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第11章 魔王と最北の国篇
第140話 白の竜
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ブレイズの体は一瞬で凍りつき、首から上だけが無事だった。
「ちっ!面倒な能力だ!」
「まずは一人」
白傲竜はリュート達の方に向き直す。
「そうだな…私はあまり無駄なことはしない主義だ。戦闘もすぐに終わらせよう」
「この数を一度に相手できるのか?」
「私たちを舐めないで!」
ミラとローザがそう言う。
「ふん。所詮貴様らは人間…この環境には適応できまい!」
すると、白傲竜アロガンスは翼を広げる。
「まずは楽そうな二人だ。略奪風」
バサッ!アロガンスの翽で巻き起こった風はまるで意思があるかのように蠢く。その風はクリアとオリアナを通り抜ける。
「!?」
「貴様らはコイツがなければどうなる?」
アロガンスの近くには耐寒布が二枚浮いていた。それを凍らせて砕く。
「嘘!一瞬で取られた!」
「まずいですー!」
すぐに二人の顔色が悪くなり始める。
「さ、寒いですー…」
オリアナは人間の為まだマシだった。しかし、
「か、体…が…リュー…ト…」
クリアは竜族の為寒さにはめっぽう弱い。すぐに体が動かなくなり、意識が朦朧とし始める。そして、立っていられなくなり、倒れた。
「ローザ!ニナ!クリアとオリアナを街へ!」
「了解しました!オリアナさん肩に!」
「すみません…足でまといになってしまって」
「クリア!クリア!しっかりして!」
「…」
クリアの意識は既に無かった。ローザとニナはクリアとオリアナを連れて撤退した。
「これで三人、いや、撤退者も含めて五人。もう半分だ」
「やってくれたな…」
リュートが静かに怒りに燃えていた矢先、アロガンスの元へコットンが向かった。
「ご主人様をよくも!貴様は許さん!」
「ほうその耳、獣人か。ならば寒さにはつよいな。だが…」
「はぁぁぁぁ!」
ガキン!コットンが殴ったのは、アロガンスを守るように宙に浮いた氷塊だった。
「硬い!我の攻撃が通らんだと?」
「その程度の攻撃は私には通じない!氷壊!」
瞬間的に殴りつけた氷が破裂し、氷の刃がコットンの服や体を切り刻む。
「ぐぅ!」
コットンは思わず後ろに下がる。
「逃げられると思うな。氷の侵食」
「がっ…これは…」
体に刺さった氷がコットンの体を侵食するように、再び凍り始める。氷はみるみる凍り、コットンは行動不能になった。
「六人目。さて、残りは四人か」
「なんて強さだ…」
「あのコットンが一瞬で…」
「弱い。その程度で私に勝てると思っていたとは傲慢な人達だ」
感情的な色彩は一瞬で半壊したのだった。
「ちっ!面倒な能力だ!」
「まずは一人」
白傲竜はリュート達の方に向き直す。
「そうだな…私はあまり無駄なことはしない主義だ。戦闘もすぐに終わらせよう」
「この数を一度に相手できるのか?」
「私たちを舐めないで!」
ミラとローザがそう言う。
「ふん。所詮貴様らは人間…この環境には適応できまい!」
すると、白傲竜アロガンスは翼を広げる。
「まずは楽そうな二人だ。略奪風」
バサッ!アロガンスの翽で巻き起こった風はまるで意思があるかのように蠢く。その風はクリアとオリアナを通り抜ける。
「!?」
「貴様らはコイツがなければどうなる?」
アロガンスの近くには耐寒布が二枚浮いていた。それを凍らせて砕く。
「嘘!一瞬で取られた!」
「まずいですー!」
すぐに二人の顔色が悪くなり始める。
「さ、寒いですー…」
オリアナは人間の為まだマシだった。しかし、
「か、体…が…リュー…ト…」
クリアは竜族の為寒さにはめっぽう弱い。すぐに体が動かなくなり、意識が朦朧とし始める。そして、立っていられなくなり、倒れた。
「ローザ!ニナ!クリアとオリアナを街へ!」
「了解しました!オリアナさん肩に!」
「すみません…足でまといになってしまって」
「クリア!クリア!しっかりして!」
「…」
クリアの意識は既に無かった。ローザとニナはクリアとオリアナを連れて撤退した。
「これで三人、いや、撤退者も含めて五人。もう半分だ」
「やってくれたな…」
リュートが静かに怒りに燃えていた矢先、アロガンスの元へコットンが向かった。
「ご主人様をよくも!貴様は許さん!」
「ほうその耳、獣人か。ならば寒さにはつよいな。だが…」
「はぁぁぁぁ!」
ガキン!コットンが殴ったのは、アロガンスを守るように宙に浮いた氷塊だった。
「硬い!我の攻撃が通らんだと?」
「その程度の攻撃は私には通じない!氷壊!」
瞬間的に殴りつけた氷が破裂し、氷の刃がコットンの服や体を切り刻む。
「ぐぅ!」
コットンは思わず後ろに下がる。
「逃げられると思うな。氷の侵食」
「がっ…これは…」
体に刺さった氷がコットンの体を侵食するように、再び凍り始める。氷はみるみる凍り、コットンは行動不能になった。
「六人目。さて、残りは四人か」
「なんて強さだ…」
「あのコットンが一瞬で…」
「弱い。その程度で私に勝てると思っていたとは傲慢な人達だ」
感情的な色彩は一瞬で半壊したのだった。
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