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第11章 魔王と最北の国篇

第137話 大予言者

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 ライアンはリュート達を連れて城の一室に連れていく。

 「ここが大予言者が居る部屋です。入りましょう」

 ライアンが部屋の扉を開け、中に入る。

 「待っておったぞ、リュート王」

 そこには、小さな子供が立っていた。

 「えっ?子供?」

 「ワシはこう見えても、数百年は生きておるのだが?」

 「ん?この会話…どこかで…」

 「その様子だと、イモージェンからは何も聞いていないようだな」

 「そうだ!前に似たような会話をイモージェンと!」

 改めて大予言者を見た目を確認してみる。髪の色や髪型はイモージェンと異なるが顔はイモージェンとよく似ていた。

 「ワシが大予言者ソフィア。イモージェンの妹だ」

 「イモージェンの妹!そいつは驚いた…。まさかイモージェンに妹が居るとは」

 「姉はワシの事をあまり話したがらないからの。知らんでも無理は無い」

 「この人が我が国ヴァイスの宮廷魔術師にして、大予言者のソフィアです」

 ライアンは改めて大予言者ソフィアを紹介する。

 「ワシの能力『未来視プロフェシー』の力でお主らが来ることは事前に予測していたさ。もちろん、お主らが来た目的も知っておる」

 「それなら話しは早い。魔神は次に何時襲来するんだ?俺たちはどう対策すればいい」

 「率直に言おう。ワシにもわからぬ。魔神の襲来などワシでも視る事ができん」

 「そう…なのか…」

 なんという事だ。せっかくここまで足を運んだというのに、無駄足だったと言うのか。

 「だが、気を落とすことは無い。対策なら講じることができる」

 「何?それは本当か?」

 「奴はこの大陸のどこに現れるかもわからん。だったら現れた時に力を合わせ討伐してしまえば良い」

 ソフィアはとんでもないことを何食わぬ顔で話した。

 「ま、魔神を倒すだと?」

 「お主と金ピカが力を合わせて時間を稼ぐのがやっとだったのは知っておる。だが、お主はまだまだ強くなる素質が眠っておるし、金ピカもまだ強くなれる。そして、二人では無理でも、人数を増やせばどうにかなるかもしれん」

 「なるほど」

 ソフィアの言葉には不思議と説得力があった。

 「そう言われると、何とかなるような気がしてきたな」

 「まぁ魔神と言えど、そうポンポンとこっちには来られぬはずだ。それまでにお主達も力をつければ良い」

 「そして、次からは私たちも協力させてください」

 「本当か?良いのかライアン?」

 「魔神を野放しにしたら、この国にも危害が及びます。それを見過ごすことは出来ません」

 「じゃあヴァイス王国も同盟関係という事で良いのか?」

 「待ってください。そうしたいのは山々ですが、我々にはやらねばならない事があるんです」

 「やらねばならない事?」

 「白傲竜ホワイトドラゴンの討伐です」

 ライアンはそう言い放った。
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