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第二部
不運
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「話を中断させてしまってすいません」
「気にしないで豊和君」
「そうだよ弟君…。悲しい時は昔みたいに私に甘えていいんだからね?」
そういって茜さんは自分の胸を鷲掴みにしてアピールしてくる。目のやり場に困ります…。
「姉さん何言ってるの?兄さんは胸なんか気にしません。それに兄さんを甘やかすのは妹の私です」
「…黙って聞いてたけど豊和を甘やかすのは私なんだから!」
「「…誰だったっけ??」」
「さっき自己紹介したでしょ!アタシはコイツの護衛をしている凛よ!」
「「…ふ~ん」」
「くっ…全く興味ない感じね…。でも、いいのかしら…そんな態度で…」
「「どういう意味?」」
「アタシはいずれコイツの嫁の1人になるのよ?既に見せ合いっこ自○してるんだからぁー!」
「「…はっ?」」
「ちょっ!?り、凛!?何故今言うの!?」
「どういう事…弟君?」
「…兄さんどういう事です?」
「ひっ…」
(茜さんと雫ちゃんの目が据わっている…)
「ふふん…これがアタシよ?」
「ここで言う事じゃないからね?全く…」
一気に場が和んだ気が…はっ!もしかして凛はこの空気を払拭する為に?凛を見ると頬を赤く染めながらふんっとそっぽを向く…。凛…ありがとう…。でも、もう少し考えてね?ほらっ…僕の義姉妹?の2人の目が…。
「コホン…弟君…。お姉ちゃんに後で詳しく詳しく聞かせてね?」
「私にも詳しくお願いしますね兄さん?」
どうやら逃げられないみたいだ…。と、とにかく今は…
「…冴子さん。話の続きをお願いします」
「私とも自○を一緒にしましょうねと~よ~か~ず~君♡」
「させる訳ないわよね冴子?今そういう事言う所じゃないでしょ?その空気は終わったわよね?」
「ひっ…先輩!?わ、分かってますから!」
「早く話しなさい?」
「は、はい。ゴホン…霊園に古くから勤めてる人の1人が初音さん達と仲が良かったみたいで、その人が聞いた事を聞けたんだけど、豊和君がお腹の中に居る時に神楽坂さんと初音さんの両親はどうやら知り合ったみたいなのよ…」
「「お父さんとお母さんが?」」
「そうなんですね…」
「ええ。どういう経緯で仲良くなったのか知り合ったのかは分からなかったけど豊和君を産むまで一緒に暮らしてたみたいね…。そして豊和君を産んで…間も無く…」
「…亡くなった…んですね(母さん…でも、どうして…)」
「…病気だった所迄は聞いていたらしいけどそれ以上は分からなかったわ。とにかく豊和君を初音さんのご両親は我が子の様に可愛いがり育てたそうよ…」
「…だったら…本当に僕のお父さんやお母さんでもあったんですね…」
「弟君」
「兄さん」
茜さんと雫ちゃんが寄り添ってくれる。血の繋がりはないけど僕達は本当の家族だったんだね…。
「それで…墓参りに行った迄は良かったみたいなんだけど…」
「…そこで何かあったんですね?」
「…墓参りが終わり霊園から帰る途中にある直売所、いわゆるトイレとかもある道の駅ね。そこに猛スピードで一台の車が入って来て豊和君を車から降ろし、豊和君が店の中へ入ると同時に急発進して慌てて出て行く車が防犯カメラの映像に映っていたわ…。車はナンバーから分かったんだけど初音さんのご両親の車だったわ」
「…どうして僕だけ降ろしたんだろう?」
「…至る所にある他の防犯カメラとかからの映像を照らし合わせた結果…追いかけられていたみたいなの…」
「「「一体誰に!?」」」
「…ナンバーは割れてるから直に分かると思うわ…。何で追いかけていたのかもね…。でも…多分だけど…」
「…男性を見付けて我が物にしようとしていたんでしょう…ね」
「…先輩の言う通りだと思います…」
「そんな…」
「「お父さん…お母さん…」」
「そしておそらく…初音さんのご両親は自分達が万が一捕まっても豊和君だけは守れる様にそこで降ろし、後に迎えに来るつもりだったのね…。でも、逃げる為にスピードが出ていたから…ハンドル操作を誤って…」
「「「…………」」」
「…優しいお父さんとお母さんだったのね?」
「「ぐすっ…はい…」」
お父さんとお母さんのお陰で僕はこうして生きているんですね…。ありがとうございます、お父さん、お母さん…。
「…その後、豊和君はいつまでも戻って来ないご両親を捜しに行ったんだと思うわ。道の駅を出て行く豊和君の姿が映っていたから…。ただ、そこからの足取りは掴めてないわ…」
「そう…なんですね…」
******
後日、追い掛けていた車の犯人は捕まった。捕まったのは3人の女性。冴子さんと円香さんの言う通り、女装していたお父さんを見かけて男性だと気付き、男性を手に入れようと思って追い掛け回していたそうだ…。その3人は一生刑務署の中で暮らすらしい…。
