上 下
521 / 529
第15章 闇との決戦篇

第193話 再戦、東門

しおりを挟む
 ルージュとローザはベルデ東門にて、魔物達を討伐していた。

 「気をつけてくださいね、ローザさん。いつ敵の親玉が攻撃してくるかわかりません」

 「了解したわ」

 「闇の使い様のおかげで何とかあの王の結界を脱出することが出来た。今度は前回のようには行かない。一気にカタをつける!」

 魔物の群れを纏めていた暗黒四天王の一角、ズワは最初から全力を出すつもりだ。

 「魔人化デモニゼーション!」

 ズワの肉体が変化し、魔人の姿へ変容していく。

 「さぁ!今度こそ貴様らを跡形もなく消し飛ばしてくれる!」

 ズワが両手を頭上に掲げると、そこに闇の魔力が集まっていく。

 「暗黒の闇爆発ダークネス・アウトブレイク!」

 「ローザさん!」

 「任せて」

 闇の魔力の塊が二人の元へ飛来する。その魔力の塊をローザが両手で受け止める。

 「馬鹿め!その魔法は人間ごときではどうにも出来ん!魔族でも連れてくるんだな!」

 「魔力吸収マナ・ドレイン

 ローザの両手から闇の魔力が吸収されていき、闇の魔力の塊は次第に小さくなっていく。

 「な、何ぃ!何故だ!」

 「貴方はまだ魔族というものが分かってないわね?」

 ローザは人間体を解除し、淫魔の姿に戻る。

 「ま、魔族…!こんな所に生き残りが!」

 「残念だけど私は別大陸から来たの。貴方には悪いけど、偽物あなた本物わたしに勝てるなんて思わない事ね」

 「何が魔族!今の私の力があれば貴様らなんぞに負けん!」

 「ルージュ!援護をお願いしていいかしら?」

 「任せてください!いつでも大丈夫ですよ!」

 「そう。じゃあ、行くわよ!」

 『素質解放クオリティ・リベレーションが発生します』

 ローザの体からズワを上回る闇が溢れ出す。それどころか、ズワの闇の力すらローザに取り込まれていくようだ。ローザは素質解放状態に覚醒した。

 「私の体を間近で眺められるなんて、幸運ね」

 「何を言って…!?か、体が動かない…!これは魅了チャームか!」

 「さぁ闇たち。私と偽物どっちが闇を統べるものにふさわしいかしら?」

 「ば、馬鹿な…闇が勝手に溢れ出して行く!」

 ズワの体から闇が溢れ出し、ローザの元へと吸収されていく。ズワの魔人化はいつの間にか解けていた。

 「さぁローザ!貴方の闇も私に分けて!」

 ローザは形なき魔器ノーデモンズを鎌状に変形させ、天へ掲げる。

 「はい!闇縅ダーク・コード!」

 空からルージュの闇魔法が、自身から闇の魔力が鎌へ収束していき、鎌は黒さを増し、鋭利に変形し、闇のオーラを纏う。

 「これで終わりよ!分別の断罪クラシフィケーション・スラッシュ!」

 「ぎぃやぁぁぁ!」

 ズワは真っ二つに切り裂かれたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

男女比1対999の異世界は、思った以上に過酷で天国

てりやき
ファンタジー
『魔法が存在して、男女比が1対999という世界に転生しませんか? 男性が少ないから、モテモテですよ。もし即決なら特典として、転生者に大人気の回復スキルと収納スキルも付けちゃいますけど』  女性経験が無いまま迎えた三十歳の誕生日に、不慮の事故で死んでしまった主人公が、突然目の前に現れた女神様の提案で転生した異世界で、頑張って生きてくお話。

性奴隷を飼ったのに

お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!

夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!! 国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。 幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。 彼はもう限界だったのだ。 「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」 そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。 その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。 その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。 かのように思われた。 「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」 勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。 本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!! 基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。 異世界版の光源氏のようなストーリーです! ……やっぱりちょっと違います笑 また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)

ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~

三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】 人間を洗脳し、意のままに操るスキル。 非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。 「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」 禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。 商人を操って富を得たり、 領主を操って権力を手にしたり、 貴族の女を操って、次々子を産ませたり。 リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』 王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。 邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...