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第二部
彼女が…
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あの後すぐに先生達に男性管理局の人達が駆け付けて来た。それから当然の様に警察の人達も来る事に。学校は授業どころでは無くなくなり登校していた生徒には何をしていたか?早い話アリバイ等を聞いた後自宅へと一度帰される事になった。僕はというと一先ず柚希、凛、風華、梓希、優奈ちゃんと共に職員室へ。冴子さんは今回の事で色々言われているみたいで申し訳なく思う。今もひっきりなしに電話等の対応に追われている最中だ…。
「…大丈夫お兄ちゃん?」
「ん…うん…大丈夫だよ梓希…」
「お兄ちゃん…気にしないでって私が言っても気にしてしまうと思うけど…私がお兄ちゃんの傍に居るから…辛かった言ってね?」
大丈夫…って言った手前あれなんだけど、結構精神的っていうのかな?ちょっと…いや、かなり堪えてしまった…。人ってちょっとした事で嫉妬や恨み等の負の感情を抱いてしまう。そういう生き物だ。心を持っているのだから。みんながみんな負の感情等を持たないで仲良く過ごせるのなら世界は平和だよね。そんな事は分かっていた筈なのにズタボロになった自分の物や死ねという汚い言葉が心に突き刺さってしまった…。
出会ってまだ短い期間ながらも彼女達に僕は知らず知らずの内に心の拠り所にしているのかもしれない。傷付いた心を少しでも癒したくて…ただ甘えたかったんだとも思う。心配して傍に来て声を掛けてくれた梓希を引き寄せ抱き締めていた…。
「おおおおおおお兄ちゃん/////!?」
(こここここりはかにゃりマズい!?お兄ちゃんの匂い…くりゃくりゃしてくりゅう…)
「……暫くこのまま…いい?」
「!?…………うん」
(変な事考えてごめんねお兄ちゃん…辛かったんだよね…)
「「「「「ちょっ!?…………」」」」」
私達は梓希を急に抱き締めた豊和君に抱き締めるなら私をと言おうとして豊和君の顔を見て言うのを止めた…。私にはあの時と同じ様に私達の家に来た時に見せた涙を流した豊和君の姿と重なって見えていた…。
(…あんな辛い顔させるなんて…)
(絶対許さない!)
(犯人には報いを…です)
(…先輩)
******
あれから冴子さんの部下の女性に車で送ってもらい自宅へと帰った。家に帰ると心配して待っててくれた円香さんに暫くの間抱き締められされるがままになっていた。本当に温かい…。
その日の夕方に犯人の指紋がズタボロになったジャージから取れたと連絡が入る。普通の事件で指紋鑑定は10日前後。重大事件でその日のうちに分かるらしい。今回はかなり急ピッチで進めたそうだ…。そして教えて貰った事は犯人が未成年という事…。今週はこんな事があった為に学校は休校が決まっている。考えたくないけど、もし…もし同じクラスの子が犯人なら休校明けからもうその子は学校へと来ない筈だ。僕はまだ戻っていない冴子さんへと電話をする事にした。
『…どうしたの豊和君?心配と言っていいのか分からないけど犯人は捕まったわよ…』
「…その犯人の事でお話が…」
『…どういった事?』
「誰がしたのか知りたいんです」
『それは教えられないわ…』
「どうしても知りたいんです!」
『無理…よ』
「なら…精子の提出をお断りします。男性ランクも取り消して貰って構いませんので…」
『ちょっ!?豊和君!?それは駄目よ!下手したら国から監禁されてもなんらおかしくないのよ!?』
「なら…死にます」
『……ああ…もう…私にどうしろと…』
「同じクラスの子…ですか?」
『……………ええ…残念だけど…ね』
心臓が大きく跳ねた気がした…。
「…そう…ですか…。ふぅぅー…捕まったのは眞島さんですか?」
『…っ!?……どうして分かったの?』
あの時、梓希を抱き締めて落ち着いた後、学校の防犯カメラの位置を聞いたんだ。どこの学校でも正面玄関や校門等には設置してある筈だから。そしてそれは思った通りだった。どうしても確認したい事があると言ってそこでも冴子さんに無理を言って見せて貰った。そして昨日の夕方、僕達が帰る所からの防犯カメラの映像を見せて貰うと僕のクツ箱に手をサッっと入れる眞島さんの姿が映っていたんだ。画鋲を入れたのが眞島さんだったのなら、もしかしたらとふと思ったんだ…。
「…ホントに、眞島さんが?」