そしてお父さんとお母さんの写真を見せて貰ったけど写真に映る2人は若々しく、優しそうだった…。
「気にしないで豊和君」
「そうだよ弟君…。悲しい時は昔みたいに私に甘えていいんだからね?」
そういって茜さんは自分の胸を鷲掴みにしてアピールしてくる。目のやり場に困ります…。
「姉さん何言ってるの?兄さんは胸なんか気にしません。それに兄さんを甘やかすのは妹の私です」
「…黙って聞いてたけど豊和を甘やかすのは私なんだから!」
「「…誰だったっけ??」」
「さっき自己紹介したでしょ!アタシはコイツの護衛をしている凛よ!」
「「…ふ~ん」」
「くっ…全く興味ない感じね…。でも、いいのかしら…そんな態度で…」
「「どういう意味?」」
「アタシはいずれコイツの嫁の1人になるのよ?既に見せ合いっこ自○してるんだからぁー!」
「「…はっ?」」
「ちょっ!?り、凛!?何故今言うの!?」
「どういう事…弟君?」
「…兄さんどういう事です?」
「ひっ…」
(茜さんと雫ちゃんの目が据わっている…)
「ふふん…これがアタシよ?」
「ここで言う事じゃないからね?全く…」
一気に場が和んだ気が…はっ!もしかして凛はこの空気を払拭する為に?凛を見ると頬を赤く染めながらふんっとそっぽを向く…。凛…ありがとう…。でも、もう少し考えてね?ほらっ…僕の義姉妹?の2人の目が…。
「コホン…弟君…。お姉ちゃんに後で詳しく詳しく聞かせてね?」
「私にも詳しくお願いしますね兄さん?」
どうやら逃げられないみたいだ…。と、とにかく今は…
「…冴子さん。話の続きをお願いします」
「私とも自○を一緒にしましょうねと~よ~か~ず~君♡」
「させる訳ないわよね冴子?今そういう事言う所じゃないでしょ?その空気は終わったわよね?」
「ひっ…先輩!?わ、分かってますから!」
「早く話しなさい?」
「は、はい。ゴホン…霊園に古くから勤めてる人の1人が初音さん達と仲が良かったみたいで、その人が聞いた事を聞けたんだけど、豊和君がお腹の中に居る時に神楽坂さんと初音さんの両親はどうやら知り合ったみたいなのよ…」
「「お父さんとお母さんが?」」
「そうなんですね…」
「ええ。どういう経緯で仲良くなったのか知り合ったのかは分からなかったけど豊和君を産むまで一緒に暮らしてたみたいね…。そして豊和君を産んで…間も無く…」
「…亡くなった…んですね(母さん…でも、どうして…)」
「…病気だった所迄は聞いていたらしいけどそれ以上は分からなかったわ。とにかく豊和君を初音さんのご両親は我が子の様に可愛いがり育てたそうよ…」
「…だったら…本当に僕のお父さんやお母さんでもあったんですね…」
「弟君」
「兄さん」
茜さんと雫ちゃんが寄り添ってくれる。血の繋がりはないけど僕達は本当の家族だったんだね…。
「それで…墓参りに行った迄は良かったみたいなんだけど…」
「…そこで何かあったんですね?」
「…墓参りが終わり霊園から帰る途中にある直売所、いわゆるトイレとかもある道の駅ね。そこに猛スピードで一台の車が入って来て豊和君を車から降ろし、豊和君が店の中へ入ると同時に急発進して慌てて出て行く車が防犯カメラの映像に映っていたわ…。車はナンバーから分かったんだけど初音さんのご両親の車だったわ」
「…どうして僕だけ降ろしたんだろう?」
「…至る所にある他の防犯カメラとかからの映像を照らし合わせた結果…追いかけられていたみたいなの…」
「「「一体誰に!?」」」
「…ナンバーは割れてるから直に分かると思うわ…。何で追いかけていたのかもね…。でも…多分だけど…」
「…男性を見付けて我が物にしようとしていたんでしょう…ね」
「…先輩の言う通りだと思います…」
「そんな…」
「「お父さん…お母さん…」」
「そしておそらく…初音さんのご両親は自分達が万が一捕まっても豊和君だけは守れる様にそこで降ろし、後に迎えに来るつもりだったのね…。でも、逃げる為にスピードが出ていたから…ハンドル操作を誤って…」
「「「…………」」」
「…優しいお父さんとお母さんだったのね?」
「「ぐすっ…はい…」」
お父さんとお母さんのお陰で僕はこうして生きているんですね…。ありがとうございます、お父さん、お母さん…。
「…その後、豊和君はいつまでも戻って来ないご両親を捜しに行ったんだと思うわ。道の駅を出て行く豊和君の姿が映っていたから…。ただ、そこからの足取りは掴めてないわ…」
「そう…なんですね…」
******
後日、追い掛けていた車の犯人は捕まった。捕まったのは3人の女性。冴子さんと円香さんの言う通り、女装していたお父さんを見かけて男性だと気付き、男性を手に入れようと思って追い掛け回していたそうだ…。その3人は一生刑務署の中で暮らすらしい…。
そしてお父さんとお母さんの写真を見せて貰ったけど写真に映る2人は若々しく、優しそうだった…。
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