241 / 529
第16章 手に入れた平和篇
第190話 竜神と剣聖
しおりを挟む
夕暮れのムガ王国近辺の草原に佇む二人の影があった。リュートとサレナだ。クリア、ミラ、ルージュ、ローザの四人はその二人を遠方から見守っていた。
「本当にやるの?」
クリアは二人のことを心配している。
「サレナが覚悟して決めたことだ。私には止められないさ」
「そうですね。きっとサレナさんにとってこの戦いは重要なものなのでしょう」
「私たちは見守りましょう」
四人が見守る中、夕暮れの草原でリュートとサレナは向かい合っている。
「サレナ。本当にやるんだな?」
「はい。本気でお願い致します」
「わかった」
リュートは神刀・夢幻白夜構える。サレナも愛用の剣を抜く。リュート自身、刀の扱いが上手いわけではない。本気を出さなければ、サレナには勝てない。
静かな時間が流れる。一瞬にも永遠にも感じる刹那な時間だ。風邪が吹き、一枚の葉っぱが二人の間に飛んでくる。その葉っぱが地面に落ちた。
「!?」
ガキィン!リュートの目の前にはサレナの刃があった。サレナは一瞬でリュートとの間合いを詰めたのだ。リュートは刀で何とか攻撃を防ぐ。
「速い!流石はサレナだ!」
キィン!キィン!右から左からとサレナの剣戟が飛んでくる。
「まだまだですわ!」
目の前からサレナが消えた。
「貰いましたわ!」
サレナは一瞬で背後に回り込み、既に剣を振りかざしていた。
「!?外した?」
リュートは剣を難なく躱した。まるで、背後にも目がついているようだ。
「はぁ!」
フォン!サレナの頭上でリュートの刀が空を切る。咄嗟にしゃがまなければ当たっていた。
「リュート様。流石ですわ!」
リュートの剣戟が続く。それを全てサレナが剣でいなす。
しばらく、一進一退の攻防が続く。リュートが踏み込めばサレナは切り返し、サレナが踏み込めばリュートが回避する。そんな戦いが続いた。
「二人とも…凄い」
「これが最高峰の剣の戦いか…」
「目で追うのがやっとです…」
「本当に凄いわね…」
あまりの迫力に四人も言葉を失う。
ガキィン!激しく刃がぶつかり、お互いが距離を取る。
「そろそろ本気を出しますわ」
まだ本気じゃなかったのか!リュートは内心そんなことを思っていた。
「白き剣聖の名の元に、剣よ顕現せよ」
サレナの魔法武器が現れ、サレナは二刀流になった。
「行きますわ!」
ガギィン!先程までとは比べ物にならない速度と威力の剣戟が繰り出される。リュートは防戦一方になる。
「くっ!」
「リュート様!この戦いで私に自信をくださいませ!」
ガギィン!ガキィン!ますます攻撃が激しくなり、リュートはジリジリと後退をさせられる。しかし、リュートは一瞬の隙も見逃さない。二本の剣がもう一度振りかざされるまでの僅かな時間に隙があった。
「ここだ!」
剣戟の間をすり抜けるようにリュートの刀がサレナに向かう。
「私の勝ちですわ」
次の瞬間、リュートの右角が切れ落ちたのだった。
「本当にやるの?」
クリアは二人のことを心配している。
「サレナが覚悟して決めたことだ。私には止められないさ」
「そうですね。きっとサレナさんにとってこの戦いは重要なものなのでしょう」
「私たちは見守りましょう」
四人が見守る中、夕暮れの草原でリュートとサレナは向かい合っている。
「サレナ。本当にやるんだな?」
「はい。本気でお願い致します」
「わかった」
リュートは神刀・夢幻白夜構える。サレナも愛用の剣を抜く。リュート自身、刀の扱いが上手いわけではない。本気を出さなければ、サレナには勝てない。
静かな時間が流れる。一瞬にも永遠にも感じる刹那な時間だ。風邪が吹き、一枚の葉っぱが二人の間に飛んでくる。その葉っぱが地面に落ちた。
「!?」
ガキィン!リュートの目の前にはサレナの刃があった。サレナは一瞬でリュートとの間合いを詰めたのだ。リュートは刀で何とか攻撃を防ぐ。
「速い!流石はサレナだ!」
キィン!キィン!右から左からとサレナの剣戟が飛んでくる。
「まだまだですわ!」
目の前からサレナが消えた。
「貰いましたわ!」
サレナは一瞬で背後に回り込み、既に剣を振りかざしていた。
「!?外した?」
リュートは剣を難なく躱した。まるで、背後にも目がついているようだ。
「はぁ!」
フォン!サレナの頭上でリュートの刀が空を切る。咄嗟にしゃがまなければ当たっていた。
「リュート様。流石ですわ!」
リュートの剣戟が続く。それを全てサレナが剣でいなす。
しばらく、一進一退の攻防が続く。リュートが踏み込めばサレナは切り返し、サレナが踏み込めばリュートが回避する。そんな戦いが続いた。
「二人とも…凄い」
「これが最高峰の剣の戦いか…」
「目で追うのがやっとです…」
「本当に凄いわね…」
あまりの迫力に四人も言葉を失う。
ガキィン!激しく刃がぶつかり、お互いが距離を取る。
「そろそろ本気を出しますわ」
まだ本気じゃなかったのか!リュートは内心そんなことを思っていた。
「白き剣聖の名の元に、剣よ顕現せよ」
サレナの魔法武器が現れ、サレナは二刀流になった。
「行きますわ!」
ガギィン!先程までとは比べ物にならない速度と威力の剣戟が繰り出される。リュートは防戦一方になる。
「くっ!」
「リュート様!この戦いで私に自信をくださいませ!」
ガギィン!ガキィン!ますます攻撃が激しくなり、リュートはジリジリと後退をさせられる。しかし、リュートは一瞬の隙も見逃さない。二本の剣がもう一度振りかざされるまでの僅かな時間に隙があった。
「ここだ!」
剣戟の間をすり抜けるようにリュートの刀がサレナに向かう。
