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第二部
彼女達と…
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「…昨日の今日でまた来て貰って悪いわね2人共…」
「いえ…」
「検査結果が出たの!?」
検査結果の一回目が早くも出た為、急遽私は彼女達、初音姉妹を先日会った喫茶店へと呼び出した。
「いつ…いつ弟君に会えるの?」
「兄さんようやく…」
「…言いづらいのだけれど…」
「「えっ…」」
「一回目の検査では残念だけど…」
「そんな…」
「嘘…嘘です!そんなの…そんなの…」
「弟君と過ごした記憶が私達にはあるんですよ!」
「姉さんの言う通りです!私達は嘘なんかついていません!」
「…今日呼び出したのはもう一つ聞きたい事があったのよ」
「何をですか?何でも答えます!」
「私も兄さんに会えるのなら、何でも聞いて下さい!」
昨日迄はまだ冷静だった妹さんの方も取り乱してしまっているわね…。それも仕方ないわね…。血縁者じゃないと言われたのだから。でも…私自身この子達が嘘を言ってる様にはどうしても思えなかった。だからこそこうして彼女達にまた会いに来たのだ…。
「何回かは検査をそのまま繰り返して行うけど私は結果は変わらないと思っている…。でも私はあなた達が嘘を言っている様には思えなかったの…」
「…でも会わせては貰えないんですよね?」
「私達は嘘なんか言わないのに…。兄さんどうして記憶を失ってるの?」
「写真とかは撮ってないのかしら?男の子が産まれたのなら記念にご両親が残してると思うのだけれど…」
「写真は無いです…」
「兄さんの存在は隠されていましたから…」
2人は項垂れたている。写真があれば少しは証明にもなったのだけれど…。まあ、豊和君みたいな存在なら隠すのも共感は出来る。口にはしないしそんな事思ってはいけないけどね…。
「じゃあ…豊和君が身に付けていたものとかは残ってない?」
「兄さんの身に付けていたもの…」
「え~と……弟君が口付けた…その~…」
「…姉さん?」
「ひゃい!ペットボトルとかスプーンとか…し、下着とかがあります」
「姉さん帰ったら分かってるよね?」
「ち、違うから!たまたま!そう、たまたまお姉ちゃんの部屋にね…あったの…」
「ふふっ…分かるわ~。女は好きな人には多少の変態が入るものよね?」
「わ、分かってくれますか冴嶋さん!!!」
がっしり…と握手を交わす。
「うわ~…(冴嶋さんって姉さんタイプ?)」
「雫ちゃん。その呆れた目で私を見るのはやめようね?」
「そうだよ雫?冴嶋さんは分かる人なんだからね?」
「わ、私は分かりたくないけど…」
「「ふっ、まだまだね…」」
「2人して同じことを!?私は変態になりたくないだけですから!」
「失礼だよ雫?冴嶋さんは普通だよ?神だよ?」
「ふふふ…茜ちゃんとはうまくやっていけそうね…。今度コスプレのイベントに誘ってあげるわ」
「いいんですか!?やったぁー!私、ずっとコスプレに興味あったんです!」
「ホントに!?良かったわ!そういう所まで気が合うみたいで…」
「ふ、2人共!そんな事よりも兄さんの身に付けた物を─」
******
久しぶりに同志ともいえる存在が見つかった事も良かったわ…。茜ちゃんなら良いコスプレイヤーになれるわ。素質ありそうだしね。もしかしたら私が取ったコスプレ・オブ・ザ・イヤーの賞も日本人2人目として取る事も夢では無いかも知れないわね…。私はそんな事を考えながら茜ちゃんから豊和君が使ってたとされる物を色々受け取り検査へと回した。
******
そして週末全ての検査結果が明らかになった。彼女達とは結局…血縁関係はなかった。しかしながら豊和君が身に付けていたものからは何とか本人が使ってた物と証明する事が出来た。それと、亡くなった彼女達の両親の事を改めて詳しく調べてみると新たに判明した事もあった。私は彼女達を連れて豊和君の家へと車を走らせたのだった…。
