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第2章 エウロト村盗賊討伐編
第2話 魅了されし者。
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ウエイバーン真皇国……アークレイド大陸の東側1/3ほどを占めるウエイバーン皇王が興した国で、中央部より南の気候は温暖……常に春先のような穏やかな暖かさである。ウエイバーンは南北に長い領地を持っている為、山岳地帯を越える毎に気候が変わる四季を持つ国であった。
そんな過ごしやすい気温であるにも関わらず、日比斗は汗だくで馬車の中に横たわっていた。散々馬車に追走して走り、休憩中に剣術の稽古をつけてもらったため、完全にグロッキー状態でなのであった。
「勇者さま、大丈夫ですか?」
馬車の御者台からメルが心配そうに尋ねてきた。彼女は髪の毛を束ねて帽子で隠し、シャツにチョッキにズボンと男の子のような服装をしているが、モルの姉でれっきとした女の子である。年齢はシスターモモのひとつ上のようだ。
年齢が近いせいもあってか、シスターモモやエルルともすぐに仲良くなっていた。ちなみに【エルル】とはエルムの事である。流石に女神が顕現して付いて来ているなどとは言えなかったため咄嗟に付けた名前だ。ティーにはセンスがないとスッパリ言い切られたが、エルム本人は意外と気に入ったようだ。
「だ、だいじょうびゅ、だいじょうびゅ」
俺は上がった息で何とか返事をしたのだが、大丈夫感はゼロだった。走っている時に気付いたのだが、ナーゲイルとかなり距離が離れてしまったからだろうか、ステータスの装備武器欄から【ナーゲイル】の名前が消えてしまっていた。おかげで身体強化の影響も無くなっていたのだ。まあ訓練にはちょうど良いと思っていたのだが、思っていた以上にキツかった訳だ。
バテている俺には一声掛けたのでもういいと思ったのだろうか、三人はガールズトークに花を咲かせ始めた。
「確かに年齢は離れていますけど、私はご主人様を尊敬していますし、愛しています。いつ押し倒して頂いてもいいように準備は出来てるんですけど、なかなか主人と使用人の垣根を越えてきて下さらないんですよね。パートナー登録はされてるので、ご主人様にその気がない訳ではないと思うんですけど……。やはり私の魅力不足って事なんですかね」
「そんな事ない、絶対ないよ。メルさんとっても綺麗だし」
シスターモモはちょっぴり大人な会話に顔を耳まで真っ赤にしながらメルの事を全肯定しようとしている。
「そうですね、少しその作業着のせいで男の子っぽく見えてしまうかも知れませんから、オルクさんを誘って落とす為の服装や髪型とかを一緒に考えてみましょうか。最悪、最初のきっかけ作りに魅了の掛かった呪いの道具を使うのもありですね」
おいおい、エルム怖えぇよ。本当に女神かよ。手段選ぼうよ。メルもシスターモモも少し引いているのか苦笑しているようだ。
「お二人の方は勇者様とどうなのですか?」
「私の初めての人……。じっとお互いを見つめる瞳と瞳。頬に手を添えてゆっくりと重なったくちびる……あの日の事はわたし、一生忘れません。」
「「きゃーっ!」」
「私は━━私の命の恩人ですし、その時、何度も何度もキスしてくれた。だ、だから、らぶらぶ……です! この前も狂暴な魔獣と戦ってる時、私をかばって抱きしめて『ありがとう、もう大丈夫だ。あとは下がって見ていろ!』とか言われて、もうキュンキュンしちゃいました!」
「「いやーん!」
「だ━━っ、もうやめてくれ! それ本人のいる前でする話しかよ」
