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部屋に帰って来て一先ずリリノアには部屋の真ん中にある椅子に腰掛けて貰ったところで、私はふわふわと宙を舞っているホリーにどうやってネスを起こすのかを尋ねてみた。

すると、彼は天井に向けて人差し指を立てながら『んーまあ、そこのメイドに魔法を使って貰うでしょ?そしたらそのままオリヴィアはリームとも契約してみたいだしそのままその闇魔法に触れてネスの夢に入れば多分だけど大丈夫だよ!』と満面の笑みで告げて来たではないか。

私は思わずニコニコと笑う彼を尻目に部屋の壁の方で片手で両目を覆いながら頭を左右に振っているヴィングに「本当に大丈夫なの……?」と声を掛ける。

そうすれば彼は『正直な話をすると確実に平気かと聞かれたらどうも答えられない。人間がそもそも俺達の眠る空間に行くということに前例がないからな』と言う。

私は不安そうに「お嬢様…… 」と言ってきた彼女を心配させまいと笑顔を浮かべながら「大丈夫よ」と言葉を掛ける。

「まあ、やってみるまでは何もわからないって事ね」

『そうなるね~』

『そうなるな』

そして、私は意を決してリリノアに目を向けて「お願い」と告げた。

同時に不安そうな顔をしながら「お気を付けて」という言葉を掛けてきた彼女に頷きながら、私は彼女が何やら呪文らしきものを唱えて手のひらに生み出した真っ黒な炎に触れながら目を閉じた。

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