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第二部 第1章 リスタート篇

第2話 命懸け

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 「うーん…なんにも無いね…」

 「ぴぃ…」

 歩けど歩けど砂浜が何処までも続いていた。飛行できれば周囲を確認することが出来るのだが、生憎今の俺は飛べない。 

 そうだ。俺のステータスはどうなっているんだ?

 名前 リュート・ヤガミ
 種族 幼竜(ベビードラゴン)

  Lv 1

 なんだか違う表記になっていた。スキルなどが表示されなくなっていた。そしてrank制度が無いのか、俺はモンスターだがLv表記になっている。

 クリアがどんな感じなのか知りたいが、今の俺に相手のステータスを見る力は無いから諦める。

 「こっちに進んでもキリがないし、あっちに進んでみようよ」

 クリアがジャングル方面を指さす。

 「ぴ、ぴぃ…」

 正直言うと、あまり乗り気はしない。何故ならモンスターと遭遇するかもしれないからだ。当然、今の俺たちが勝てるわけがない。あまり危険なルートは通りたくはない。しかし、行かねば先に進めないのもまた事実。最悪逃げるという方法もある。ここは勇気を振り絞ってジャングルに進むべきだろう。

 「慎重に進もうね」

 「ぴぃ!」

 ジャングルに足を踏み入れる。ジャングルの中は湿度が高く、やたらムシムシする。

 しばらく進むと、少し開けた場所に出る。

 「お腹すいたなぁ…」

 確かに半日は何も食べていない。周りに実はあるにはあるが、どれが毒かもわからないので、迂闊には手が出せない。

 ガサッ!ガサガサッ!その時、茂みが激しく動く。

 「えっ?何?」

 すると、茂みから巨大な蛇が現れた。また蛇か…何だか俺は蛇とは因縁があるな。

 巨大蛇はこちらにじわじわと詰め寄って来る。既に逃げられる距離ではない。しかし、クリアを危険に晒すわけには行かない!

 「ぴぃ!ぴーっ!」

 「貴方…私を守ってくれるの?」

 自らクリアの前に立つ。正直、死ぬほど怖い。一度絶望し、自分が弱いことを自覚すると、心というのは本当にダメになってしまうようだ。足が震えてくる。

 「しゃー!」

 蛇が噛みつきにかかる。

 (あぶねぇ!)

 既のところで避ける。今度はこっちの番だ。

 (噛みちぎってやる!)

 脳の付近に噛み付く。

 「しゃーーー!」

 蛇は痛みからか暴れ出す。

 (うおっ!)

 頭をブンブン振り回し、俺を振り飛ばす。

 まるで何事も無かったかのように既に蛇の傷は塞がり始めていた。

 (なんて回復力だ!仕方ない。一か八かだがやってみるしかない)

 「ぴぴぴぃー(神刀・夢幻白夜)!」

 ザクッ!刀が上から降ってきて、蛇に突き刺さる。どうやら神刀を呼ぶことはできるようだ。

 「しゃー!」

 蛇は痛みで暴れ出す。蛇は体をくねらせて、地面に刺さった刀から体を抜き取る。

 (ちっ!賢い!)

 蛇が妙な動きをする。

 (何だ?先程とは動きが違う?)

 すると蛇は、俺の頭上を超えて、クリアの方に噛みつきにかかる。

 「きゃあぁぁぁ!」

 (させるかぁぁぁぁぁぁ!)

 ガブッ!蛇が何かを噛む。

 「ぴぃ…ぴぃー!」

 蛇が噛み付いたのはクリアの前に飛び込んだリュートの体だった。

 (よくもやってくれたな!)

 蛇のいる場所の横の地面に刺さっている夢幻白夜に体重をかける。刀がリュートの体重によってギロチンのように振り下ろされ、蛇の首は飛んだ。
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