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ヤドリ蔦の羨望
第14話__再会
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瀬名の脚に傷はない。ただ、少し足元はふらついていて、消耗しているのが見て取れた。化け物も消え、しんと静まり返った洞穴の中で、灯火の光を切り抜く影が亡霊のように揺れている。
「もしかして、その子が藍果にあの妙な刀を渡した〈通りすがりの人〉?」
「えっとね、瀬名」
「その子が藍果をこんなことに巻き込んだの?」
「そうだ」
「ちょっと弓丸、今は」
「ふうん、弓丸くんって言うんだ」
瀬名は私たちの側に寄ると、私の通学リュックを荒々しく置いた。その場にしゃがんで顔を傾け、ちょうど血が止まった弓丸の手首に鋭い視線を向ける。出血さえ止まってしまえば、弓丸の傷は瞬く間に消えていった。
「……つまり、あんたが厄介事を持ち込んだ張本人ってわけね」
ヤドリ蔦に襲われ、さらわれ、捕まっていたであろう瀬名は、もはやこの程度のことでは動じなくなっていた。ショーウィンドウに飾られた人形のような瞳を細め、瀬名は弓丸を睨みつける。
「もう、私たちに関わらないでもらえる? どこの誰だか知らないけど、正直言って迷惑。これから帰ってさ、私三時間はお説教コースなんだよね」
弓丸はといえば、繋がった左手を閉じたり開いたりしながら、黙ったまま瀬名の言葉を聞いていた。特に事情を話そうとするでもなく、甘んじて瀬名の怒りを受け止めているような——そんな様子に、もどかしさが込み上げる。
「……違う。違うの瀬名」
「何よ」
「厄介事を引き込んだのは私。自分で首を突っ込んで、後戻りができなくなった」
「そんなに制服ずたずたにして? それも元を辿れば藍果が悪いって言うわけ?」
「説明」
瀬名の肩を掴み、目を合わせてそう言った。昨夜、最後に交わした瀬名との会話。瀬名は化け物に遭い、関わりを持ち、弓丸の姿を見ている。幸か不幸か、やっと説明できる時が来たのだ。
「するって約束したでしょ。聞いて、瀬名」
***
「まっことに失礼いたしました!」
私の説明、もとい弓丸の紹介を聞いて、瀬名は綺麗な土下座を決めた。まぁ、まさか神様が目の前にいるとは思うまい。
「別に……気にしなくていい」
「藍果もごめんね。そういう事情とは知らなくて」
「私こそごめん。瀬名まで巻き込んじゃったのは、私のせいだから」
おそらく、今回の事件の流れはこうだ。
あの男は〈マガツヒメ〉という人物からヤドリ蔦の実を受け取った。その実は私の血から作られており、それを食べることで私の記憶を幻覚として味わった。服用を繰り返すうち、ヤドリ蔦に侵されていった男は、何らかの経緯——十中八九マガツヒメの指示だろう——によってこの洞穴に棲みついた。そして、ヤドリ蔦の実に見せられた〈羨ましい〉人間を、手当たり次第に襲っていたのだろう。
「それにしても、歩道橋にバナナの皮を捨てる人なんているんだね」
「ね、ほんとにね~」
「僕はバナナの皮なんてもご」
慌てて弓丸の口を塞げば、ふにゃん、とした柔らかい感触が手のひらに当たった。
「わいあ」
「ご、ごめん」
パッと手を離すと、弓丸は少し気にしたように唇を指で擦った。幼い顔立ち、腕の中に収まる体躯。つい子ども扱いしてしまうが、そういえば弓丸の精神年齢はいくつなんだろう。八百歳というには、まだ少年らしさが残っているような気がした。
それはともかく。
実は、出会ったときのことについては「歩道橋を歩いていた弓丸がバナナの皮で足を滑らせ、転びそうになったところを助けた」ということにしてある。なってしまった、という方が正しいかもしれない。
——ねぇ、藍果はどうやって弓丸と出会ったの?
咄嗟の嘘だった。
本当は、瀬名に嘘なんてつきたくない。けれど、弓丸の抱えるものが分からない以上、あれは私が他言すべきことじゃないし、無理に喋らせることでもない。だから——。
……バナナの皮。それにしたって雑過ぎたか。
「うーん。でも、確かに神様っぽいかも。昔の服着てるし、刀も持ってるし、しかも美形。私が小一だった頃に似てる」
「ちょっと瀬名、からかうのは」
「弓丸さん、少しならいいでしょ。ほっぺた触らせて」
「瀬名ってば」
私が止めるよりも、瀬名の手の方がワンテンポ早かった。弓丸の白くモチッとした頬を挟んだり引っ張ったりしている。ファーストコンタクトであんな態度をとってしまったから、ヤケクソになっているのかもしれない。
「やうぇれくれ。いひゃいらろ」
「手首ぶった斬っといてよく言う」
瀬名はパッと手を離して、今度は真面目に弓丸を眺める。きっと、見て分かる情報を事細かに記憶しているのだろう。
「ねぇ、弓丸さんって何でもできるの?」
「いいや」
弓丸は、少し赤くなってしまった頬をさすりつつも答える。
「僕の持ち物は刀と弓だけ。戦いで使えるものは、目眩しの〈朧月夜〉と神器の力、そして己の体くらいだ。叶えられる願いの範囲は、由緒正しい格上の神とは比較にならない。僕に祈るより、いっそ鬼や悪魔にでも縋った方が願い事は叶えられるよ」
「鬼に悪魔に神ですか……」
「アヤちゃん!」
その声に顔を上げると、アヤが奥の部屋の出入り口にもたれながら立っていた。アヤは、仰向けに転がっている男の姿をなんとなしに眺め、気だるそうにため息をつく。
「にわかには信じがたい話ですけど、先輩たちが仲直りしてくれたんなら何でもいいです。お客さんもいますし、痴話喧嘩はこの辺りにしときません?」
そう言ったアヤの陰から、ひょっこりとのぞく頭があった。着ていたのは、私たちと同じ高校の制服。
「あの、お邪魔しちゃってすみません……」
ヘアオイルを付けていたのか、ふわり、と蜂蜜のような香りがした。アヤよりも短く、センターで振り分けられたサラサラの黒髪。女子校にいたら、きっと王子様だなんだと騒がれたであろう爽やかな顔立ち。百七十センチ近くある身長に抜群のプロポーション、その上吹奏楽部の第一フルート奏者兼パートリーダー。
「……而葉さん」
昨年度の冬、アンサンブルコンテストにて県大会に進出、そして金賞を手にした木管チームのリーダーも務めていた。その取材をした時に、新聞部メンバーとして会って以来だ。
あと、これはどうでもいいことだと思うが、かなり胸が大きい。どうでもいいことだと思うが。
「お久しぶりですね、早我見さん」
我らが岐依の国市立高校三年生、而葉真月が——獲物を見そめる鷹のように、すうっと目を細めて微笑った。
「もしかして、その子が藍果にあの妙な刀を渡した〈通りすがりの人〉?」
「えっとね、瀬名」
「その子が藍果をこんなことに巻き込んだの?」
「そうだ」
「ちょっと弓丸、今は」
「ふうん、弓丸くんって言うんだ」
瀬名は私たちの側に寄ると、私の通学リュックを荒々しく置いた。その場にしゃがんで顔を傾け、ちょうど血が止まった弓丸の手首に鋭い視線を向ける。出血さえ止まってしまえば、弓丸の傷は瞬く間に消えていった。
「……つまり、あんたが厄介事を持ち込んだ張本人ってわけね」
ヤドリ蔦に襲われ、さらわれ、捕まっていたであろう瀬名は、もはやこの程度のことでは動じなくなっていた。ショーウィンドウに飾られた人形のような瞳を細め、瀬名は弓丸を睨みつける。
「もう、私たちに関わらないでもらえる? どこの誰だか知らないけど、正直言って迷惑。これから帰ってさ、私三時間はお説教コースなんだよね」
弓丸はといえば、繋がった左手を閉じたり開いたりしながら、黙ったまま瀬名の言葉を聞いていた。特に事情を話そうとするでもなく、甘んじて瀬名の怒りを受け止めているような——そんな様子に、もどかしさが込み上げる。
「……違う。違うの瀬名」
「何よ」
「厄介事を引き込んだのは私。自分で首を突っ込んで、後戻りができなくなった」
「そんなに制服ずたずたにして? それも元を辿れば藍果が悪いって言うわけ?」
「説明」
瀬名の肩を掴み、目を合わせてそう言った。昨夜、最後に交わした瀬名との会話。瀬名は化け物に遭い、関わりを持ち、弓丸の姿を見ている。幸か不幸か、やっと説明できる時が来たのだ。
「するって約束したでしょ。聞いて、瀬名」