だいぶ事実と違うのだが、顔を真っ赤にする俺を見て三人ともクスクスと笑っている。オルクさんから体を休めるのも体作りに必要との事で仕方なく馬車に乗っているのだが、体を動かして良いならすぐにでも飛び出したいくらい居心地が悪い。
そうこうするうちにメルさんが次の休憩地点に着いたと告げ、馬の世話を始めた。彼女が馬車から離れたので、俺はこそこそとエルムに話し掛けた。
「エルム、お前いつまでこっちにいるんだよ。お前にだって仕事はあるだろ?」
「大丈夫、大丈夫! 勇者さまと一緒にいるのもお仕事のひとつだし。上にいても見守るだけだから、ナーちゃんのやり方真似してイメージビジュアル実体化させて監視業務任せてるから。何かあったらすぐに連絡くるし」
最初に出逢った時から感じていたが、こいつの仕事振りは会社に入社したばかりのチャラい新人に似てる気がした。要領が良くて【やってますよ感】を出す奴等だ。
「勇者さまもしかして心配してくれてる?」
「べべべ、別にそんなんじゃねぇよ」
彼女はニコリと笑いながら、ちゃっかり俺の隣に座ってくる。こうしてエルムは【いちゃラブ感】を前面に押し出してくるのでとても厄介だ。そして反対側には顔を真っ赤にしたシスターモモがちょこんと座る。最近シスターモモも対抗心を燃やしてグイグイ来るので本当に照れくさい。
二人とも本気で可愛いので、どう対応すればいいのか分からず結局流されるままになってしまう。本当に情けない限りだ。
はーっ、『お前ら全員俺が必ず守ってやる』とか言えるハーレムラノベの主人公が羨ましい。
……って、俺は何を考えてんだ! 会社に通っていた頃は営業成績が上がらないように適当にサボってゲームばかりしていた俺が、なんて事を考えてるんだろう。余りにも自分らしからぬ考えに思わず笑ってしまう。
そんな俺の考えを見透かしたように笑顔でこちらを見つめるエルムは━━。
『君は君のままでいいんだよ』と小さく耳元で囁く。それは他人からの評価を良く見せようとしたり、逆に周りの目を気にして目立たぬようにして来た自分を否定する言葉。そして俺自身を肯定する言葉だ。
くそっ、駄女神がっ。神様っぽい事言ってんじゃないよ。目から汗が出ちゃうじゃないか。こんちくしょう! 俺は気持ちを落ち着かせ、目汗を我慢しながら話しを反らした。
「あ━━そういえば、昨日の振り込みの件どうなった。俺の口座に振り込め無いとか言ってただろう?」
「大丈夫、振り込んだよ」
エルムの説明によれば俺が死亡した事により、銀行口座は債権者に押さえられ凍結してしまったようだ。更に母の口座も第6抵当にまで押さえられ一切の出金が出来なくなっていた。
唯一、高校生である妹の妹音の口座だけは、倫理上手を付けられていなかったのだ。
「とりあえず金貨百枚分、1500万円を妹ちゃんの口座に振り込んだよ」
「い……1500万円!?」
「純金製1オンス金貨だからね。歴史的価値は付かないけど、あちらの世界に流通していないオリジナルデザインの金貨だから、1枚あたり16万くらい。諸経費と手数料引かれて1500万円ちょい振り込めたよ」
おいおい、金貨百枚でその値段て……俺の想像していた金額の遥か上を行ってるじゃないか。
「海外に保管されていた日比斗さん名義の個人資産を、彼の遺言により順次処分処理を行い、妹さんの口座に振り込みさせて頂く旨をご家族宛に通知してあるから大丈夫。税金に関しては色々かかってしまうかも知れないけどそれ以上に稼いで送ってあげれば良いとおもうよ」
「あ……ありがとう。ただネットバンキングするだけとか言ってごめん」
エルムが俺が思っていた以上に手を尽くしていてくれた事に正直驚いた。そして心からの感謝と謝罪が自然と口をついたのだ。
