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第2章 竜の暮らし篇

第19話 海岸

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 飛行して、直ぐに海にたどり着いた。この世界の海はゴミとか不純物があまりないのだろう。透き通った水が太陽光を反射していて眩しい。間違いなく、地球では見ることの出来ない絶景だろう。あまり景色に興味の無い俺が感動するのだから相当だ。

 「うわー 綺麗…」

 クリアは初めて近くで見た海に感動しているようだ。「クリアの方が綺麗だ」と、クサいセリフを吐きそうになったが、ギリギリの所で踏みとどまる。

 それにしても、ダンジョンはどこにあるのだろうか。クリアを浜辺に置いて少し上空から探してみることにした。

 空高く飛び上がり、辺りを見渡す。すると、沖の方に何隻かの船が向かっている、明らかに怪しい島のようなものを発見した。多分あそこがダンジョンだろう。

 ダンジョンを発見したのでクリアのところに戻ると、クリアが男3人に囲まれていた。またか。またなのか。

 「あのー…。すみませんが間に合ってますので」

 「間に合ってるって?相手は?」

 「近くにいないじゃないか」

 「俺たちの方がいいだろ?」

 うわー。またまたテンプレだ。それにしてもクリアはよく絡まれる。魅了にはそういう効果もあるのか? 俺が守らなくては。

 俺はクリアの元に降りた。

 「あっ!リュート!戻ってきた!」

 「えっ?相手ってドラゴン?」

 「こんなやつのどこがいいんだよ」

 「この女そういう趣味か?」

 相手がドラゴンで悪かったな。クリアはこんな俺を好いてくれる俺にはもったいない、いい女だよ。そんなこともわからないのようなこいつらに、クリアは釣り合わないにも程がある。クリア、やっておしまいなさい。

 「ここは街じゃないしクリア、やっていいぞ」

 「了解。リュート」

 「重力操作」

 「何ぃ?」

 「何だこの力は!」

 「飛ぶ!飛ばされる!」

 「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」

 そしてナンパ男三人組は、どこか彼方に飛んで行った。南無三。

 「悪いなクリア。俺が一人にしたから」

 「いいの。リュートはこうして助けに来てくれた訳だし」

 そう言うと、クリアは俺に抱きついてきた。あー柔らかい。そして、可愛い。いやいやこうしている場合では無い。ダンジョンを発見したのだ。

 「クリア、あの島にダンジョンがある」

 「わかった。行こうよリュート」

 「よし、向かおう」

 クリアを背中に乗せて俺は島に向かって飛んだ。
 
 あの島には一体どんなダンジョンがあるのだろうか。まだ見ぬ強敵にワクワクしている自分がいる。どうやら俺はだいぶ好戦的な性格になったようだ。自分の変化に驚いた。

 そして俺たちは、島のダンジョンに足を踏み入れるのだった。
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