お前らなんか好きになるわけないだろう

第一章 賽は投げられた

001 私立櫻之宮学園高等部生徒会

幼稚舎から小中高大学部までの一貫校である私立櫻之宮学園の理事長室に高等部の生徒会の主要メンバー五人が集められていた。

生徒会長・龍王院枢　二年生
副会長・東條春彦　二年生
副会長・北大路玄斗　一年生
書記・秋月大雅　一年生
会計・小鳥遊朱夏　二年生


理事長である岩永美智瑠は女性としては稀少なアルファ性で岩永財閥の現総裁の末娘だ。
岩永理事長は生徒会メンバーに顔写真付の資料を渡し、彼等が一通り資料に目を通した頃を見計らって話を始めた。
「新年度から新入生としてアンブローシア王国からの留学生が三名、外部入学生が五名、二年生への転入生がニ名入寮する。留学生三名と外部生のうち二名は警護の関係上特別室に入ることになった。」
「ねぇねぇ理事長センセ、留学生達の経歴がおかしいんだけど？」
会計の小鳥遊が留学生三人の資料を机上に並べた。
「リシャール・I・ルシフェル・ド・アンジュー、一五歳、公爵家二男、王孫、王位継承権五位。他の二人、ミシェルとダニエルってどう見ても三十過ぎのおっさんじゃん！しかも近衛銃士ってどゆこと？」
「校則で寮は本校の生徒しか入寮できない。校則違反にならない為の配慮だ。銃器と刀剣の帯同はしない契約を結んでいるので安心してくれ。ちなみに同じ特別室に入る外部生二名は公安所属のSPで通訳も兼ねている。」
「公安・・・ひぇ～」
「殿下に傷一つでもつけたら国際問題になるからな。気を付けてくれよ？」
岩永理事長の言葉に生徒会の面々は苦笑いをしつつ他の生徒の資料の見直しをしたのだった。


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補足
　
櫻之宮の幼稚舎と小等部は共学。
中等部と高等部は全寮制の男子校。
女子はお隣の系列校で全寮制の桜の園女学院に。
大学は共学。