「うんうん、でも感謝は言葉じゃなく態度で示して欲しいな、日比斗くん!」
チリリン……。
エルムは軽く目を閉じて、ゆっくりと顔を近付けてくる。少しだけ開いた彼女の唇はリップも塗っていないというのに艶やかに色っぽく光り俺を惹き付ける。少しずつ、だが確実にその唇へと吸い寄せられていく。
チリリン……。
「あの、あの、エルム様。ヒビトくんて誰ですか?」
いままで目を閉じて俺に寄り添っていたシスターモモが、場の空気を読まずに急に声をあげた。だがそのおかげで、ボーッとした俺の意識も覚醒した。
エルムはスッと俺から目をそらすと手に持っていた鈴の様な物を自分の後ろに隠した。
「エルム……今後ろに隠してる物は何だ?」
「……」
エルムは目をそらしたまま答えない。
だが、俺はもうそれが何であるのかなんと無く想像がついていた。メルと話していた時に話題に上げた魅了アイテムだ思う。
俺はエルムの頭に軽くチョップすると、目線をそらしたままだった彼女は『痛った━━いっ!』と目をバッテンにして振り向いた。俺はそのスキを突いて頬に軽くキスをした。
「今の俺にはこれが精一杯だ。これ以上の事をして欲しければそんな魅了アイテム使わずに、お前の実力で惚れさせろ!」
あぁ……つい勢いで言ってしまったが、とっても恥ずかしい。この雰囲気の中、これ以上この場にとどまり続ける事など出来そうにない。俺は急いで馬車を降ると逃げる様にオルクさんの元へ向かった。
「……」
「……」
勇者様の出て行った馬車の中には沈黙が流れていた。ビート様は私に見えないように隠していたつもりかも知れないが、顔が真っ赤に紅潮していた。さっきの台詞、本当に精一杯だったみたい。私は初めて少し年上である勇者様を一人の男の子として【かわいい】と思ってしまった。
そしてそれはエルム様もそう感じていたのかも知れない。
「モモちゃん、人を好きになるってやっぱりいいね。」
彼女は神々しい笑顔を私に向けて、そう言った。魅了されたのは私達かも知れない……この時、私はそう思ったのだった。
ーつづくー
『ところでヒビトくんて誰なんだろう?』
感がいいのか悪いのか良く分からないシスターモモであった。
そんな過ごしやすい気温であるにも関わらず、日比斗は汗だくで馬車の中に横たわっていた。散々馬車に追走して走り、休憩中に剣術の稽古をつけてもらったため、完全にグロッキー状態でなのであった。
「勇者さま、大丈夫ですか?」
馬車の御者台からメルが心配そうに尋ねてきた。彼女は髪の毛を束ねて帽子で隠し、シャツにチョッキにズボンと男の子のような服装をしているが、モルの姉でれっきとした女の子である。年齢はシスターモモのひとつ上のようだ。
年齢が近いせいもあってか、シスターモモやエルルともすぐに仲良くなっていた。ちなみに【エルル】とはエルムの事である。流石に女神が顕現して付いて来ているなどとは言えなかったため咄嗟に付けた名前だ。ティーにはセンスがないとスッパリ言い切られたが、エルム本人は意外と気に入ったようだ。
「だ、だいじょうびゅ、だいじょうびゅ」
俺は上がった息で何とか返事をしたのだが、大丈夫感はゼロだった。走っている時に気付いたのだが、ナーゲイルとかなり距離が離れてしまったからだろうか、ステータスの装備武器欄から【ナーゲイル】の名前が消えてしまっていた。おかげで身体強化の影響も無くなっていたのだ。まあ訓練にはちょうど良いと思っていたのだが、思っていた以上にキツかった訳だ。
バテている俺には一声掛けたのでもういいと思ったのだろうか、三人はガールズトークに花を咲かせ始めた。
