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第33話 祝賀会と女神の裁定
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「では、第6聖女エリスの健闘を讃えて。女神に感謝を。乾杯」
あの陰険な司教は陰険な顔のまま言った。
「乾杯! 女神に感謝を!」
そして、みんなは一斉に言った。
祝賀パーティだった。
集まったのはシュレイグの作戦に関わった教会騎士団、教会関係者、そして聖女のみんな。それから、他の聖女もたくさんだった。
エリスの健闘を讃えるとともに、シュレイグの作戦の慰労会もかねているらしい。
食堂のテーブルにはさまざまな肉の塊だの、大皿に乗った炒め物だの、馬鹿でかい鍋に入ったスープだのが並んでいた。
そして、みんな思い思いに料理を取っては楽しくしゃべりながら食事にいそしんでいた。
「おめでとうエリスちゃん! でも気をつけて。あの冠はもらえばもらうほど仕事を呼び寄せる不吉アイテムなのよぉ」
「あ、アルメア様。『讃美の冠』をあまりそのように言うのは...」
「事実なのよ、ディアナちゃん」
エリスの横に来たアルメアは恐ろしい真顔で言った。
本当の真実を言う人間の顔だった。
あまりの迫力にディアナもエリスも何も言えなかった。
「まぁでもそんなことより楽しみましょう! みんな頑張ったし! エリスちゃんはその中でも本当に頑張ったわ!」
「ありがとうございます、アルメア様」
エリスは笑顔で返した。
「飲めや歌えや! 大騒ぎよ! ウハハハハ!!」
「アルメア殿! お控えください!」
司教に咎められるアルメアはもう相当に出来上がっていた。
両手にはビール的な飲み物がなみなみ注がれたジョッキがあった。
「よぉ、エリス。大活躍だったみたいだな!」
「ジョージ! 来てくれたんですか」
「宴があると聞けば、赤の他人のでも駆けつける人間だぜ俺は」
ニワトリの人獣のジョージはなんだかゴロゴロした芋がいっぱい刺さった串を持っていた。
ジョージも楽しんでいるらしい。
「いやぁ、まさかここまで活躍するとは思ってなかったぞ。お手柄じゃねぇか。昔から知ってる身としては鼻がたけぇぞ」
「ありがとうございます、ジョージ」
「エンリケを引き渡したクロイツェンはこの仲の悪さなのに感謝の電報をよこしたって言うじゃねぇか。本当にお手柄だぜ」
エンリケは今クロイツェン帝国に引き渡され、あちらで沙汰を待つ身らしかった。
そういう形であの作戦は終わったのだ。
「だが、良いこと続きな時に意外なドジを踏むのがお前だ。あの春祭りの時だって...」
「ジョージ! その話はここではやめてください!」
エリスは顔を真っ赤にして言った。
俺としては気になるところだったがジョージはそれ以上は言わずにケタケタ笑って自分の席に戻って行った。
それからもいろんな人がエリスに親しげに話しかけてくれた。
エリスがこんなに祝福されている。
それだけで俺は温かい気分だった。
俺も霊薬をチビチビやりながらその光景を眺めていた。
「楽しいなエリス」
「はい、本当に!」
横のディアナが良い、エリスは答えた。
エリスを知った人たちが、みんな本当に楽しそうに宴をしている。
みんな楽しそうに会話をしている、楽しそうに食事をしている、楽しそうに酒を飲んで踊ったりしている。
楽団の音楽が響き、これでもかというほど賑やかだった。
「また、こんな風に楽しいことがしたいです」
「またできるさ。これから何度だってな。お前の活躍次第だぞ」
「ふふ、頑張ります!」
エリスは楽しそうだった。ディアナもだった。
この空間には今楽しさが満ち溢れていた。
その中にエリスがいる。
俺はそれだけで嬉しかった。
「第9聖女クララ! エリスさんの活躍を祝って歌います!!!!」
「お、良いぞ!」
「待ってました!!」
楽団に合わせて歌声が響く。
楽しい時間が続いていく。
食事の匂いと人々の声が響く。
エリスが笑っている。
俺はそれをはにかみながら眺めていた。
「おめでとう、そしておめでとう」
「出たな」
そして、その晩。俺は夢を見ていた。
夢というか、女神空間だった。
目の前にはザ・女神みたいな格好の女神がいる。
なんの用なのか。俺は祝賀会を終えて良い気分で睡眠に入ったのが。
「どうやら、目的を達成したようですね」
「なんだと?」
目的? そうか、俺がこうして守護者になったその理由か。
「行けば分かる」とか絶対わからなさそうなことを言って送り出されたがやっぱりわからばかったのだ。
それを今更目的達成だと?
