478 / 529
第12章 罪竜と素質解放篇
第150話 勤勉、解放
しおりを挟む
リュートとルージュは二人、再びベルデ王国にやって来た。
「リュートさん…本当に二人で大丈夫でしょうか…」
「俺とルージュなら大丈夫さ」
ベルデ王国を抜け、再び翠怠竜と対峙した場所へ戻ってきた。
「確か、この辺りだったよな?」
「はい。その筈ですが…」
その場にあるのは一本の木、のみで他に何も見当たらない。
「よく来たね、僕を倒したもの達よ」
どこからともなく声が聞こえてくる。その声を聞き間違える筈がない。この声の主は翠怠竜レイズの声だ。
「どこに居る?」
「今お前らの目の前にいるだろう?」
「まさか…」
バキバキッ!リュート達の目の前にあった一本の木が竜の形に変化していく。
「待ってたよ。竜人と勤勉の素質持ち」
「待ってたとはどういう事だ?何故木になっていたんだ?」
「簡単な話しさ。そこの素質持ちに焼き尽くされたが、七色の罪竜は力を継承しない限りは死なない。焼けカスが一箇所に集まり、そこから僕という木が生えたのさ。そして、僕は木から竜になり、今に至る訳さ」
「前回出会った時と比べて随分友好的だな」
「まぁブレイズに感化されてしまったからね。今の僕に全盛期ほどの力は無い。だから、君たちの力になろうと思うよ」
「良いんですか?力を私に継承したらあなたは…」
「既に一度死んだ身だ。今更思い残すことも無い。そんなことより、僕の好きな森や草原の緑が外敵に侵されることの方がゆるせない。だから、僕の力を君たちの役立ててくれ」
「ブレイズみたいに俺たちに協力するという方法もあるぞ?」
「いや、良い。だって僕の持つ罪は『怠惰』。正直戦うのは面倒くさい。だから、気にしないでくれ」
「そこまで言うならわかった。ルージュもそれで良いか?」
「はい。翠怠竜さんの意志を尊重します」
「じゃあ、今から勤勉の素質持ちに継承を始めるぞ?僕の力で素質持ちに心理障壁決壊を発生させる」
「そんなことが出来るのか?」
「僕が出来るのはあくまで君たちのサポート。心理障壁決壊が出来るかは本人次第さ」
「構いません。お願いします」
「わかった。行くよ!」
レイズによって二人はルージュの心象世界に飛ばされる。
「う、うぅ…」
ルージュの心象世界のルージュに怠惰の塊のようなものが押し寄せる。ルージュの心は次第に怠惰に染まっていく。
「なるほど。これを乗り越えればきっと…」
常人ならば秒も持たず怠惰に堕ちてしまうだろう。しかし、ルージュは違った。
「私は怠惰なんかになりません!私はもっともっと学んで強くならなくちゃ行けないんです!見ていて下さいリュートさん!」
『心理障壁決壊を確認しました。素質解放が発生します』
ルージュの体が変化し始めたのだった。
「リュートさん…本当に二人で大丈夫でしょうか…」
「俺とルージュなら大丈夫さ」
ベルデ王国を抜け、再び翠怠竜と対峙した場所へ戻ってきた。
「確か、この辺りだったよな?」
「はい。その筈ですが…」
その場にあるのは一本の木、のみで他に何も見当たらない。
「よく来たね、僕を倒したもの達よ」
どこからともなく声が聞こえてくる。その声を聞き間違える筈がない。この声の主は翠怠竜レイズの声だ。
「どこに居る?」
「今お前らの目の前にいるだろう?」
「まさか…」
バキバキッ!リュート達の目の前にあった一本の木が竜の形に変化していく。
「待ってたよ。竜人と勤勉の素質持ち」
「待ってたとはどういう事だ?何故木になっていたんだ?」
「簡単な話しさ。そこの素質持ちに焼き尽くされたが、七色の罪竜は力を継承しない限りは死なない。焼けカスが一箇所に集まり、そこから僕という木が生えたのさ。そして、僕は木から竜になり、今に至る訳さ」
「前回出会った時と比べて随分友好的だな」
「まぁブレイズに感化されてしまったからね。今の僕に全盛期ほどの力は無い。だから、君たちの力になろうと思うよ」
「良いんですか?力を私に継承したらあなたは…」
「既に一度死んだ身だ。今更思い残すことも無い。そんなことより、僕の好きな森や草原の緑が外敵に侵されることの方がゆるせない。だから、僕の力を君たちの役立ててくれ」
「ブレイズみたいに俺たちに協力するという方法もあるぞ?」
「いや、良い。だって僕の持つ罪は『怠惰』。正直戦うのは面倒くさい。だから、気にしないでくれ」
「そこまで言うならわかった。ルージュもそれで良いか?」
「はい。翠怠竜さんの意志を尊重します」
「じゃあ、今から勤勉の素質持ちに継承を始めるぞ?僕の力で素質持ちに心理障壁決壊を発生させる」
「そんなことが出来るのか?」
「僕が出来るのはあくまで君たちのサポート。心理障壁決壊が出来るかは本人次第さ」
「構いません。お願いします」
「わかった。行くよ!」
レイズによって二人はルージュの心象世界に飛ばされる。
「う、うぅ…」
ルージュの心象世界のルージュに怠惰の塊のようなものが押し寄せる。ルージュの心は次第に怠惰に染まっていく。
「なるほど。これを乗り越えればきっと…」
常人ならば秒も持たず怠惰に堕ちてしまうだろう。しかし、ルージュは違った。
「私は怠惰なんかになりません!私はもっともっと学んで強くならなくちゃ行けないんです!見ていて下さいリュートさん!」
『心理障壁決壊を確認しました。素質解放が発生します』
ルージュの体が変化し始めたのだった。
0
お気に入りに追加
896
あなたにおすすめの小説
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる
けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ
俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる
だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる