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第一部
歌羽天音①
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私は小さい頃からアイドルになるのが夢だった。テレビ等で歌って踊って輝いているその姿を観る度に私もああいう風になりたいと心からそう思っていた。 幼い頃からピアノに踊りに歌のレッスン。勿論勉学も疎かにはせずに上位をキープ。
自分磨きも勿論忘れない。美容に良いことや食べる物にまで気を遣った。その甲斐あってか小学生の時にオーディションを受けて見事合格。大手の芸能事務所に所属する事が出来た。
どんなに小さな仕事でも確実に堅実に一つずつこなしていく。そのうちにドラマへの出演の話が私の元へ。しかも主演だというお話。より飛躍する大きなチャンスだと思えた。
毎日台本を読みながら演技の練習──
でも…そんな時に私が所属する芸能事務所の不祥事が発覚した。所属するアイドルを議員に献上していた事が公になった…。当然それは世間を賑わせる事になって、ドラマの話は一度流れる事になった。
事務所が無くなり途方に暮れそうになったんだけど、また一から…オーディションからやり直そうと思いなおした。そんな矢先に今の芸能事務所から声を頂いたの。
「はじめまして、歌羽さん。私はホロホロプロダクションの赤星《あかほし》と申します」
「ホロホロプロダクション?」
聞いた事がない芸能事務所の名前だ…。
「うちはまだ設立されたばかりなので聞いた事ないですよね?私はそこでスカウトする職に就かせてもらってます。単刀直入に言わせて下さい。歌羽さんに是非うちの事務所に所属してもらいたいのです」
「そうなんですね。私を…」
「はい。私達の事務所は設立されたばかりですし、大手の芸能事務所であんな不祥事もあった事ですから、おいそれとは返答をいただけないのは重々承知しておりますよ」
設立されたばかりの事務所…。そこが気になったのを覚えてる。
「ただ…」
「…ただ?」
「うちに所属して頂けるのなら、一番最初の仕事の依頼としてドラマに出演してもらう事になります。しかも主演です」
「ドラマにっ!?しかも…主演…」
「そのドラマは元々歌羽さんが出演予定だったあのドラマになります」
「ホントにっ!?」
「ええ。しっかりと契約書もありますし、ドラマの後は歌手デビューもお約束します。このデモテープを聴いてみてください。これがあなたのデビュー曲になる予定の曲になります」
私は渡された音楽再生機器を手に取り、イヤホンを耳にあてる。スイッチを押して再生すると…音楽が流れ始め──
「っ!?」
それは今まで聴いた事がない音楽。歌っているのは誰だか分からない。歌声が合成されているから…。でも…こ、こんな素晴らしい歌を私が歌えるのっ!?
「こ、コレは誰が作ったの?あっ、すいません。この歌は誰が作ったんでしょうか?」
「ああ、作ったのはうちの社長ですね。それは差し上げますので、返事が決まりましたら─」
「ま、待って下さい!返事は今させて下さいっ!どうかっ、私をそちらの事務所に入れて下さい!」
「えっ…と…よ、宜しいのですか?返事は今すぐではなくても私どもは歌羽さんをお待ちしていますよ?」
「いえ、お願いします!私はもう決めましたので」
「…分かりました。ありがとうございます!決して後悔はさせません」
「はい!」
そうして今の事務所に入った私の初の仕事は一度流れてしまったドラマへの出演からだった。お話でもあった通り主演で、しかもドラマは月九の枠だった。月九といえば人気のドラマが数多くあり、視聴者に観てもらえる時間帯でも有名だ。
私は演技指導を受けながら、役を熱演。ドラマは高視聴率を叩き出し、ドラマのアカデミー賞の主演女優賞を頂き、一躍時の人に。
「同情するなら愛をくれっ!」
ドラマで私が言ったこの台詞は流行語大賞にも選ばれる事に。
そして、ドラマが終わると私の歌手デビュー。デビュー曲はトリプルミリオンを達成。私はナンバーワンアイドルと呼ばれる様になった…。でもそれは…歌と音楽のお陰だと私は思っている…。
***
あとがき
優花「あのドラマ好きだったなぁ」
凛「ホントにね」
日和「泣けるんだよなぁ…」
芽依「物語がまたいいし、主題歌がまた良かったんだよね」
愛「ああ。その曲もトリプルミリオン達成してましたね☆」
優花「ホント誰が歌ってたのかしら?」
愛「おやぁ~おやおやぁ~~」