『…今…彼女は取り調べを受けているみたいね…。切り刻まれた服からは豊和君の指紋と彼女の指紋が出たそうよ…』
それを聞いて僕は彼女に会う事を決めたんだ…。一応彼女は僕の鞄を含めて触れてるし指紋はついてる筈だからね。まあ、それだけじゃないんだけど…。僕は準備して冴子さんが来るのを待つ事に。
「…大丈夫お兄ちゃん?」
「ん…うん…大丈夫だよ梓希…」
「お兄ちゃん…気にしないでって私が言っても気にしてしまうと思うけど…私がお兄ちゃんの傍に居るから…辛かった言ってね?」
大丈夫…って言った手前あれなんだけど、結構精神的っていうのかな?ちょっと…いや、かなり堪えてしまった…。人ってちょっとした事で嫉妬や恨み等の負の感情を抱いてしまう。そういう生き物だ。心を持っているのだから。みんながみんな負の感情等を持たないで仲良く過ごせるのなら世界は平和だよね。そんな事は分かっていた筈なのにズタボロになった自分の物や死ねという汚い言葉が心に突き刺さってしまった…。
出会ってまだ短い期間ながらも彼女達に僕は知らず知らずの内に心の拠り所にしているのかもしれない。傷付いた心を少しでも癒したくて…ただ甘えたかったんだとも思う。心配して傍に来て声を掛けてくれた梓希を引き寄せ抱き締めていた…。
「おおおおおおお兄ちゃん/////!?」
(こここここりはかにゃりマズい!?お兄ちゃんの匂い…くりゃくりゃしてくりゅう…)
「……暫くこのまま…いい?」
「!?…………うん」
(変な事考えてごめんねお兄ちゃん…辛かったんだよね…)
「「「「「ちょっ!?…………」」」」」
私達は梓希を急に抱き締めた豊和君に抱き締めるなら私をと言おうとして豊和君の顔を見て言うのを止めた…。私にはあの時と同じ様に私達の家に来た時に見せた涙を流した豊和君の姿と重なって見えていた…。
(…あんな辛い顔させるなんて…)
(絶対許さない!)
(犯人には報いを…です)
(…先輩)
******
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その日の夕方に犯人の指紋がズタボロになったジャージから取れたと連絡が入る。普通の事件で指紋鑑定は10日前後。重大事件でその日のうちに分かるらしい。今回はかなり急ピッチで進めたそうだ…。そして教えて貰った事は犯人が未成年という事…。今週はこんな事があった為に学校は休校が決まっている。考えたくないけど、もし…もし同じクラスの子が犯人なら休校明けからもうその子は学校へと来ない筈だ。僕はまだ戻っていない冴子さんへと電話をする事にした。
『…どうしたの豊和君?心配と言っていいのか分からないけど犯人は捕まったわよ…』
「…その犯人の事でお話が…」
『…どういった事?』
「誰がしたのか知りたいんです」
『それは教えられないわ…』
「どうしても知りたいんです!」
『無理…よ』
「なら…精子の提出をお断りします。男性ランクも取り消して貰って構いませんので…」
『ちょっ!?豊和君!?それは駄目よ!下手したら国から監禁されてもなんらおかしくないのよ!?』
「なら…死にます」
『……ああ…もう…私にどうしろと…』
「同じクラスの子…ですか?」
『……………ええ…残念だけど…ね』
心臓が大きく跳ねた気がした…。
「…そう…ですか…。ふぅぅー…捕まったのは眞島さんですか?」
『…っ!?……どうして分かったの?』
あの時、梓希を抱き締めて落ち着いた後、学校の防犯カメラの位置を聞いたんだ。どこの学校でも正面玄関や校門等には設置してある筈だから。そしてそれは思った通りだった。どうしても確認したい事があると言ってそこでも冴子さんに無理を言って見せて貰った。そして昨日の夕方、僕達が帰る所からの防犯カメラの映像を見せて貰うと僕のクツ箱に手をサッっと入れる眞島さんの姿が映っていたんだ。画鋲を入れたのが眞島さんだったのなら、もしかしたらとふと思ったんだ…。
「…ホントに、眞島さんが?」
『…今…彼女は取り調べを受けているみたいね…。切り刻まれた服からは豊和君の指紋と彼女の指紋が出たそうよ…』
それを聞いて僕は彼女に会う事を決めたんだ…。一応彼女は僕の鞄を含めて触れてるし指紋はついてる筈だからね。まあ、それだけじゃないんだけど…。僕は準備して冴子さんが来るのを待つ事に。
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