394 / 529
第6章 隣国との邂逅篇
第74話 女王の願い
しおりを挟む
ヴァイオレット王国、女王のメイジー・ヴァイオレットは生まれながらにして持つ能力、「読心」により、リュートの事を瞬時に判別した。
「この国に男は出入り禁止にしていましたが、まさかそのような方法で国内に侵入してくるとは思いませんでした」
「それで?侵入者である俺にどうしろと?なにかの処罰を受けるのか?」
「いえいえ、国を救ってくださった英雄にそんなことはしません。リュートさん、あなたはロート帝国を内部から崩壊させ、ロート帝国を壊滅させました。その手腕、そして行動力、カリスマ性、全てが尊敬に値します。そこで、リュートさん…いや、リュート王にお願いしたいことがあります」
「何だ?」
「我国と、同盟を結んで頂けませんか?」
「同盟?」
「はい。我が国ヴァイオレットはリュートさんの考えに賛同します。我々も力になりたいのです」
「それはありがたいが、別に俺が王だからと言ってそちらに何か出来るわけじゃないぞ?」
「はい、それも承知の上です。同盟と言ってもそこまで深く考える必要はありません。お互いに何か困った時に助け合う、そんな関係になるというものです」
「まぁそういうことなら断り理由もない。女王様は悪い人ではなさそうだからな」
「ありがとうございます。これからよろしくお願いします、リュートさん」
俺たちの国家フリーダムは隣国のヴァイオレット王国と同盟関係を結んだのだった。
「ていうか、良いのか?俺は災厄の化身じゃなかったのか?」
「私は知っています。あなたはいい心の持ち主だということを。あなたは災厄の化身。しかし、心がある。そんなあなたを信じてみたいんです」
信じると言われて悪い気はしない。ニナの故郷ということもあるし、この国と仲良くしておいて損は無いだろう。
「ここまで足を運んで頂きありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」
「わかった」
そして俺たちはヴァイオレット女王の前から去り、城の外へ向かう。
「あの、リュートさん…」
背中からニナがリュートに声をかける。
「ん?どうした?」
「改めてありがとうございます。私だけじゃなくて国も救って頂いて」
「だから気にするなって。俺はやりたいことをしているだけだからな」
再びあゆみをはじめると、今度はクリアが声をかけてくる。
「リュート?次はどこへ向かうの?」
「そうだな…」
下は自国。行くなら左か上だろう。
「行くか…リベンジに」
一番最初に出会った七色の罪竜。翠怠竜の元へ。
「よし、ベルデ王国に向かおう」
「了解!」
「了解ですー」
「わかりました」
こうして、俺たちは翠怠竜にリベンジを果たすべくベルデ王国を目指すのだった。
「この国に男は出入り禁止にしていましたが、まさかそのような方法で国内に侵入してくるとは思いませんでした」
「それで?侵入者である俺にどうしろと?なにかの処罰を受けるのか?」
「いえいえ、国を救ってくださった英雄にそんなことはしません。リュートさん、あなたはロート帝国を内部から崩壊させ、ロート帝国を壊滅させました。その手腕、そして行動力、カリスマ性、全てが尊敬に値します。そこで、リュートさん…いや、リュート王にお願いしたいことがあります」
「何だ?」
「我国と、同盟を結んで頂けませんか?」
「同盟?」
「はい。我が国ヴァイオレットはリュートさんの考えに賛同します。我々も力になりたいのです」
「それはありがたいが、別に俺が王だからと言ってそちらに何か出来るわけじゃないぞ?」
「はい、それも承知の上です。同盟と言ってもそこまで深く考える必要はありません。お互いに何か困った時に助け合う、そんな関係になるというものです」
「まぁそういうことなら断り理由もない。女王様は悪い人ではなさそうだからな」
「ありがとうございます。これからよろしくお願いします、リュートさん」
俺たちの国家フリーダムは隣国のヴァイオレット王国と同盟関係を結んだのだった。
「ていうか、良いのか?俺は災厄の化身じゃなかったのか?」
「私は知っています。あなたはいい心の持ち主だということを。あなたは災厄の化身。しかし、心がある。そんなあなたを信じてみたいんです」
信じると言われて悪い気はしない。ニナの故郷ということもあるし、この国と仲良くしておいて損は無いだろう。
「ここまで足を運んで頂きありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」
「わかった」
そして俺たちはヴァイオレット女王の前から去り、城の外へ向かう。
「あの、リュートさん…」
背中からニナがリュートに声をかける。
「ん?どうした?」
「改めてありがとうございます。私だけじゃなくて国も救って頂いて」
「だから気にするなって。俺はやりたいことをしているだけだからな」
再びあゆみをはじめると、今度はクリアが声をかけてくる。
「リュート?次はどこへ向かうの?」
「そうだな…」
下は自国。行くなら左か上だろう。
「行くか…リベンジに」
一番最初に出会った七色の罪竜。翠怠竜の元へ。
「よし、ベルデ王国に向かおう」
「了解!」
「了解ですー」
「わかりました」
こうして、俺たちは翠怠竜にリベンジを果たすべくベルデ王国を目指すのだった。
0
お気に入りに追加
896
あなたにおすすめの小説
創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜
雅
ファンタジー
【HOTランキング入り!】【ファンタジーランキング入り!】
【次世代ファンタジーカップ参加】応援よろしくお願いします。
異世界転移し創造神様から【創造眼】の力を授かる主人公あさひ!
そして、あさひの精神世界には女神のような謎の美女ユヅキが現れる!
転移した先には絶世の美女ステラ!
ステラとの共同生活が始まり、ステラに惹かれながらも、強くなる為に努力するあさひ!
勇者は神眼、魔王は魔眼を持っているだと?
いずれあさひが無双するお話です。
二章後半からちょっとエッチな展開が増えます。
あさひはこれから少しずつ強くなっていきます!お楽しみください。
ざまぁはかなり後半になります。
小説家になろう様、カクヨム様にも投稿しています。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる
けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ
俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる
だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
二度目の異世界に来たのは最強の騎士〜吸血鬼の俺はこの世界で眷族(ハーレム)を増やす〜
北条氏成
ファンタジー
一度目の世界を救って、二度目の異世界にやってきた主人公は全能力を引き継いで吸血鬼へと転生した。
この物語は魔王によって人間との混血のハーフと呼ばれる者達が能力を失った世界で、最強種の吸血鬼が眷族を増やす少しエッチな小説です。
※物語上、日常で消費する魔力の補給が必要になる為、『魔力の補給(少しエッチな)』話を挟みます。嫌な方は飛ばしても問題はないかと思いますので更新をお待ち下さい。※
カクヨムで3日で修正という無理難題を突き付けられたので、今後は切り替えてこちらで投稿していきます!カクヨムで読んで頂いてくれていた読者の方々には大変申し訳ありません!!
*毎日投稿実施中!投稿時間は夜11時~12時頃です。*
※本作は眷族の儀式と魔力の補給というストーリー上で不可欠な要素が発生します。性描写が苦手な方は注意(魔力の補給が含まれます)を読まないで下さい。また、ギリギリを攻めている為、BAN対策で必然的に同じ描写が多くなります。描写が単調だよ? 足りないよ?という場合は想像力で補って下さい。できる限り毎日更新する為、話数を切って千文字程度で更新します。※
表紙はAIで作成しました。ヒロインのリアラのイメージです。ちょっと過激な感じなので、運営から言われたら消します!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる