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改稿版
退院
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「退院おめでとうございます。但し何か少しでも体調が悪かったり違和感が少しでもおありでしたら直ぐに病院を受診する様にして下さいね…」
「お世話になりました…」
「ご家族の皆様は松山君の体調を常に気に掛ける様にして下さい…」
「「「はい…」」」
「じゃあ豊和…行きましょうか?」
「うん」
目が覚めて1週間後、俺は病院を退院する事になった。眠っていたわりにはリハビリも殆ど必要なかったのは幸いだった。普通ならリハビリしないととても動けないだろうしな。
そしてコレだけは言っておかないといけない。前世の記憶がハッキリとしてきたんだ。たぶんだけどあの時…混ざったような感覚があったんだけどそれがうまく融合したんだと思われる。まあ、こんな事他の人には言えないしな。
こっちの事もある程度は把握出来た。俺は第二の人生を歩き始めたと言っても過言ではないよな?
とにかく退院した俺は自宅へと戻る事になった。その際迎えに来たのはなんとリムジン。車からメイド服姿の女性が降りて来た。腰迄あるサラサラと艶のある長い髪の女性。幼く見えるけど車の運転してるんだから十八歳以上だよね?そして思った事はこの世界の女性って皆綺麗過ぎないっ!?
「豊和様…退院おめでとうございます。仕える者一同心待ちにしておりました…」
「御苦労様…紗理奈。詳しい事は後程話しましょうか…。前もって電話で言った通り豊和は今、記憶喪失だけどいつも通り接してあげてね?」
「はい…豊和様。私は豊和様の専属メイドの樫見紗理奈です。何でもお申し付け下さいませ」
「あっ…はい、宜しくお願いします」
「じゃあ取り敢えず自宅にお願い出来るかしら?紗理奈」
「はい。かしこまりました」
自宅に向かう途中車の中から外を歩く人々を見掛けるがやはり女性の姿ばかりだ…。それ程男性が少ないということなんだな…。それにしても街を歩く女性達がこちらの方を異様にガン見している様な気がするのだが…気のせいか?
「ねぇ、母さん…」
ようやく母さんと呼ぶのにも慣れてきた。お姉ちゃん呼びは恥ずかしいけどそれも慣れてきた。
「んっ?どうかしたの?」
「街を歩く人がさぁ…こちらを見ている様な気がするのは気のせいかな?」
「嗚呼…。それは気のせいではないわね。この車には男性が乗ってるっていうステッカーが貼ってあるからよ?だから女性は皆…男性を一目でもいいからその姿を見れないかなぁ?なんて思って見ているのよ」
「ああ、そうなんだね…」
「ふふふっ…窓を開けてみなさい?」
「?」
丁度車が信号で止まったので母さんの言う通りに車の窓を開けてみる。スイッチオーン!
“ウィィィ──ン!”
「「「「「キャアーっ!男性よっ!」」」」」
「「「「「カッコいい!!!!!」」」」」
「て、手を振ってくれないかしら…?」
「こここここ、こっちを見てるわ…」
「あっ…鼻血が…」
「幸せ♡」
「な…何!?」
「あふん…」
俺の顔を見た女性達が割れんばかりの歓声やらなんやらをあげ始めた。中には鼻血を出して倒れる人の姿も。大丈夫なのか?なんか前世でいうところのアイドルになった気分だ…。
「ふふっ…女性はね?男性の姿を見れるだけで幸せだからああなっちゃう女性も多いの…。それと倒れた人は心配しなくても大丈夫だからね?」
「そうなの?」
車が動き出すと同時に「嗚呼…待ってぇ~」とか「もう少しだけっ!?」とか、そんな声が聞こえた気がするけど…。
「ええ…ちゃんと周りの人達で支え合うから大丈夫なのよ」
「手を取り合って生きてるって事?」
「そうよ。男性が少ない分女性達は手を取り合って助け合って生きてるの…。助け合いの精神ってやつね…」
「そっかぁ…」
そんな話をしていると街中を抜けた。車は高そうな家が建ち並ぶ住宅地へ入って行く。暫く道なりに進むと前方に大きな家が見えてきた。物凄く大金持ちさんの家なのだろう。高い塀で家は囲まれており、至る所に警備の格好をした女性の姿が視界に入ってくる。
「アレが私達の家だよ、豊君」
「えっ?あの大きな家がそうなの!?」
「ふふっ…そうなんだよ!」
「お兄ちゃんが男性だからあんな家に住めるんだよ?」
「…そうなの?」
「男性の身を…お兄ちゃんの身を護れる様な造りになっているんだよ」
「凄っ…」
「やっぱり家も分からない?」
「ああ~ ごめんね、母さん…」
「違うのよ!責めてないからね?家とか見たら思い出す事もあるかもと思って聞いただけだから…母さんこそごめんね?」
「ううん…謝らないで母さん。何か思い出したら直ぐに母さんに言うからね?」
「うん…」
家へと到着した俺達は沢山のメイドさんに盛大に迎えられる事に。泣き出す人も居た。皆、優しそうな女性達ばかりで良かったよ。そして俺は自室へと案内された。自室は非常にシンプルだった。大きなベッド、タンス、机等が置いてあるだけ。特に部屋を見た感じで他に思い出す事はなかったよ。
まぁ…あの時…車に轢かれた俺は一度亡くなったんだろう。それでどういうわけかは分からないけど…転生っていうのか?せっかく第二の人生を歩める様になったんだ。とにかく大切に人生を歩んでいこうと思ったんだ。
「お世話になりました…」
「ご家族の皆様は松山君の体調を常に気に掛ける様にして下さい…」
「「「はい…」」」
「じゃあ豊和…行きましょうか?」
「うん」
目が覚めて1週間後、俺は病院を退院する事になった。眠っていたわりにはリハビリも殆ど必要なかったのは幸いだった。普通ならリハビリしないととても動けないだろうしな。
そしてコレだけは言っておかないといけない。前世の記憶がハッキリとしてきたんだ。たぶんだけどあの時…混ざったような感覚があったんだけどそれがうまく融合したんだと思われる。まあ、こんな事他の人には言えないしな。
こっちの事もある程度は把握出来た。俺は第二の人生を歩き始めたと言っても過言ではないよな?