「いえ…」
「検査結果が出たの!?」
検査結果の一回目が早くも出た為、急遽私は彼女達、初音姉妹を先日会った喫茶店へと呼び出した。
「いつ…いつ弟君に会えるの?」
「兄さんようやく…」
「…言いづらいのだけれど…」
「「えっ…」」
「一回目の検査では残念だけど…」
「そんな…」
「嘘…嘘です!そんなの…そんなの…」
「弟君と過ごした記憶が私達にはあるんですよ!」
「姉さんの言う通りです!私達は嘘なんかついていません!」
「…今日呼び出したのはもう一つ聞きたい事があったのよ」
「何をですか?何でも答えます!」
「私も兄さんに会えるのなら、何でも聞いて下さい!」
昨日迄はまだ冷静だった妹さんの方も取り乱してしまっているわね…。それも仕方ないわね…。血縁者じゃないと言われたのだから。でも…私自身この子達が嘘を言ってる様にはどうしても思えなかった。だからこそこうして彼女達にまた会いに来たのだ…。
「何回かは検査をそのまま繰り返して行うけど私は結果は変わらないと思っている…。でも私はあなた達が嘘を言っている様には思えなかったの…」
「…でも会わせては貰えないんですよね?」
「私達は嘘なんか言わないのに…。兄さんどうして記憶を失ってるの?」
「写真とかは撮ってないのかしら?男の子が産まれたのなら記念にご両親が残してると思うのだけれど…」
「写真は無いです…」
「兄さんの存在は隠されていましたから…」
2人は項垂れたている。写真があれば少しは証明にもなったのだけれど…。まあ、豊和君みたいな存在なら隠すのも共感は出来る。口にはしないしそんな事思ってはいけないけどね…。
「じゃあ…豊和君が身に付けていたものとかは残ってない?」
「兄さんの身に付けていたもの…」
「え~と……弟君が口付けた…その~…」
「…姉さん?」
「ひゃい!ペットボトルとかスプーンとか…し、下着とかがあります」
「姉さん帰ったら分かってるよね?」
「ち、違うから!たまたま!そう、たまたまお姉ちゃんの部屋にね…あったの…」
「ふふっ…分かるわ~。女は好きな人には多少の変態が入るものよね?」
「わ、分かってくれますか冴嶋さん!!!」
がっしり…と握手を交わす。
「うわ~…(冴嶋さんって姉さんタイプ?)」
「雫ちゃん。その呆れた目で私を見るのはやめようね?」
「そうだよ雫?冴嶋さんは分かる人なんだからね?」
「わ、私は分かりたくないけど…」
「「ふっ、まだまだね…」」
「2人して同じことを!?私は変態になりたくないだけですから!」
「失礼だよ雫?冴嶋さんは普通だよ?神だよ?」
「ふふふ…茜ちゃんとはうまくやっていけそうね…。今度コスプレのイベントに誘ってあげるわ」
「いいんですか!?やったぁー!私、ずっとコスプレに興味あったんです!」
「ホントに!?良かったわ!そういう所まで気が合うみたいで…」
「ふ、2人共!そんな事よりも兄さんの身に付けた物を─」
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久しぶりに同志ともいえる存在が見つかった事も良かったわ…。茜ちゃんなら良いコスプレイヤーになれるわ。素質ありそうだしね。もしかしたら私が取ったコスプレ・オブ・ザ・イヤーの賞も日本人2人目として取る事も夢では無いかも知れないわね…。私はそんな事を考えながら茜ちゃんから豊和君が使ってたとされる物を色々受け取り検査へと回した。
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そして週末全ての検査結果が明らかになった。彼女達とは結局…血縁関係はなかった。しかしながら豊和君が身に付けていたものからは何とか本人が使ってた物と証明する事が出来た。それと、亡くなった彼女達の両親の事を改めて詳しく調べてみると新たに判明した事もあった。私は彼女達を連れて豊和君の家へと車を走らせたのだった…。
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