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第19章 最強の証篇
第222話 勇者王からの手紙
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海底のダンジョン攻略から数週間。コットンが加わった事以外は特に代わり映えのしない生活が続いていた。
そんなある日、俺たちの元へ一通の手紙が届く。
「リュート。手紙が届いたよ」
「手紙?誰からだ」
今日は全員、仕事がなく家に居た。クリアが俺の元へ持ってきた手紙を開封してみる。
「差出人、『ユリウス・ダール』。ユリウスからの手紙のようだな」
一国の国王からの手紙とは、一体どんな内容なのだろうか。手紙の中身はこうだ。
リュートさんへ
この度、ダール王国にて「全ての人々」を対象とした闘技大会を開催しようと思っています。この大会の優勝者には賞金と国宝が与えられます。是非とも感情的な色彩の皆さんにも参加していただきたい。皆さんに出場して頂ければ盛り上がること間違いなしです。
今回の闘技大会はムガ王国やサラマ王国の猛者達だけではなく、地方のまだ名も知らぬ猛者も現れることでしょう。もちろん僕も参加します。リュートさんもいかがですか?「最強」の座を勝ち取りたくはありませんか?一週間後に大会が始まります。皆さんの参戦をお待ちしています。
「との事だ」
俺はみんなにユリウスからの手紙の内容を説明した。
「私はもちろん出場させていただきますわ」
「私もだ」
「わ、私も出現します」
サレナ、ミラ、ルージュの三人は闘技大会に積極的だ。
「うーん。私はどうしようかな…」
「正直戦いに旨味を感じないのよね…」
「我はそんなものに興味は無い」
対するクリア、ローザ、コットンの三人は闘技大会に消極的だ。
「俺も、もちろん参加する。三人は無理に参加する必要は無い。元々あまり戦いは好きじゃないだろ?」
「そうだね。私はみんなを応援することにしようかな」
サレナが何かを考え込む。
(この大会を通せば普段滅多に戦うことのない、クリア様やローザ様と手合わせするチャンスですわ。皆様にも何とか参加していただきたいのですが…。そうですわ!)
「サレナ?どうしたの?」
「クリア様にも、是非参加していただきたいですわ」
「でも、私は…」
「リュート様の一番になりたくはありませんか?」
「!?」
クリアと話を聞いていたローザにも電撃が走る。
「えっと…サレナ?どういう事?」
「この闘技大会は世界から猛者達が集いますわ。つまり、このメンバーで闘技大会で最後まで勝ち残った強き者こそがリュート様に一番ふさわしい妻という事になりますわ」
「「「「!?」」」」
それを聞いた全員の目の色が変わる。
「お、おい?闘技大会でそんなに張り切らなくても…」
みんなを制止しようとするが、どうやらもう遅かったようだ。
「リュートの一番は私だよ」
「いえ、いくらクリア様でも戦いの面では譲れませんわ!」
「私だってリュートに相応しい筈だ!」
「先生にも皆さんにも、負けませんよ」
「どうやら、久しぶりに本気を出さなければいけないようね」
既に全員バチバチだ。サレナにこんな煽りスキルがあるとは驚きだ。
「コットン、お前は?」
「我はご主人様に一番相応しいことを示すいい機会だな!」
コットンも別の方向でやる気なようだ。
「じゃあ全員参加ということでいいのか?」
「「「「「はい」」」」」
「当然だ」
という訳で、何だか大変なことになってしまった。熱が入りすぎて無茶だけはしないように祈る。
こうして、大規模な闘技大会が始まろうとしていた。
そんなある日、俺たちの元へ一通の手紙が届く。
「リュート。手紙が届いたよ」
「手紙?誰からだ」
今日は全員、仕事がなく家に居た。クリアが俺の元へ持ってきた手紙を開封してみる。
「差出人、『ユリウス・ダール』。ユリウスからの手紙のようだな」
一国の国王からの手紙とは、一体どんな内容なのだろうか。手紙の中身はこうだ。
リュートさんへ
この度、ダール王国にて「全ての人々」を対象とした闘技大会を開催しようと思っています。この大会の優勝者には賞金と国宝が与えられます。是非とも感情的な色彩の皆さんにも参加していただきたい。皆さんに出場して頂ければ盛り上がること間違いなしです。
今回の闘技大会はムガ王国やサラマ王国の猛者達だけではなく、地方のまだ名も知らぬ猛者も現れることでしょう。もちろん僕も参加します。リュートさんもいかがですか?「最強」の座を勝ち取りたくはありませんか?一週間後に大会が始まります。皆さんの参戦をお待ちしています。
「との事だ」
俺はみんなにユリウスからの手紙の内容を説明した。
「私はもちろん出場させていただきますわ」
「私もだ」
「わ、私も出現します」
サレナ、ミラ、ルージュの三人は闘技大会に積極的だ。
「うーん。私はどうしようかな…」
「正直戦いに旨味を感じないのよね…」
「我はそんなものに興味は無い」
対するクリア、ローザ、コットンの三人は闘技大会に消極的だ。
「俺も、もちろん参加する。三人は無理に参加する必要は無い。元々あまり戦いは好きじゃないだろ?」
「そうだね。私はみんなを応援することにしようかな」
サレナが何かを考え込む。
(この大会を通せば普段滅多に戦うことのない、クリア様やローザ様と手合わせするチャンスですわ。皆様にも何とか参加していただきたいのですが…。そうですわ!)
「サレナ?どうしたの?」
「クリア様にも、是非参加していただきたいですわ」
「でも、私は…」
「リュート様の一番になりたくはありませんか?」
「!?」
クリアと話を聞いていたローザにも電撃が走る。
「えっと…サレナ?どういう事?」
「この闘技大会は世界から猛者達が集いますわ。つまり、このメンバーで闘技大会で最後まで勝ち残った強き者こそがリュート様に一番ふさわしい妻という事になりますわ」
「「「「!?」」」」
それを聞いた全員の目の色が変わる。
「お、おい?闘技大会でそんなに張り切らなくても…」
みんなを制止しようとするが、どうやらもう遅かったようだ。
「リュートの一番は私だよ」
「いえ、いくらクリア様でも戦いの面では譲れませんわ!」
「私だってリュートに相応しい筈だ!」
「先生にも皆さんにも、負けませんよ」
「どうやら、久しぶりに本気を出さなければいけないようね」
既に全員バチバチだ。サレナにこんな煽りスキルがあるとは驚きだ。
「コットン、お前は?」
「我はご主人様に一番相応しいことを示すいい機会だな!」
コットンも別の方向でやる気なようだ。
「じゃあ全員参加ということでいいのか?」
「「「「「はい」」」」」
「当然だ」
という訳で、何だか大変なことになってしまった。熱が入りすぎて無茶だけはしないように祈る。
こうして、大規模な闘技大会が始まろうとしていた。
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