とにかく退院した俺は自宅へと戻る事になった。その際迎えに来たのはなんとリムジン。車からメイド服姿の女性が降りて来た。腰迄あるサラサラと艶のある長い髪の女性。幼く見えるけど車の運転してるんだから十八歳以上だよね?そして思った事はこの世界の女性って皆綺麗過ぎないっ!?
「豊和様…退院おめでとうございます。仕える者一同心待ちにしておりました…」
「御苦労様…紗理奈。詳しい事は後程話しましょうか…。前もって電話で言った通り豊和は今、記憶喪失だけどいつも通り接してあげてね?」
「はい…豊和様。私は豊和様の専属メイドの樫見紗理奈です。何でもお申し付け下さいませ」
「あっ…はい、宜しくお願いします」
「じゃあ取り敢えず自宅にお願い出来るかしら?紗理奈」
「はい。かしこまりました」
自宅に向かう途中車の中から外を歩く人々を見掛けるがやはり女性の姿ばかりだ…。それ程男性が少ないということなんだな…。それにしても街を歩く女性達がこちらの方を異様にガン見している様な気がするのだが…気のせいか?
「ねぇ、母さん…」
ようやく母さんと呼ぶのにも慣れてきた。お姉ちゃん呼びは恥ずかしいけどそれも慣れてきた。
「んっ?どうかしたの?」
「街を歩く人がさぁ…こちらを見ている様な気がするのは気のせいかな?」
「嗚呼…。それは気のせいではないわね。この車には男性が乗ってるっていうステッカーが貼ってあるからよ?だから女性は皆…男性を一目でもいいからその姿を見れないかなぁ?なんて思って見ているのよ」
「ああ、そうなんだね…」
「ふふふっ…窓を開けてみなさい?」
「?」
丁度車が信号で止まったので母さんの言う通りに車の窓を開けてみる。スイッチオーン!
“ウィィィ──ン!”
「「「「「キャアーっ!男性よっ!」」」」」
「「「「「カッコいい!!!!!」」」」」
「て、手を振ってくれないかしら…?」
「こここここ、こっちを見てるわ…」
「あっ…鼻血が…」
「幸せ♡」
「な…何!?」
「あふん…」
俺の顔を見た女性達が割れんばかりの歓声やらなんやらをあげ始めた。中には鼻血を出して倒れる人の姿も。大丈夫なのか?なんか前世でいうところのアイドルになった気分だ…。
「ふふっ…女性はね?男性の姿を見れるだけで幸せだからああなっちゃう女性も多いの…。それと倒れた人は心配しなくても大丈夫だからね?」
「そうなの?」
車が動き出すと同時に「嗚呼…待ってぇ~」とか「もう少しだけっ!?」とか、そんな声が聞こえた気がするけど…。
「ええ…ちゃんと周りの人達で支え合うから大丈夫なのよ」
「手を取り合って生きてるって事?」
「そうよ。男性が少ない分女性達は手を取り合って助け合って生きてるの…。助け合いの精神ってやつね…」
「そっかぁ…」
そんな話をしていると街中を抜けた。車は高そうな家が建ち並ぶ住宅地へ入って行く。暫く道なりに進むと前方に大きな家が見えてきた。物凄く大金持ちさんの家なのだろう。高い塀で家は囲まれており、至る所に警備の格好をした女性の姿が視界に入ってくる。
「アレが私達の家だよ、豊君」
「えっ?あの大きな家がそうなの!?」
「ふふっ…そうなんだよ!」
「お兄ちゃんが男性だからあんな家に住めるんだよ?」
「…そうなの?」
「男性の身を…お兄ちゃんの身を護れる様な造りになっているんだよ」
「凄っ…」
「やっぱり家も分からない?」
「ああ~ ごめんね、母さん…」
「違うのよ!責めてないからね?家とか見たら思い出す事もあるかもと思って聞いただけだから…母さんこそごめんね?」
「ううん…謝らないで母さん。何か思い出したら直ぐに母さんに言うからね?」
「うん…」
家へと到着した俺達は沢山のメイドさんに盛大に迎えられる事に。泣き出す人も居た。皆、優しそうな女性達ばかりで良かったよ。そして俺は自室へと案内された。自室は非常にシンプルだった。大きなベッド、タンス、机等が置いてあるだけ。特に部屋を見た感じで他に思い出す事はなかったよ。
まぁ…あの時…車に轢かれた俺は一度亡くなったんだろう。それでどういうわけかは分からないけど…転生っていうのか?せっかく第二の人生を歩める様になったんだ。とにかく大切に人生を歩んでいこうと思ったんだ。
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