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第24話 エリス対エンリケ
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「いってぇなクソが」
目の前の男、エンリケ・オーハイムは言った。
守護者の影の力だろうか。顔以外が真っ黒な影のようなものでコーティングされている。
俺の拳はそれなりに直撃したはずだがダメージはあまりなさそうだった。
「エンリケ・オーハイム!!」
エリス含めた後衛組は瞬時に戦闘態勢に入った。
遠くではドラゴンとアルメアが戦う轟音が聞こえる。
エンリケはドラゴンに前衛の半分を押し付けることでここまで逃げてきたのか。
距離から考えると逃げ足はかなりの速度だ。
「ちっ、ここにもいやがるのか。何人で来たんだてめーら」
ぼさぼさの髪、影に覆われているがぼろい服装なのが分かる。そして、その目は真っ暗だった。これが人を殺した凶悪犯の顔なのか。
「50人体制だ。お前はここで捕える」
「50人!? 大した扱いだなおい。ちょっと金庫破りして16、いや7か。そんだけ殺しただけだろうが」
「黙れイカれ野郎。もう自分がしたことの大きささえよく分からなくなってんだな」
目の前の男は自分がしたことをもう大したことだと思っていないらしい。
度重なる銀行の襲撃、たくさんの人殺し。それをいろんな国を渡りながらやってきたのだ。
恐ろしいやつだ。生前俺はこんな本物の悪党に会ったことはない。背筋が冷えるのを感じた。
「とにかくお前は捕える。もうじきディアナと他の陣営もこっちに来る。街の外にも兵士が張ってる。もう諦めるんだな」
「くそめんどくせぇことになってんじゃねぇか。やるしかねぇか」
そう言うとエンリケの両手の爪が刃物のように鋭くなった。
そして、エンリケが足元を強く踏みつける。
「伸びろ」
すると、エンリケの足元、その影が大きく広がった。俺たちの足元にも迫る。
「下がれ!!」
「はい!」
陣営の全員が後ろに飛んでその伸びる影を回避する。
「懸命な判断だな。そら!」
エンリケがもう一度影を踏みつける。
すると、
「これがこいつの守護者の能力か!」
影から巨大な杭が何本も突き出して、俺たちの後方の家屋をぶち抜いたのだ。
影の立体化、及び武器化、エンリケの守護者、『スペクター』の能力だ。
「うらぁっ!!!」
俺は伸びてくる食いの一本を殴り飛ばす。
イザベラも守護者の力でエンリケに攻撃する。
ミリアも守護者で俺たちにバフをかけてくれた。体が軽く、力強くなるのを感じる。
「くそが! 厄日だ! こんだけの量で来るなんざ。やり過ぎたか」
エンリケはぶつくさと言いながら影から次々と武器を立体化させてくる。
杭を、剣を、槍を、斧を、大きなムチを。それらが縦横無尽に俺たちに襲いかかってくる。
「すごいぞこれは!」
「つ、強い!!」
俺とエリスは驚愕だった。
聖女3人と魔法使い4人。エンリケは1人でそれらと渡り合っている。
どうしようもない悪党だが、その強さは確かなようだ。
だが、
「マコト様!」
「ああ、でも俺たちの距離に入れば勝てる!」
俺の守護者としての勘と訓練の日々が告げている。間合いにさえ入れれば、まず間違いなく俺たちが勝てると。
それだけの自信がもう俺たちにはあった。
「うらぁっ!!!」
俺は地面をぶん殴る。地面が砕けて、いくつもの土の塊が隆起する。
「なんだ?」
エンリケが疑問の声をあげたのが聞こえた。
俺はそのまま土塊を全部まとめて持ち上げる。
そして、そのままそれを全力でぶん投げた。
「まずっ!」
エンリケはたまらず影を防御に回した。
守護者マコトの全力の投擲、それは訓練によって大砲なみの威力へとなっていた。
守るしかない。直撃すればエンリケはそれで終わりだ。
そして、
「マコト様!!!」
「了解!」
エンリケが影を守りに回したその隙、その間に、今度は俺はエリスをぶん投げた。エリスの体は法衣で守られている。俺の全力の投擲は無理だが、それなりまでは耐えられる。その境目も訓練で身につけている。
エリスは高速でエンリケの間合いに入った。