***
「まっことに失礼いたしました!」
私の説明、もとい弓丸の紹介を聞いて、瀬名は綺麗な土下座を決めた。まぁ、まさか神様が目の前にいるとは思うまい。
「別に……気にしなくていい」
「藍果もごめんね。そういう事情とは知らなくて」
「私こそごめん。瀬名まで巻き込んじゃったのは、私のせいだから」
おそらく、今回の事件の流れはこうだ。
あの男は〈マガツヒメ〉という人物からヤドリ蔦の実を受け取った。その実は私の血から作られており、それを食べることで私の記憶を幻覚として味わった。服用を繰り返すうち、ヤドリ蔦に侵されていった男は、何らかの経緯——十中八九マガツヒメの指示だろう——によってこの洞穴に棲みついた。そして、ヤドリ蔦の実に見せられた〈羨ましい〉人間を、手当たり次第に襲っていたのだろう。
「それにしても、歩道橋にバナナの皮を捨てる人なんているんだね」
「ね、ほんとにね~」
「僕はバナナの皮なんてもご」
慌てて弓丸の口を塞げば、ふにゃん、とした柔らかい感触が手のひらに当たった。
「わいあ」
「ご、ごめん」
パッと手を離すと、弓丸は少し気にしたように唇を指で擦った。幼い顔立ち、腕の中に収まる体躯。つい子ども扱いしてしまうが、そういえば弓丸の精神年齢はいくつなんだろう。八百歳というには、まだ少年らしさが残っているような気がした。
それはともかく。
実は、出会ったときのことについては「歩道橋を歩いていた弓丸がバナナの皮で足を滑らせ、転びそうになったところを助けた」ということにしてある。なってしまった、という方が正しいかもしれない。
——ねぇ、藍果はどうやって弓丸と出会ったの?
咄嗟の嘘だった。
本当は、瀬名に嘘なんてつきたくない。けれど、弓丸の抱えるものが分からない以上、あれは私が他言すべきことじゃないし、無理に喋らせることでもない。だから——。
……バナナの皮。それにしたって雑過ぎたか。
「うーん。でも、確かに神様っぽいかも。昔の服着てるし、刀も持ってるし、しかも美形。私が小一だった頃に似てる」
「ちょっと瀬名、からかうのは」
「弓丸さん、少しならいいでしょ。ほっぺた触らせて」
「瀬名ってば」
私が止めるよりも、瀬名の手の方がワンテンポ早かった。弓丸の白くモチッとした頬を挟んだり引っ張ったりしている。ファーストコンタクトであんな態度をとってしまったから、ヤケクソになっているのかもしれない。
「やうぇれくれ。いひゃいらろ」
「手首ぶった斬っといてよく言う」
瀬名はパッと手を離して、今度は真面目に弓丸を眺める。きっと、見て分かる情報を事細かに記憶しているのだろう。
「ねぇ、弓丸さんって何でもできるの?」
「いいや」
弓丸は、少し赤くなってしまった頬をさすりつつも答える。
「僕の持ち物は刀と弓だけ。戦いで使えるものは、目眩しの〈朧月夜〉と神器の力、そして己の体くらいだ。叶えられる願いの範囲は、由緒正しい格上の神とは比較にならない。僕に祈るより、いっそ鬼や悪魔にでも縋った方が願い事は叶えられるよ」
「鬼に悪魔に神ですか……」
「アヤちゃん!」
その声に顔を上げると、アヤが奥の部屋の出入り口にもたれながら立っていた。アヤは、仰向けに転がっている男の姿をなんとなしに眺め、気だるそうにため息をつく。
「にわかには信じがたい話ですけど、先輩たちが仲直りしてくれたんなら何でもいいです。お客さんもいますし、痴話喧嘩はこの辺りにしときません?」
そう言ったアヤの陰から、ひょっこりとのぞく頭があった。着ていたのは、私たちと同じ高校の制服。
「あの、お邪魔しちゃってすみません……」
ヘアオイルを付けていたのか、ふわり、と蜂蜜のような香りがした。アヤよりも短く、センターで振り分けられたサラサラの黒髪。女子校にいたら、きっと王子様だなんだと騒がれたであろう爽やかな顔立ち。百七十センチ近くある身長に抜群のプロポーション、その上吹奏楽部の第一フルート奏者兼パートリーダー。
「……而葉さん」
昨年度の冬、アンサンブルコンテストにて県大会に進出、そして金賞を手にした木管チームのリーダーも務めていた。その取材をした時に、新聞部メンバーとして会って以来だ。
あと、これはどうでもいいことだと思うが、かなり胸が大きい。どうでもいいことだと思うが。
「お久しぶりですね、早我見さん」
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