異世界を統べるのは人ではなく竜だ

第15章 帝国決戦篇

第183話 新たな生命

　「わ、私は一体」

　リュートとソーマの手によってイノセンスは新たな生命体に生まれ変わった。

　「君は新しく生まれ変わったんだ。ニュー･イノセンス」

　「これで、解決かな？」

　「そうはいかないだろう」

　グラグラ！城が揺れ始める。

　「何が起こっている？」

　「制御端末を失った城が暴走している」

　「取り敢えず、脱出しよう」

　「ニューイノセンスは私が」

　リュートとニューイノセンスをおんぶしたソーマはナバル城から脱出する。

　「リュート！」

　「ソーマ様の後ろにいるお方は？」

　「一体何が起こったんだ？」

　城の外には先に脱出していた感情的な色彩のメンバー全員が待っていた。

　「あぁ、実は…」

　リュートは城の中で起こった出来事を一部始終話した。

　「なるほど」

　「そんなことが…」

　そうこうしている間に、城が周囲の建物を吸収しながら、人型に変形していく。

　「随分巨大化したな」

　「そうですね、後はあの兵器を破壊すれば全てが終わります」

　「よし、みんな行くぞ！」

　「「「「「了解！」」」」」

　感情的な色彩全員で城の破壊活動を始める。

　ゴゴゴゴゴ！城が巨大な腕をこちらに向けて伸ばしてくる。あの質量に潰されたら一溜りもないだろう。

　「みんなには触れさせない！重力操作グラヴィティプロセス･重固定フリーズ！」

　ぴたっ！ナバル城の動きが止まる。重力がナバル城に纏まり付いた。

　「良くやったクリア！私も続く！」

　ミラが弓を構える。

　「今回はあまり活躍できなかった。だが、ここでその分は取り返す！」

　無数の矢が空中から降り注ぎ、ナバル城に突き刺さる。

　「雷鳴狩りライトニング･ハント！」

　バリバリバリ！高圧の電流がナバル城を伝う。

　「内部からズタズタにしてやるわ！形なき魔器ノーデモンズ･槍形態ランスモード！」

　ローザが投擲した槍が、ナバル城に突き刺さる。槍は内部へ伸び、拡散して内部から破壊する。

　「私の本気、見せて差し上げますわ。白聖魔大剣ホーリーブレイド！」

　巨大な大剣を振りかぶる。

　「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！白き地平線ホワイト･ライン！」

　横薙ぎの斬撃が飛んでいき、ナバル城は真っ二つになる。

　「私が終わらせます！」

　ルージュが杖を構える。

　「炎魔法･最終式。堕ちる太陽フォール･オブ･サン！」

　真っ赤に燃える巨大な炎の玉がナバル城に堕ちる。炎がナバル城が焼き尽くす。

　「どうですか？」

　しかし、ナバル城はあっという間に再生を始める。

　「俺がトドメを指す」

　リュートがみんなの前に出たのだった。