやって来た。メルルさんはこれから仕事なのか、普段着ではなく白衣姿だ。
「レオ君も、その、おはよう」
「……おはよう」
ううっ、今回のクエストにはついて来なくて良いよと告げてからあまり話してなかったので、ちょっと気まずいかも。いつもは可愛く見えるレオ君の仏頂面も、今日はちょっと怖い。
「その、えっと、ごめんね。突然クエストについてこなくていいなんて言って。その、……お、怒ってる?」
「正直、ちょっと納得できないところはある」
「だ、だよね」
どうしよう。やっぱりレオ君怒ってるみたい。
「ただ」
「ただ?」
「ドロシーさんや姉貴の言い分も理解できる。せっかくフェアリーラ魔法学校に入れたのに、最近の俺は授業を疎かにしていたからな。冒険者として活動するなら卒業してからでも遅くない」
「……治癒使いじゃなくて冒険者を目指すことにしたの?」
レオ君の進路だし、私が口を出すことじゃないけど、どうしてかあんまり賛同する気にはなれなかった。
「そのほうが俺には向いてるし、そうしようと思ってたんだけど……」
レオ君は苛立たしげに炎のような真っ赤な髪を掻きむしった。
「? 何かあったの?」
「いや、ガルドの奴が」
「ガルドさん? そう言えば大勢の人を治療したってメルルさんがーー」
「何、あの程度、大したことではないよ。私の夜空。聖者としての義務を果たしたまでさ」
「きゃっ!? ガ、ガルドさん?」
メルルさんの横に現れた長身の男性。その顔は恐ろしいほどに整っており、アリアを見慣れている私でさえも魔法の如きその美貌に見惚れそうになる。
「お前な。いちいち気配を消して近づくなよ」
「失礼。人を驚かして楽しむ趣味があるわけではないのだが、気配を消さないと無駄に人の視線を集めてしまうので、癖になっているのだよ」
そんな理由があったんだ。ひょっとしてアリアも? ……いや、あの子は単純に私を驚かして遊んでる気がする。メルルさんが近づいてきて私に耳打ちした。
「昨日ちょっと話したんだけど、レオね、ガルドさんの治癒魔法に感動したみたいなの」
「そうなの? ひょっとしてそれで?」
コクリ、と頷くメルルさんはどこか嬉しそう。レオ君はどんな怪我も治せる治癒使いになるのが目標だって前に言ってたし、自分の目標とする場所に到達した人を見て、心境に変化が生じても不思議じゃない。
「まぁ、まだどちらを選ぶかは決め兼ねてるみたいだけど、進路を冷静に考えるキッカケになったみたいでちょっと安心しているの」
メルルさんは弟を優しい眼差しで見つめる。そんな彼女を見ているとどうしてか、無性にアリアと話したくなった。
「ドロシーさん? どうかした?」
「え? う、ううん。何でもないの。それよりもレオ君、ガルドさんに対してかなりフレンドリーだけど、大丈夫?」
出会い方のせいで忘れそうになるけど、ガルドさんはとっても偉い人なのだ。レオ君のあの態度は見る人が見たら問題にされかねない。
「私も嗜めたんだけど、当のガルドさんが構わないと仰って」
「そうなんだ。ちょっと変なところはあるけど、ガルドさん、いい人だよね」
「そ、そうね。ガルドさんは確かにいい人よ。だけど……」
「どうしたの?」
何故かは分からないけど、メルルさんは困ったと言わんばかりに眉根を寄せる。
「ドロシーさん」
「はい」
「レオは確かにまだまだ子供よ。でもそれはレオが十六歳だからであって、これから! 弟はこれからなのよ」
「う、うん。分かってるよ?」
レオ君は確かに感情的なところがあるけど、年下とは思えないほど頼りになるし、これからもっと格好よく成長していくと思う。でも何で急にそんなこと言うんだろ?
不思議に思いつつも、私はメルルさんと一緒に将来有望な少年を眺めた。
「そもそもお前、聖者のくせしてドロシーさんとアリアさんの二人にちょっかいかけるのやめろよな」
それは全くその通りなので、心の中でレオ君を応援する。
「貴族で魔法使いの家系にしては珍しい価値観だね。血族を絶やさないために貴族が妻や夫以外の恋人を数人作るなどよくある話だろうに」
魔物という人類の捕食者がいる以上、どれだけ気をつけても最悪の事態は起こる時は起こる。だから名家に生まれた者は子供を多く作ることを期待される。人類が力をつけてきた近年はともかく、魔物による死亡率が極めて高かった時代は十代の前半で子供を作るのが普通だったらしい。
「うちは変わり者の貴族ってことで通ってるんだよ」
「時代の流れというものかな。誠実なのはいいことだよ、鮮烈なる炎を宿す少年」
「その言い方やめろよな。普通にレオって呼べ」
「では私のことはガルドと呼んでくれるかな」
「いや、呼んでるだろ」
なんか二人が仲の良い兄弟に見えてきちゃった。ガルドさんはレオ君としばらく会話を続けると、唐突に私の方へやってきた。
「やぁ、私の夜空。壮健そうで何よりだ」
「えっと……ガルドさんもお元気そうで」
ついこの間会ったばかりなのにこの挨拶はどうなんだろう? そんな疑問はガルドさんが浮かべる美しすぎる微笑にあっさりと消しとばされる。
「クエストに出かけるそうだね。私も仕事がなければ同行したいところではあるのだが……どうかしたかね? 私の顔に何か?」
「へっ!? いえいえいえ。何でもない。何でもないですよ?」
自分でもどうかと思うほど、手を左右にブンブンと振る。
「そうか。君に見られるのは嫌ではないので、穴が開くほど見つめてくれてもいいのだがね」
うっ。これってやっぱり見透かされてるのかな?
「え、えっとですね……」
「冗談だよ。お詫びと言っては何だが、これを受け取ってはくれないかな?」
「これは?」
ガルドさんが手渡してきたのは小瓶だった。
「その中には私の力で清めた水が入っている」
「え? ってことは聖水?」
聖者の祈りを帯びた水は邪悪なものを退ける力となる。
魔物に対して絶大な効果を持つ聖水ではあるが、作るのに時間がかかることと、聖者の数が多くないことから、市場に出回ることは殆どない。
「時間がなくてあまり数を用意できなかったが、残りは馬車の方に積ませてもらった。役立たせてくれると嬉しい」
「えっと、ありがとうございます。料金はちゃんとお支払いーーング!?」
人差し指をそっと唇に当てられて、私は口を閉じた。
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