「確かに年齢は離れていますけど、私はご主人様を尊敬していますし、愛しています。いつ押し倒して頂いてもいいように準備は出来てるんですけど、なかなか主人と使用人の垣根を越えてきて下さらないんですよね。パートナー登録はされてるので、ご主人様にその気がない訳ではないと思うんですけど……。やはり私の魅力不足って事なんですかね」
「そんな事ない、絶対ないよ。メルさんとっても綺麗だし」
シスターモモはちょっぴり大人な会話に顔を耳まで真っ赤にしながらメルの事を全肯定しようとしている。
「そうですね、少しその作業着のせいで男の子っぽく見えてしまうかも知れませんから、オルクさんを誘って落とす為の服装や髪型とかを一緒に考えてみましょうか。最悪、最初のきっかけ作りに魅了の掛かった呪いの道具を使うのもありですね」
おいおい、エルム怖えぇよ。本当に女神かよ。手段選ぼうよ。メルもシスターモモも少し引いているのか苦笑しているようだ。
「お二人の方は勇者様とどうなのですか?」
「私の初めての人……。じっとお互いを見つめる瞳と瞳。頬に手を添えてゆっくりと重なったくちびる……あの日の事はわたし、一生忘れません。」
「「きゃーっ!」」
「私は━━私の命の恩人ですし、その時、何度も何度もキスしてくれた。だ、だから、らぶらぶ……です! この前も狂暴な魔獣と戦ってる時、私をかばって抱きしめて『ありがとう、もう大丈夫だ。あとは下がって見ていろ!』とか言われて、もうキュンキュンしちゃいました!」
「「いやーん!」
「だ━━っ、もうやめてくれ! それ本人のいる前でする話しかよ」
だいぶ事実と違うのだが、顔を真っ赤にする俺を見て三人ともクスクスと笑っている。オルクさんから体を休めるのも体作りに必要との事で仕方なく馬車に乗っているのだが、体を動かして良いならすぐにでも飛び出したいくらい居心地が悪い。
そうこうするうちにメルさんが次の休憩地点に着いたと告げ、馬の世話を始めた。彼女が馬車から離れたので、俺はこそこそとエルムに話し掛けた。
「エルム、お前いつまでこっちにいるんだよ。お前にだって仕事はあるだろ?」
「大丈夫、大丈夫! 勇者さまと一緒にいるのもお仕事のひとつだし。上にいても見守るだけだから、ナーちゃんのやり方真似してイメージビジュアル実体化させて監視業務任せてるから。何かあったらすぐに連絡くるし」
最初に出逢った時から感じていたが、こいつの仕事振りは会社に入社したばかりのチャラい新人に似てる気がした。要領が良くて【やってますよ感】を出す奴等だ。
「勇者さまもしかして心配してくれてる?」
「べべべ、別にそんなんじゃねぇよ」
彼女はニコリと笑いながら、ちゃっかり俺の隣に座ってくる。こうしてエルムは【いちゃラブ感】を前面に押し出してくるのでとても厄介だ。そして反対側には顔を真っ赤にしたシスターモモがちょこんと座る。最近シスターモモも対抗心を燃やしてグイグイ来るので本当に照れくさい。
二人とも本気で可愛いので、どう対応すればいいのか分からず結局流されるままになってしまう。本当に情けない限りだ。
はーっ、『お前ら全員俺が必ず守ってやる』とか言えるハーレムラノベの主人公が羨ましい。
……って、俺は何を考えてんだ! 会社に通っていた頃は営業成績が上がらないように適当にサボってゲームばかりしていた俺が、なんて事を考えてるんだろう。余りにも自分らしからぬ考えに思わず笑ってしまう。
そんな俺の考えを見透かしたように笑顔でこちらを見つめるエルムは━━。
『君は君のままでいいんだよ』と小さく耳元で囁く。それは他人からの評価を良く見せようとしたり、逆に周りの目を気にして目立たぬようにして来た自分を否定する言葉。そして俺自身を肯定する言葉だ。
くそっ、駄女神がっ。神様っぽい事言ってんじゃないよ。目から汗が出ちゃうじゃないか。こんちくしょう! 俺は気持ちを落ち着かせ、目汗を我慢しながら話しを反らした。
「あ━━そういえば、昨日の振り込みの件どうなった。俺の口座に振り込め無いとか言ってただろう?」
「大丈夫、振り込んだよ」
エルムの説明によれば俺が死亡した事により、銀行口座は債権者に押さえられ凍結してしまったようだ。更に母の口座も第6抵当にまで押さえられ一切の出金が出来なくなっていた。
唯一、高校生である妹の妹音の口座だけは、倫理上手を付けられていなかったのだ。
「とりあえず金貨百枚分、1500万円を妹ちゃんの口座に振り込んだよ」
「い……1500万円!?」
「純金製1オンス金貨だからね。歴史的価値は付かないけど、あちらの世界に流通していないオリジナルデザインの金貨だから、1枚あたり16万くらい。諸経費と手数料引かれて1500万円ちょい振り込めたよ」
おいおい、金貨百枚でその値段て……俺の想像していた金額の遥か上を行ってるじゃないか。
「海外に保管されていた日比斗さん名義の個人資産を、彼の遺言により順次処分処理を行い、妹さんの口座に振り込みさせて頂く旨をご家族宛に通知してあるから大丈夫。税金に関しては色々かかってしまうかも知れないけどそれ以上に稼いで送ってあげれば良いとおもうよ」
「あ……ありがとう。ただネットバンキングするだけとか言ってごめん」
エルムが俺が思っていた以上に手を尽くしていてくれた事に正直驚いた。そして心からの感謝と謝罪が自然と口をついたのだ。
「うんうん、でも感謝は言葉じゃなく態度で示して欲しいな、日比斗くん!」
チリリン……。
エルムは軽く目を閉じて、ゆっくりと顔を近付けてくる。少しだけ開いた彼女の唇はリップも塗っていないというのに艶やかに色っぽく光り俺を惹き付ける。少しずつ、だが確実にその唇へと吸い寄せられていく。
チリリン……。
「あの、あの、エルム様。ヒビトくんて誰ですか?」
いままで目を閉じて俺に寄り添っていたシスターモモが、場の空気を読まずに急に声をあげた。だがそのおかげで、ボーッとした俺の意識も覚醒した。
エルムはスッと俺から目をそらすと手に持っていた鈴の様な物を自分の後ろに隠した。
「エルム……今後ろに隠してる物は何だ?」
「……」
エルムは目をそらしたまま答えない。
だが、俺はもうそれが何であるのかなんと無く想像がついていた。メルと話していた時に話題に上げた魅了アイテムだ思う。
俺はエルムの頭に軽くチョップすると、目線をそらしたままだった彼女は『痛った━━いっ!』と目をバッテンにして振り向いた。俺はそのスキを突いて頬に軽くキスをした。
「今の俺にはこれが精一杯だ。これ以上の事をして欲しければそんな魅了アイテム使わずに、お前の実力で惚れさせろ!」
あぁ……つい勢いで言ってしまったが、とっても恥ずかしい。この雰囲気の中、これ以上この場にとどまり続ける事など出来そうにない。俺は急いで馬車を降ると逃げる様にオルクさんの元へ向かった。
「……」
「……」
勇者様の出て行った馬車の中には沈黙が流れていた。ビート様は私に見えないように隠していたつもりかも知れないが、顔が真っ赤に紅潮していた。さっきの台詞、本当に精一杯だったみたい。私は初めて少し年上である勇者様を一人の男の子として【かわいい】と思ってしまった。
そしてそれはエルム様もそう感じていたのかも知れない。
「モモちゃん、人を好きになるってやっぱりいいね。」
彼女は神々しい笑顔を私に向けて、そう言った。魅了されたのは私達かも知れない……この時、私はそう思ったのだった。
ーつづくー
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