エリスが入ったということは、その守護者たる俺も入るということだった。
これが俺たちが身につけた間合いの詰め方のひとつ。
本体たるエリスを俺がぶん投げることで、一気に相手に近づくという戦術だった。
「エンリケ!!!!」
「なんだこいつら!!」
目の前に降り立った俺たちにエンリケは驚愕していた。
しかし、間合いの中は俺たちの独壇場だ。
「ウラウラウラウラァッッッ!!!」
俺はラッシュを叩き込んだ。
「なんだってんだクソが!!!」
エンリケは立体化させた影と体を覆う影でガードした。しかし、俺には確かな手ごたえがあった。
飛び退いて受け身を取るエンリケ。
俺たちは当然間合いを詰め、顕現範囲からは逃がさない。
「チクショウ、マジか。俺の防御力で防ぎ切れねぇ」
エンリケは口から血を垂らしていた。
やはり効いていた。
エンリケは全力で攻撃を防いでいた。だが、それでは俺のラッシュを防ぎ切れなかったのだ。
つまり、俺たちの間合いの中ではエンリケは俺たちには勝てないことを意味していた。
つまり、状況は俺たちが有利だということだった。
「クソが!! なんだてめぇ。いや、そうか。お前が噂の第6聖女とやらか。新聞の顔と同じだ」
「おとなしく縛につきなさい、エンリケ・オーハイム。この距離ではあなたは私たちには勝てない」
「クソッタレ、めんどくさすぎる」
状況だけ見ればこのまま押し切れそうだが。
しかし、エンリケ自分の脇腹、影の中に手を突っ込むとポケットから出すように何かを覗かせた。
「こいつを見ろ」
「な....」
それは肩から上の人間だった。服装を見るに騎士団の魔法使い。
ここに来る前にどこかの陣営からさらってぃたのか。
「動けばこいつの首を刎ねる」
「く、卑怯者!!」
「そらそうだ。悪党だからな」
人質だ。こんな時のために用意していたのだ。ふざけている。
だが、これでは俺たちは手を出せなかった。
「良い子だ。物分かりが良い」
そしてエンリケは禍々しい笑みを浮かべると跳ね飛んで、一気に家の屋根の上に言った。
そして、ニヤニヤしながら俺たちを一瞥すると屋根の向こうに消えた。
「く、クソ!!」
「くっ...!」
俺は思わず言った。エリスも本当に悔しそうに表情を歪めていた
それが俺たちとエンリケ・オーハイムとの初戦だった。
目の前の男、エンリケ・オーハイムは言った。
守護者の影の力だろうか。顔以外が真っ黒な影のようなものでコーティングされている。
俺の拳はそれなりに直撃したはずだがダメージはあまりなさそうだった。
「エンリケ・オーハイム!!」
エリス含めた後衛組は瞬時に戦闘態勢に入った。
遠くではドラゴンとアルメアが戦う轟音が聞こえる。
エンリケはドラゴンに前衛の半分を押し付けることでここまで逃げてきたのか。
距離から考えると逃げ足はかなりの速度だ。
「ちっ、ここにもいやがるのか。何人で来たんだてめーら」
ぼさぼさの髪、影に覆われているがぼろい服装なのが分かる。そして、その目は真っ暗だった。これが人を殺した凶悪犯の顔なのか。
「50人体制だ。お前はここで捕える」
「50人!? 大した扱いだなおい。ちょっと金庫破りして16、いや7か。そんだけ殺しただけだろうが」
「黙れイカれ野郎。もう自分がしたことの大きささえよく分からなくなってんだな」
目の前の男は自分がしたことをもう大したことだと思っていないらしい。
度重なる銀行の襲撃、たくさんの人殺し。それをいろんな国を渡りながらやってきたのだ。
恐ろしいやつだ。生前俺はこんな本物の悪党に会ったことはない。背筋が冷えるのを感じた。
「とにかくお前は捕える。もうじきディアナと他の陣営もこっちに来る。街の外にも兵士が張ってる。もう諦めるんだな」
「くそめんどくせぇことになってんじゃねぇか。やるしかねぇか」
そう言うとエンリケの両手の爪が刃物のように鋭くなった。
そして、エンリケが足元を強く踏みつける。
「伸びろ」
すると、エンリケの足元、その影が大きく広がった。俺たちの足元にも迫る。
「下がれ!!」
「はい!」
陣営の全員が後ろに飛んでその伸びる影を回避する。
「懸命な判断だな。そら!」
エンリケがもう一度影を踏みつける。
すると、
「これがこいつの守護者の能力か!」
