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第12章 罪竜と素質解放篇
第157話 分別、解放
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悪性体の二竜は動かなくなった。
「これで終わりか?」
「随分とあっさりだ…」
ローザがそう言おうとした時、真っ二つに別れた悪性デザイアの遺体がドロドロに溶け始める。
「なっ…これは!」
その泥は意志を持つように動き出し、ローザとデザイアの体を飲み込んだ。
「ローザ!デザイア!」
「リュート!こっちもだ!」
悪性ブレイズの遺体も二つに分裂し、オリアナとブレイズを飲み込んだ。
「はっ!」
ローザが目覚めると、見知らぬ空間に裸で倒れていた、デザイアも裸で隣に倒れていた。
「大丈夫?」
「ん?ここは…」
ローザに揺さぶられ、デザイアも目を覚ます。
そんな二人の足元が突然泥のように泥濘む。二人は次第にその泥に埋まって行く。
「何これ…!脱出できない…!」
「私も同じだ!」
二人がもがけばもがく程身体は泥に沈んでいく。既に膝下くらいまでは沈んだ。しかも、この泥に埋まった部位が別のものに作り変わっていくような感覚だ。不思議と痛みは感じず、逆にどこか心地良さを感じる。
「何なのこの泥は!」
「恐らくだけど、この泥こそが私の罪。この泥は強欲の塊と言ってもいいわ。七色の罪竜を強引な力で書き換えようとした結果、罪が泥として現れ、私たちの身体を蝕んでいるようね」
「このままじゃ…」
既にへそ下まで二人は沈んでいた。
「このペースで行けば、数分後には二人とも泥の中でひとつになって、新たな七色の罪竜として別の生命体になるわ」
「対策はあるの?」
「ローザ第二王妃の素質解放で、逆にこの泥を取り込むっていう方法かしら?」
「やるしかないわね」
「素質解放のコツは自身の感情を揺さぶること。思い描くのよ、大切なものを!」
そんなものハナから決まっている。リュートや仲間たちと幸せに暮らすために、こんな所では死ねない。
「私を飲み込もうなんて生意気な泥ね…」
『心理障壁決壊を確認しました。素質解放します』
「私を好きにできるのはリュートだけよ!」
ローザの内側から爆発的な力が湧き上がる。ローザの身体が変化する。魔力が溢れ、髪も波打つ。露出していた胸と股を闇でできた手が背後から掴み、覆う。翼が巨大化し闇で覆われ、無数の闇の手が暗黒へ誘うようにローザの周りに溢れる。
「これが、素質解放の力よ!」
闇が泥を吸い上げていき、二人は泥から脱出した。
「はぁぁぁぁ!」
ローザは魔力を身体に収束させる。
「分別の闇爆発!」
ローザの大爆発で泥は全て跡形もなく消し飛び、ローザとデザイアは異空間から脱出したのだった。
「これで終わりか?」
「随分とあっさりだ…」
ローザがそう言おうとした時、真っ二つに別れた悪性デザイアの遺体がドロドロに溶け始める。
「なっ…これは!」
その泥は意志を持つように動き出し、ローザとデザイアの体を飲み込んだ。
「ローザ!デザイア!」
「リュート!こっちもだ!」
悪性ブレイズの遺体も二つに分裂し、オリアナとブレイズを飲み込んだ。
「はっ!」
ローザが目覚めると、見知らぬ空間に裸で倒れていた、デザイアも裸で隣に倒れていた。
「大丈夫?」
「ん?ここは…」
ローザに揺さぶられ、デザイアも目を覚ます。
そんな二人の足元が突然泥のように泥濘む。二人は次第にその泥に埋まって行く。
「何これ…!脱出できない…!」
「私も同じだ!」
二人がもがけばもがく程身体は泥に沈んでいく。既に膝下くらいまでは沈んだ。しかも、この泥に埋まった部位が別のものに作り変わっていくような感覚だ。不思議と痛みは感じず、逆にどこか心地良さを感じる。
「何なのこの泥は!」
「恐らくだけど、この泥こそが私の罪。この泥は強欲の塊と言ってもいいわ。七色の罪竜を強引な力で書き換えようとした結果、罪が泥として現れ、私たちの身体を蝕んでいるようね」
「このままじゃ…」
既にへそ下まで二人は沈んでいた。
「このペースで行けば、数分後には二人とも泥の中でひとつになって、新たな七色の罪竜として別の生命体になるわ」
「対策はあるの?」
「ローザ第二王妃の素質解放で、逆にこの泥を取り込むっていう方法かしら?」
「やるしかないわね」
「素質解放のコツは自身の感情を揺さぶること。思い描くのよ、大切なものを!」
そんなものハナから決まっている。リュートや仲間たちと幸せに暮らすために、こんな所では死ねない。
「私を飲み込もうなんて生意気な泥ね…」
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「これが、素質解放の力よ!」
闇が泥を吸い上げていき、二人は泥から脱出した。
「はぁぁぁぁ!」
ローザは魔力を身体に収束させる。
「分別の闇爆発!」
ローザの大爆発で泥は全て跡形もなく消し飛び、ローザとデザイアは異空間から脱出したのだった。
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