「悩める第6聖女エリス。その道筋を照らすのがあなたの役割だったのです。おめでとう、そして.........おめでとう」
無意味に溜めて女神はおめでとうを連呼する。
なんか腹が立つ。
なるほど、それが俺が転生した理由だったのか。
どことなくサイコパスっぽかったが一応神として迷える人々を導く気はあったのか。
「というか、エンリケみたいなやつを生み出しながらエリスを助けるってお前は悪魔か?」
「聖女聖人の選定は完全ランダムで私の感知するところではないのです。私も心を痛めていたところです。それはそれとして悪魔呼ばわりをしたことは決して忘れません。震えなさい」
そういう話らしい。神とか言いながら若干不完全さがある気がする。
だがしかし、会話の流れが少し不穏だ。だって目的が達成されたということは。
「もしかして、俺の役目は終わりなのか?」
そういう話ではないのか。
目的があって、それが終わったのだ。
ならお役御免になるのが流れとしては自然な気がしてしまう。
自分でそう言って、すごく寂しいのがわかった。
あり得ないはずの第二の生。それがもらえただけで相当幸せで、それ以上望むのは無理があるとしても、やはり寂しさは拭えなかった。
「ほほぉ、守護者マコトはその役目を終え、現世から撤退すると。私はそうさせる気だと」
「あ、ああ。もしかしてと思って」
「ファイナルアンサー?」
「古いんだよ」
いちいち若干いらつくんだよこの女神。
「ドゥルルルルルルルルルルルル」
自分でドラムロールまで入れやがる。
だが、この待ち時間は俺をどんどんドキドキさせた。
その答えがもし、俺の思った通りなら。
だが、本来あり得ないことだったのだ。
もし、そうならば大人しく受け入れるしかないのだ。
「ドゥルルルルルルルル、ダンッ!!!」
そして、答えが言われる。
「B!!!」
「めんどくさいんだよあんた!!!」
「それは冗談です。さて、どうやら新しいクエストが発生したようですね」
「なに?」
「クエスト内容は『第6聖女エリスとともに人々を救う』。なるほど、なかなか骨が折れそうです」
「な、なんだって? なら俺は....」
つまりそれは。
「おっと、ここでお時間。それではまた来週!!!」
「めんどくさい! めんどくさいよあんた!!!」
そして、俺は俺の意識が徐々に覚醒していくのが分かった。
「ん、朝か....」
「おはようございます! マコト様!」
朝だった。
柔らかな日差しが窓から差し込んでいる。
いつもと同じ朝だった。
それはつまり、これからもこの日々が続くということだった。
「なんだ、良かった」
「? どうしました? マコト様」
「いや、こっちの問題...おぉう....」
俺は一瞬にして胸元がはだけているエリスから目を逸らした。
これもいつものこと。
「ふふ、不思議なマコト様」
「そうかな」
適当に相槌を打つ。
そうか。これからもこういった日常が続いていくらしかった。
あの陰険な司教は陰険な顔のまま言った。
「乾杯! 女神に感謝を!」
そして、みんなは一斉に言った。
祝賀パーティだった。
集まったのはシュレイグの作戦に関わった教会騎士団、教会関係者、そして聖女のみんな。それから、他の聖女もたくさんだった。
エリスの健闘を讃えるとともに、シュレイグの作戦の慰労会もかねているらしい。
食堂のテーブルにはさまざまな肉の塊だの、大皿に乗った炒め物だの、馬鹿でかい鍋に入ったスープだのが並んでいた。
そして、みんな思い思いに料理を取っては楽しくしゃべりながら食事にいそしんでいた。
「おめでとうエリスちゃん! でも気をつけて。あの冠はもらえばもらうほど仕事を呼び寄せる不吉アイテムなのよぉ」
「あ、アルメア様。『讃美の冠』をあまりそのように言うのは...」
「事実なのよ、ディアナちゃん」
エリスの横に来たアルメアは恐ろしい真顔で言った。
本当の真実を言う人間の顔だった。
あまりの迫力にディアナもエリスも何も言えなかった。
「まぁでもそんなことより楽しみましょう! みんな頑張ったし! エリスちゃんはその中でも本当に頑張ったわ!」
「ありがとうございます、アルメア様」
エリスは笑顔で返した。
「飲めや歌えや! 大騒ぎよ! ウハハハハ!!」
「アルメア殿! お控えください!」
司教に咎められるアルメアはもう相当に出来上がっていた。
両手にはビール的な飲み物がなみなみ注がれたジョッキがあった。
「よぉ、エリス。大活躍だったみたいだな!」
「ジョージ! 来てくれたんですか」
「宴があると聞けば、赤の他人のでも駆けつける人間だぜ俺は」
ニワトリの人獣のジョージはなんだかゴロゴロした芋がいっぱい刺さった串を持っていた。
ジョージも楽しんでいるらしい。
「いやぁ、まさかここまで活躍するとは思ってなかったぞ。お手柄じゃねぇか。昔から知ってる身としては鼻がたけぇぞ」
「ありがとうございます、ジョージ」
「エンリケを引き渡したクロイツェンはこの仲の悪さなのに感謝の電報をよこしたって言うじゃねぇか。本当にお手柄だぜ」