影から巨大な杭が何本も突き出して、俺たちの後方の家屋をぶち抜いたのだ。
影の立体化、及び武器化、エンリケの守護者、『スペクター』の能力だ。
「うらぁっ!!!」
俺は伸びてくる食いの一本を殴り飛ばす。
イザベラも守護者の力でエンリケに攻撃する。
ミリアも守護者で俺たちにバフをかけてくれた。体が軽く、力強くなるのを感じる。
「くそが! 厄日だ! こんだけの量で来るなんざ。やり過ぎたか」
エンリケはぶつくさと言いながら影から次々と武器を立体化させてくる。
杭を、剣を、槍を、斧を、大きなムチを。それらが縦横無尽に俺たちに襲いかかってくる。
「すごいぞこれは!」
「つ、強い!!」
俺とエリスは驚愕だった。
聖女3人と魔法使い4人。エンリケは1人でそれらと渡り合っている。
どうしようもない悪党だが、その強さは確かなようだ。
だが、
「マコト様!」
「ああ、でも俺たちの距離に入れば勝てる!」
俺の守護者としての勘と訓練の日々が告げている。間合いにさえ入れれば、まず間違いなく俺たちが勝てると。
それだけの自信がもう俺たちにはあった。
「うらぁっ!!!」
俺は地面をぶん殴る。地面が砕けて、いくつもの土の塊が隆起する。
「なんだ?」
エンリケが疑問の声をあげたのが聞こえた。
俺はそのまま土塊を全部まとめて持ち上げる。
そして、そのままそれを全力でぶん投げた。
「まずっ!」
エンリケはたまらず影を防御に回した。
守護者マコトの全力の投擲、それは訓練によって大砲なみの威力へとなっていた。
守るしかない。直撃すればエンリケはそれで終わりだ。
そして、
「マコト様!!!」
「了解!」
エンリケが影を守りに回したその隙、その間に、今度は俺はエリスをぶん投げた。エリスの体は法衣で守られている。俺の全力の投擲は無理だが、それなりまでは耐えられる。その境目も訓練で身につけている。
エリスは高速でエンリケの間合いに入った。
エリスが入ったということは、その守護者たる俺も入るということだった。
これが俺たちが身につけた間合いの詰め方のひとつ。
本体たるエリスを俺がぶん投げることで、一気に相手に近づくという戦術だった。
「エンリケ!!!!」
「なんだこいつら!!」
目の前に降り立った俺たちにエンリケは驚愕していた。
しかし、間合いの中は俺たちの独壇場だ。
「ウラウラウラウラァッッッ!!!」
俺はラッシュを叩き込んだ。
「なんだってんだクソが!!!」
エンリケは立体化させた影と体を覆う影でガードした。しかし、俺には確かな手ごたえがあった。
飛び退いて受け身を取るエンリケ。
俺たちは当然間合いを詰め、顕現範囲からは逃がさない。
「チクショウ、マジか。俺の防御力で防ぎ切れねぇ」
エンリケは口から血を垂らしていた。
やはり効いていた。
エンリケは全力で攻撃を防いでいた。だが、それでは俺のラッシュを防ぎ切れなかったのだ。
つまり、俺たちの間合いの中ではエンリケは俺たちには勝てないことを意味していた。
つまり、状況は俺たちが有利だということだった。
「クソが!! なんだてめぇ。いや、そうか。お前が噂の第6聖女とやらか。新聞の顔と同じだ」
「おとなしく縛につきなさい、エンリケ・オーハイム。この距離ではあなたは私たちには勝てない」
「クソッタレ、めんどくさすぎる」
状況だけ見ればこのまま押し切れそうだが。
しかし、エンリケ自分の脇腹、影の中に手を突っ込むとポケットから出すように何かを覗かせた。
「こいつを見ろ」
「な....」
それは肩から上の人間だった。服装を見るに騎士団の魔法使い。
ここに来る前にどこかの陣営からさらってぃたのか。
「動けばこいつの首を刎ねる」
「く、卑怯者!!」
「そらそうだ。悪党だからな」
人質だ。こんな時のために用意していたのだ。ふざけている。
だが、これでは俺たちは手を出せなかった。
「良い子だ。物分かりが良い」
そしてエンリケは禍々しい笑みを浮かべると跳ね飛んで、一気に家の屋根の上に言った。
そして、ニヤニヤしながら俺たちを一瞥すると屋根の向こうに消えた。
「く、クソ!!」
「くっ...!」
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