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第一部

凛からの呼び出し

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「凛…入るぞ?」 

 凛から連絡があったので俺は久し振りに凛の家へと向かった。家には誰も居ないので勝手に部屋まで入って来てと言われたんだが…何だか泥棒してるみたいで落ち着かないな。

 凛の部屋に入ったのは小さい頃だったし、それも仕方のない事だといえるだろう。 それに鍵を開け放しって不用心にも程があるだろうに…。

 俺はそう思いながらも言われた通りに家の中へとお邪魔して、階段を上り凛の部屋の前へ。

 そしてコンコンっと軽く部屋のドアをノック…。 

「凛…来たけど?」 

 返事がない…もしかして寝てる?どうしたもんかと思うものの… 

「勝手に入って来てって言ってたし…いいよな? 凛、入るぞ?」 

 部屋のドアを開け…部屋を見渡すとベッドが膨らんでいる…。ちょっと遅くなってしまったから待ちくたびれて寝てしまったのだろう…。

 それにしてもホントに不用心だぞ?襲われたらどうするんだよ? 

「ホントに寝てるとは…凛、お~い、凛?」 


 ベッドに近付き膨らんでる場所を声を掛けながら揺すってみる。 

「んっ? 凛?」 

膨らんでる箇所を揺すってみたものの、それにしては…ベッドには人が居ないようなそんな感触しか伝わってこない…。まるでそこに人が居るかの様に見せ掛けるだけの… 

「…豊ちゃん」 

「ゔぉっ!?」 

 突然…背後から凛の声…。俺はビックリして変な声を発してしまう…。 

「はぁ~~~ 驚かすなよな? りっ…ん…」 

 俺は凛のイタズラに一杯喰わされたかと思いながら後方へと振り返る…。そして…二度目となる驚きと視界に入ってきた情報に…声が一瞬出せなくなってしまう…。 

「……っ…なっ…何で…り…ん?」 

「…待ってたよ…豊ちゃん…」   

 ─パタンとこちらを向いたまま後ろ手で部屋のドアを閉める凛。 

「ま、待ってたって…凛…その格好は…」 

 生まれたままの姿の凛に俺は視線をどこに向ければいいのやら分からずに困惑してしまう…。 

「ねぇ…豊ちゃん…ちゃんと私を見てよ?」

「見てって…言われても…」 

「こんな事するの…最期だから…だから…」 

「最後って…凛?」 

 俺は…凛を見据える…。すると…いつもとは違う凛の表情…。何か差し迫ったかの様なそんな表情が垣間見えた…。 

「やっと…私を…見てくれた…」 

「凛…」 

「ねぇ…豊ちゃん…私…どうかな?」 

「…どうって?」 

「女として…見れる?どこも…汚くないかな?私の裸見て…興奮したりする?」 

 俺は凛の元へと近付き…凛を抱き寄せた。そうして話しないと凛が何処か遠くへ行ってしまう…そんな予感…いや、確信があったからだ。 

「凛…もうだから」 

「…えっ?」 

「凛が心配するような事はもうないよ?」 

「豊ちゃん? 何をっ…何を言って──」 

「こんな事しなくても…凛は綺麗だし、可愛いし、凛を見ていると正直に言うと興奮もするよ?それに絶対に凛は汚れてなんかいないよ?はもう居ない…。あのゲームセンターも明日には取り壊す予定だからさ。だからもう何も心配しなくていいんだ。忘れられないと思う…でも…そんな時はいつでも俺を頼ってくれていいから…」 

「豊…ちゃん?ど、どうして…それを知って…」

「今日の朝…たまたまだったんだけど、部屋の窓から凛の姿が見えたんだ。でも…いつもと違って凛の様子がおかしかったからさ。それで…何かあったんじゃないかって…」 

「豊ちゃんっ!豊ちゃ…私ぃぃ…私ぃ…怖くて…どうしようか…うぐっ…ずっと…ひっく…悩んでっ…うぇぇぇん────」 

「もう…大丈夫だから…なっ?」 

 あんな事があったんだ。凛はよっぽど張り詰めていたんだと…最悪…死ぬつもりだったんじゃないかと…そんな風に思える…。 

 凛の様子がおかしかった事に気付けて本当に良かった。あの男の処分は言うまでもなく悠介さん経由で片付けてもらった。凛に…俺の身近な大切な子にあんな事をしでかしてたんだからな。

 正直に言って許せる訳がない。凛はそれだけ傷ついていたのだから…。それにあのゲームセンター自体も凛にとっては嫌な思い出しかないだろうから凛に言った通り明日には取り壊してもらう予定だ。

 とにかく…データも処分したし、凛を脅かすものはもう何もないって訳だ…。 凛は俺の胸で散々泣いた後…俺の服を握りしめたまま…そのまま眠ってしまった。せっかく安心して眠った凛を起こす訳にはいかないので…

 凛を抱えた俺はそのままベッドへ横になる事に…。 まあ、そうなると…後は俺の理性の問題となるわけで…初めて目の前で見た女性の裸はとても綺麗で…また…胸の二つの突起物の色が桜色というのも…全てを含めて一度焼き付いたら脳裏から離れない…。凛が寝てるからと言ってマジマジと見ているわけではないからな!? 



 とにかくそんなわけで…理性と必死に戦っているうちに俺もそのまま夢の中へと落ちていった…。 こりゃあ…また…自分で発散しないといけないな…と、そう思いながら…。 





***
あとがき 

優花「ちょおーい!?凛ちゃんが助かったのはいいけど、同衾しているじゃないのっ!?しかも初めて目の前で見たって何っ!?やっぱりエロ本を隠し持ってる!?」 

日和「それな?アタシなんかまだ助けてもらった事も知らないっていうのによぅ」 

天音「…なんか…羨ましいな」 

優花「くっ…とにかく…私も今度潜り込んで…」 

天音「そっちじゃなくて…いえ、そっちも羨ましいけど…」 

優花「?」 

天音「こう…いつもとは違う様子に気付いてくれるなんて…本当に羨ましいって…幼馴染っていいな…って」 

優花「私も幼馴染なんだけどっ!?」 

芽依「凛ちゃんは優花さんより付き合い長いからね」 

優花「そ、そんなの…羨ましくなんてないんだからねっ!?」 

愛「羨ましさ…ダダ漏れですよ、お嬢様?」

優花「わざわざ言わなくていいからっ!?」
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