エンリケは今クロイツェン帝国に引き渡され、あちらで沙汰を待つ身らしかった。
そういう形であの作戦は終わったのだ。
「だが、良いこと続きな時に意外なドジを踏むのがお前だ。あの春祭りの時だって...」
「ジョージ! その話はここではやめてください!」
エリスは顔を真っ赤にして言った。
俺としては気になるところだったがジョージはそれ以上は言わずにケタケタ笑って自分の席に戻って行った。
それからもいろんな人がエリスに親しげに話しかけてくれた。
エリスがこんなに祝福されている。
それだけで俺は温かい気分だった。
俺も霊薬をチビチビやりながらその光景を眺めていた。
「楽しいなエリス」
「はい、本当に!」
横のディアナが良い、エリスは答えた。
エリスを知った人たちが、みんな本当に楽しそうに宴をしている。
みんな楽しそうに会話をしている、楽しそうに食事をしている、楽しそうに酒を飲んで踊ったりしている。
楽団の音楽が響き、これでもかというほど賑やかだった。
「また、こんな風に楽しいことがしたいです」
「またできるさ。これから何度だってな。お前の活躍次第だぞ」
「ふふ、頑張ります!」
エリスは楽しそうだった。ディアナもだった。
この空間には今楽しさが満ち溢れていた。
その中にエリスがいる。
俺はそれだけで嬉しかった。
「第9聖女クララ! エリスさんの活躍を祝って歌います!!!!」
「お、良いぞ!」
「待ってました!!」
楽団に合わせて歌声が響く。
楽しい時間が続いていく。
食事の匂いと人々の声が響く。
エリスが笑っている。
俺はそれをはにかみながら眺めていた。
「おめでとう、そしておめでとう」
「出たな」
そして、その晩。俺は夢を見ていた。
夢というか、女神空間だった。
目の前にはザ・女神みたいな格好の女神がいる。
なんの用なのか。俺は祝賀会を終えて良い気分で睡眠に入ったのが。
「どうやら、目的を達成したようですね」
「なんだと?」
目的? そうか、俺がこうして守護者になったその理由か。
「行けば分かる」とか絶対わからなさそうなことを言って送り出されたがやっぱりわからばかったのだ。
それを今更目的達成だと?
「悩める第6聖女エリス。その道筋を照らすのがあなたの役割だったのです。おめでとう、そして.........おめでとう」
無意味に溜めて女神はおめでとうを連呼する。
なんか腹が立つ。
なるほど、それが俺が転生した理由だったのか。
どことなくサイコパスっぽかったが一応神として迷える人々を導く気はあったのか。
「というか、エンリケみたいなやつを生み出しながらエリスを助けるってお前は悪魔か?」
「聖女聖人の選定は完全ランダムで私の感知するところではないのです。私も心を痛めていたところです。それはそれとして悪魔呼ばわりをしたことは決して忘れません。震えなさい」
そういう話らしい。神とか言いながら若干不完全さがある気がする。
だがしかし、会話の流れが少し不穏だ。だって目的が達成されたということは。
「もしかして、俺の役目は終わりなのか?」
そういう話ではないのか。
目的があって、それが終わったのだ。
ならお役御免になるのが流れとしては自然な気がしてしまう。
自分でそう言って、すごく寂しいのがわかった。
あり得ないはずの第二の生。それがもらえただけで相当幸せで、それ以上望むのは無理があるとしても、やはり寂しさは拭えなかった。
「ほほぉ、守護者マコトはその役目を終え、現世から撤退すると。私はそうさせる気だと」
「あ、ああ。もしかしてと思って」
「ファイナルアンサー?」
「古いんだよ」
いちいち若干いらつくんだよこの女神。
「ドゥルルルルルルルルルルルル」
自分でドラムロールまで入れやがる。
だが、この待ち時間は俺をどんどんドキドキさせた。
その答えがもし、俺の思った通りなら。
だが、本来あり得ないことだったのだ。
もし、そうならば大人しく受け入れるしかないのだ。
「ドゥルルルルルルルル、ダンッ!!!」
そして、答えが言われる。
「B!!!」
「めんどくさいんだよあんた!!!」
「それは冗談です。さて、どうやら新しいクエストが発生したようですね」
「なに?」
「クエスト内容は『第6聖女エリスとともに人々を救う』。なるほど、なかなか骨が折れそうです」
「な、なんだって? なら俺は....」
つまりそれは。
「おっと、ここでお時間。それではまた来週!!!」
「めんどくさい! めんどくさいよあんた!!!」
そして、俺は俺の意識が徐々に覚醒していくのが分かった。
「ん、朝か....」
「おはようございます! マコト様!」
朝だった。
柔らかな日差しが窓から差し込んでいる。
いつもと同じ朝だった。
それはつまり、これからもこの日々が続くということだった。
「なんだ、良かった」
「? どうしました? マコト様」
「いや、こっちの問題...おぉう....」
俺は一瞬にして胸元がはだけているエリスから目を逸らした。
これもいつものこと。
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