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第16章 手に入れた平和篇
第189話 誰が為に
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モンスターの素材を売り払った後、自宅に帰宅する。
「ただいま戻りました」
俺達が帰ってきてしばらく経って、ルージュが帰宅した。
「お帰りルージュ」
「ルージュ、魔法の研究はどうだったの?」
「はい。それはもう素晴らしく、とても有意義な時間でしたよ!」
ルージュは楽しそうに今日の研究成果を話し始めた。
ルージュは凄い。魔法の研究が趣味なのだ。俺の世界で言ったら勉強が趣味と言っているようなものだ。本当にすごいことだと思う。
そんなことを話していると誰かが帰宅したようだ。
「今、戻った」
ミラが訓練から帰ってきた。
「お疲れ、ミラ」
「いや、私が好きでやっていることだ」
すると、最後の一人も帰宅した。
「ただいま戻りましたわ」
サレナも帰ってきた。
「サレナもお疲れ」
「まだまだこれからですわ」
世界は平和になった。しかし、二人は強くなることをやめない。彼女たちにはそれ程までに成し遂げたい目標があるのだろう。
「なぁ。二人はずっと訓練を続けるのか?」
するとミラとサレナは、
「そうだな…私が自分の満足するまで辞める気は無い」
「私は、目標を成し遂げたら剣を手放したいと思っていますわ」
サレナの成し遂げたい目標。未だに姿を現さない、謎の一つ目の巨人に復讐することだろう。復讐をすることはあまり良いこととは言えない。だが、それがサレナの望みなら叶えてやるのが男というものだろう。
正直に言うと、俺はみんなを戦いに巻き込みたくないと思ってしまっている。これまでの戦いでも何度もみんなを危険な目に合わせてきたかわからない。これから戦いが起こるとすれば、これまでの戦いとは比べ物にならないほどの大規模な戦いになると思う。俺はみんなを守りきることが出来るだろうか。
「リュート様?」
「あぁ…すまない。考え事をしていた」
「リュート様。折り入って頼たいことがありますわ」
「何だ?改まって?」
何時になく真面目な目をしたサレナに、こちらにも緊張がはしる。
「リュート様。私の本気の剣と戦ってくださいませんか?」
そんなことを言われるとは予想もしていなかった。少し驚いたが、サレナなりの考えがあっての発言だということは重々承知している。
「どうして、急に?」
「はい。私は皆様を守るため、終いにはリュート様をも守る。そんな力が欲しいのです。私はリュート様が世界で一番強いお方だと信じておりますわ。ですので、本気のリュート様と手合わせがしたいのです」
サレナは自分の為だけではなく、みんなの為に力が欲しいと言った。誇り高き願いを俺が無下にする訳には行かない。
「わかった。やろう」
「ありがとうございます。リュート様」
こうして、サレナとリュートによる戦いが幕を開けようとしていた。
「ただいま戻りました」
俺達が帰ってきてしばらく経って、ルージュが帰宅した。
「お帰りルージュ」
「ルージュ、魔法の研究はどうだったの?」
「はい。それはもう素晴らしく、とても有意義な時間でしたよ!」
ルージュは楽しそうに今日の研究成果を話し始めた。
ルージュは凄い。魔法の研究が趣味なのだ。俺の世界で言ったら勉強が趣味と言っているようなものだ。本当にすごいことだと思う。
そんなことを話していると誰かが帰宅したようだ。
「今、戻った」
ミラが訓練から帰ってきた。
「お疲れ、ミラ」
「いや、私が好きでやっていることだ」
すると、最後の一人も帰宅した。
「ただいま戻りましたわ」
サレナも帰ってきた。
「サレナもお疲れ」
「まだまだこれからですわ」
世界は平和になった。しかし、二人は強くなることをやめない。彼女たちにはそれ程までに成し遂げたい目標があるのだろう。
「なぁ。二人はずっと訓練を続けるのか?」
するとミラとサレナは、
「そうだな…私が自分の満足するまで辞める気は無い」
「私は、目標を成し遂げたら剣を手放したいと思っていますわ」
サレナの成し遂げたい目標。未だに姿を現さない、謎の一つ目の巨人に復讐することだろう。復讐をすることはあまり良いこととは言えない。だが、それがサレナの望みなら叶えてやるのが男というものだろう。
正直に言うと、俺はみんなを戦いに巻き込みたくないと思ってしまっている。これまでの戦いでも何度もみんなを危険な目に合わせてきたかわからない。これから戦いが起こるとすれば、これまでの戦いとは比べ物にならないほどの大規模な戦いになると思う。俺はみんなを守りきることが出来るだろうか。
「リュート様?」
「あぁ…すまない。考え事をしていた」
「リュート様。折り入って頼たいことがありますわ」
「何だ?改まって?」
何時になく真面目な目をしたサレナに、こちらにも緊張がはしる。
「リュート様。私の本気の剣と戦ってくださいませんか?」
そんなことを言われるとは予想もしていなかった。少し驚いたが、サレナなりの考えがあっての発言だということは重々承知している。
「どうして、急に?」
「はい。私は皆様を守るため、終いにはリュート様をも守る。そんな力が欲しいのです。私はリュート様が世界で一番強いお方だと信じておりますわ。ですので、本気のリュート様と手合わせがしたいのです」
サレナは自分の為だけではなく、みんなの為に力が欲しいと言った。誇り高き願いを俺が無下にする訳には行かない。
「わかった。やろう」
「ありがとうございます。リュート様」
こうして、サレナとリュートによる戦いが幕を開けようとしていた。
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