「私の勝ちですわ」
次の瞬間、リュートの右角が切れ落ちたのだった。
0
お気に入りに追加
896
あなたにおすすめの小説
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜
雅
ファンタジー
【HOTランキング入り!】【ファンタジーランキング入り!】
【次世代ファンタジーカップ参加】応援よろしくお願いします。
異世界転移し創造神様から【創造眼】の力を授かる主人公あさひ!
そして、あさひの精神世界には女神のような謎の美女ユヅキが現れる!
転移した先には絶世の美女ステラ!
ステラとの共同生活が始まり、ステラに惹かれながらも、強くなる為に努力するあさひ!
勇者は神眼、魔王は魔眼を持っているだと?
いずれあさひが無双するお話です。
二章後半からちょっとエッチな展開が増えます。
あさひはこれから少しずつ強くなっていきます!お楽しみください。
ざまぁはかなり後半になります。
小説家になろう様、カクヨム様にも投稿しています。
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!
夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!!
国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。
幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。
彼はもう限界だったのだ。
「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」
そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。
その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。
その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。
かのように思われた。
「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」
勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。
本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!!
基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。
異世界版の光源氏のようなストーリーです!
……やっぱりちょっと違います笑
また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)
追憶の刃ーーかつて時空を飛ばされた殺人鬼は、記憶を失くし、200年後の世界で学生として生きるーー
ノリオ
ファンタジー
今から約200年前。
ある一人の男が、この世界に存在する数多の人間を片っ端から大虐殺するという大事件が起こった。
犠牲となった人数は千にも万にも及び、その規模たるや史上最大・空前絶後であることは、誰の目にも明らかだった。
世界中の強者が権力者が、彼を殺そうと一心奮起し、それは壮絶な戦いを生んだ。
彼自身だけでなく国同士の戦争にまで発展したそれは、世界中を死体で埋め尽くすほどの大惨事を引き起こし、血と恐怖に塗れたその惨状は、正に地獄と呼ぶにふさわしい有様だった。
世界は瀕死だったーー。
世界は終わりかけていたーー。
世界は彼を憎んだーー。
まるで『鬼』のように残虐で、
まるで『神』のように強くて、
まるで『鬼神』のような彼に、
人々は恐れることしか出来なかった。
抗わず、悲しんで、諦めて、絶望していた。
世界はもう終わりだと、誰もが思った。
ーー英雄は、そんな時に現れた。
勇気ある5人の戦士は彼と戦い、致命傷を負いながらも、時空間魔法で彼をこの時代から追放することに成功した。
彼は強い憎しみと未練を残したまま、英雄たちの手によって別の次元へと強制送還され、新たな1日を送り始める。
しかしーー送られた先で、彼には記憶がなかった。 彼は一人の女の子に拾われ、自らの復讐心を忘れたまま、政府の管理する学校へと通うことになる。
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?
わんた
ファンタジー
DVの父から母を守って死ぬと、異世界の住民であるイオディプスの体に乗り移って目覚めた。
ここは、男女比率が1対99に偏っている世界だ。
しかもスキルという特殊能力も存在し、イオディプスは最高ランクSSのスキルブースターをもっている。
他人が持っているスキルの効果を上昇させる効果があり、ブースト対象との仲が良ければ上昇率は高まるうえに、スキルが別物に進化することもある。
本来であれば上位貴族の夫(種馬)として過ごせるほどの能力を持っているのだが、当の本人は自らの価値に気づいていない。
贅沢な暮らしなんてどうでもよく、近くにいる女性を幸せにしたいと願っているのだ。
そんな隙だらけの男を、知り合った女性は見逃さない。
家で監禁しようとする危険な女性や子作りにしか興味のない女性などと、表面上は穏やかな生活をしつつ、一緒に冒険者として活躍する日々が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる