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一攫千金の国『ベガ・ラグナス編』

プロローグ 鬼族の少女と老吸血鬼の深夜の密会現場

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「さぁ、ルル。今夜も……いいね?」
「はい……ベガ様」

 ──現在時刻、深夜0時5分。場所は地下と思われる薄暗い大きな部屋。

 そこにはルルと呼ばれた小柄な鬼族の少女が一人。髪の毛は桃色ピンクで、長さは首筋が見えるほど短くカットされている。左右の頭部から小さな黒い角が二本ほど上を向いて出ているのが分かる。着用している衣服の生地は薄く、水色のネグリジェのように見える。

 その隣には、痩せぎすの吸血鬼族の男がいた。長身で体格の良い体つきに灰色グレーに近い白髪頭。肌は血管が浮き上がるほど色白で、頬がゲッソリとこけている。唇は不健康そうな青紫色をしており、吸血鬼特有の鋭利な牙が少し顔を出していました。その男を守るように黒服たちも複数人いました。

 ベガと呼ぶ男の指示に、ルルと呼ばれた少女は従う。そして椅子に腰を掛けた少女は物陰からヌルっと現れた黒服たちによって拘束されていった。

 両手両足を革のベルトで絞められる。ベルトには謎の電気のコードが繋がっていて、その先には巨大な機械がそびえ立っている。少女の頭部には鉄感丸出しの薄気味悪いヘルメットがかぶせられた。

 その光景は、まるで『電気椅子に座らされた少女』である。

「やれ」

 ベガが冷淡に言う。すると黒服が壁に設置されているレバーのような鉄の棒を上から下にガチャっと落とした。すると一瞬だが少女の周りに火花が飛び散り、それがだんだん強くなっていく。

 ビリビリッ! バリバリバリッ! ビリリリリリ! バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリッッッッッ!

 ものすごい電気が流れる音が響き渡いた。同時に少女の悲鳴が上がる。

「ひぎぃッ!! あぁんっ、ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

「素晴らしい! もっと、もっとだ! ルル!」

 吸血鬼族の男は恍惚こうこつな笑みで、鬼族の少女をじっと眺めていた──。
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