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そしてやって来た庭のとある場所。
私達はそこで現在進行形で三人で花冠を作っている。
その理由は簡単。
フェリナがレインに花冠を被せるという内容が彼らの幼少期のシーンにあったのだ。
私は自身の左隣でニコニコと笑いながら花冠を作るフェリナと、自身の右隣で四苦八苦しながら花冠を作るレインに作り方をレクチャーしながら花冠を作り続ける。
そして、隣にいるフェリナが花冠を作り終えたかと思うと彼女はシチュエーション的にレインに花冠を被せ無ければいけないにも関わらず、迷いなく私の頭の上に完成させた花冠を被せてきた。
この時思わず「え?」と言ってしまった私は悪くない。
私はニコニコと目の前で笑いながら「ローラの花冠ちょうだい!」なんて言ってくる妹に内心で萌えつつも、突然キュッと私の服の裾を掴んで「ぼ、僕に下さい……」なんて言ってきたレインにも軽く胸を射抜かれる。
これはどうすればいい、フェリナかレインの二択だ。
でも、フェリナはいつでも作ってあげられるということを考えるとここはレインに上げるのが妥当か。
それにレインが作った花冠をフェリナに被せて貰えばもしかしたらもしかするかもしれない。
私は期待した目でこちらを見るフェリナに「ごめんね」と言うと、さっさと花冠を作ってレインの頭に乗せる。
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとう……」
「ローラ、酷い……」
途端に笑顔になるレインと、そんな彼とは反対に目を潤ませるフェリナ。
私はフェリナに「また作ってあげるから」といって、レインの手の中で見た目は悪いものの彼の力作であろう花冠を指差して「フェリナに被せてあげて?」と言う。
そして軽く怯えながらフェリナの頭の上にレインが花冠を乗せたのを確認した私は二人に対してこう告げた。
「三人でお揃いよ!」
二人は私の言葉に一瞬面食らったかと思うと、次の瞬間には嬉しそうに頬を桃色に染めて頷いた。
私達はそこで現在進行形で三人で花冠を作っている。
その理由は簡単。
フェリナがレインに花冠を被せるという内容が彼らの幼少期のシーンにあったのだ。
私は自身の左隣でニコニコと笑いながら花冠を作るフェリナと、自身の右隣で四苦八苦しながら花冠を作るレインに作り方をレクチャーしながら花冠を作り続ける。
そして、隣にいるフェリナが花冠を作り終えたかと思うと彼女はシチュエーション的にレインに花冠を被せ無ければいけないにも関わらず、迷いなく私の頭の上に完成させた花冠を被せてきた。
この時思わず「え?」と言ってしまった私は悪くない。
私はニコニコと目の前で笑いながら「ローラの花冠ちょうだい!」なんて言ってくる妹に内心で萌えつつも、突然キュッと私の服の裾を掴んで「ぼ、僕に下さい……」なんて言ってきたレインにも軽く胸を射抜かれる。
これはどうすればいい、フェリナかレインの二択だ。
でも、フェリナはいつでも作ってあげられるということを考えるとここはレインに上げるのが妥当か。
それにレインが作った花冠をフェリナに被せて貰えばもしかしたらもしかするかもしれない。
私は期待した目でこちらを見るフェリナに「ごめんね」と言うと、さっさと花冠を作ってレインの頭に乗せる。
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとう……」
「ローラ、酷い……」
途端に笑顔になるレインと、そんな彼とは反対に目を潤ませるフェリナ。
私はフェリナに「また作ってあげるから」といって、レインの手の中で見た目は悪いものの彼の力作であろう花冠を指差して「フェリナに被せてあげて?」と言う。
そして軽く怯えながらフェリナの頭の上にレインが花冠を乗せたのを確認した私は二人に対してこう告げた。
「三人でお揃いよ!」
二人は私の言葉に一瞬面食らったかと思うと、次の瞬間には嬉しそうに頬を桃色に染めて頷いた。
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