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第一部

初の告白

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 重なっていた唇が離れる…。

「天音…何を?」

「えへへっ なんだか…凄く緊張するね?」

 いや…そりゃあキスしたら緊張するだろうけども…

「…キスシーンの…その…予定があるのか?」

「豊和君はどう思う?もし…あったら嫌?」


 嫌?って、そんな風に聞かれると…余計に答えようがないんだがっ!?赤星さんは何を笑いを堪えようとしてるんですかっ!?堪えきれてませんよ?社長命令で残業を命じても良いですか?まあ、そんな事はしないけども…。

「えっ…と…」

 推しというか知り合いがそういうのを見るのは…嫌だよな?

「あんまり良い気はしない…かな」

「じゃあ…私の唇どうだったかな?ファーストキスなんだよ?」

 これもまた答え辛い…。

「…ちゃんと答えて?」

 ちゃんと答えてって言われても…。ふと、表情を見ると頬を紅く染めてはいるものの俺をまっすくに見ている天音に気がついた。これは答えないわけにはいかないな…。そう思った俺は言葉が乏しいもののありのまま伝える事に。

「…柔らかかったし…光栄だな…」

「そっかぁ♪私も唇ってこんなに柔らかいだなぉ~と思ったよ?」

「…さいですか…」

「ねぇ…」

「…んっ?」

「さっきの告白も…キスも含めて演技なんかじゃあないからね?」

「…えっ?」

「私ね…ずっと豊和君に抱いていたものがあるんだ…。初めての気持ちだったから…最近までそれがなんなのか分からなかったんだけどね…」

「………」

「私…豊和君が好きだよ」

「っ!?」

「嘘偽りなく…豊和君が好き。それにようやく気がついたんだ。誰にも渡したくないって…だから…私を見て欲しいの」

「それは…見てるけども…そういう意味じゃないんだよな?」

「うん。そういう意味じゃなくて…私を一人の女性として好きになって欲しいって…見て欲しいと思ってる。これからも…その…頑張るから…豊和君にはそれを一番近くで見て欲しいんの…」


 ヒロインの一人からそんな風に告白されるなんて思ってもいなかった…。赤星さんは頃合いを見計らっていたのか、天音に駆け寄ると「やるじゃない♪天音っ♪」とか言ってるし…。

 天音も天音で「頑張りました!」と、言ってる以上…冗談やドッキリではないんだろうな。

「返事は…待ってもらえるか?」

「うん。勿論だよ。理由は先日聞いた事に関係してるんだよね?」

「…うん」


 その後で聞いた話によると最初から告白するつもりだったらしい。まあ、赤星さんも知っていたみたいだな。キスするとまでは思っていなかったらしいんだけど…。それだけ本気なんだと伝えられてしまった。








***
あとがき

優花「んなっ!?」

凛「な、なんてっ!?」

日和「歌羽っち…やるなぁ~」

芽依「んまぁぁぁぁ~~~むがぁぁぁぁ~」

愛「芽依様は先日からまともに喋れなくなりましたね」

水樹「歌羽さん…大胆…」

風花「これ…私達出番あるの?」

優花「あ、当たり前でしょっ!?わ、私は…負けないもん」

凛「私だって…」

日和「アタシも…負けたくないわな」



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