優花「…何よ、愛。その私は知ってますよ?お嬢様は知らないのですか?とでも言いたそう様な表情は?」
愛「ホントにお分かりでない?」
優花「…まさか…嘘っ…」
凛「嘘でしょ?」
日和「そうなのかっ!?」
優花「まさか…お父さん?」
「「「「「それはない!」」」」」
芽依「優花さんて…天然?」
優花「違うわよっ!」
自分磨きも勿論忘れない。美容に良いことや食べる物にまで気を遣った。その甲斐あってか小学生の時にオーディションを受けて見事合格。大手の芸能事務所に所属する事が出来た。
どんなに小さな仕事でも確実に堅実に一つずつこなしていく。そのうちにドラマへの出演の話が私の元へ。しかも主演だというお話。より飛躍する大きなチャンスだと思えた。
毎日台本を読みながら演技の練習──
でも…そんな時に私が所属する芸能事務所の不祥事が発覚した。所属するアイドルを議員に献上していた事が公になった…。当然それは世間を賑わせる事になって、ドラマの話は一度流れる事になった。
事務所が無くなり途方に暮れそうになったんだけど、また一から…オーディションからやり直そうと思いなおした。そんな矢先に今の芸能事務所から声を頂いたの。
「はじめまして、歌羽さん。私はホロホロプロダクションの赤星《あかほし》と申します」
「ホロホロプロダクション?」
聞いた事がない芸能事務所の名前だ…。
「うちはまだ設立されたばかりなので聞いた事ないですよね?私はそこでスカウトする職に就かせてもらってます。単刀直入に言わせて下さい。歌羽さんに是非うちの事務所に所属してもらいたいのです」
「そうなんですね。私を…」
「はい。私達の事務所は設立されたばかりですし、大手の芸能事務所であんな不祥事もあった事ですから、おいそれとは返答をいただけないのは重々承知しておりますよ」
設立されたばかりの事務所…。そこが気になったのを覚えてる。
「ただ…」
「…ただ?」
「うちに所属して頂けるのなら、一番最初の仕事の依頼としてドラマに出演してもらう事になります。しかも主演です」
「ドラマにっ!?しかも…主演…」
「そのドラマは元々歌羽さんが出演予定だったあのドラマになります」
「ホントにっ!?」
「ええ。しっかりと契約書もありますし、ドラマの後は歌手デビューもお約束します。このデモテープを聴いてみてください。これがあなたのデビュー曲になる予定の曲になります」
私は渡された音楽再生機器を手に取り、イヤホンを耳にあてる。スイッチを押して再生すると…音楽が流れ始め──
「っ!?」
それは今まで聴いた事がない音楽。歌っているのは誰だか分からない。歌声が合成されているから…。でも…こ、こんな素晴らしい歌を私が歌えるのっ!?
「こ、コレは誰が作ったの?あっ、すいません。この歌は誰が作ったんでしょうか?」
「ああ、作ったのはうちの社長ですね。それは差し上げますので、返事が決まりましたら─」
「ま、待って下さい!返事は今させて下さいっ!どうかっ、私をそちらの事務所に入れて下さい!」
「えっ…と…よ、宜しいのですか?返事は今すぐではなくても私どもは歌羽さんをお待ちしていますよ?」
「いえ、お願いします!私はもう決めましたので」
「…分かりました。ありがとうございます!決して後悔はさせません」
「はい!」
そうして今の事務所に入った私の初の仕事は一度流れてしまったドラマへの出演からだった。お話でもあった通り主演で、しかもドラマは月九の枠だった。月九といえば人気のドラマが数多くあり、視聴者に観てもらえる時間帯でも有名だ。
私は演技指導を受けながら、役を熱演。ドラマは高視聴率を叩き出し、ドラマのアカデミー賞の主演女優賞を頂き、一躍時の人に。
「同情するなら愛をくれっ!」
ドラマで私が言ったこの台詞は流行語大賞にも選ばれる事に。
そして、ドラマが終わると私の歌手デビュー。デビュー曲はトリプルミリオンを達成。私はナンバーワンアイドルと呼ばれる様になった…。でもそれは…歌と音楽のお陰だと私は思っている…。
***
あとがき
優花「あのドラマ好きだったなぁ」
凛「ホントにね」
日和「泣けるんだよなぁ…」
芽依「物語がまたいいし、主題歌がまた良かったんだよね」
愛「ああ。その曲もトリプルミリオン達成してましたね☆」
優花「ホント誰が歌ってたのかしら?」
愛「おやぁ~おやおやぁ~~」
優花「…何よ、愛。その私は知ってますよ?お嬢様は知らないのですか?とでも言いたそう様な表情は?」
愛「ホントにお分かりでない?」
優花「…まさか…嘘っ…」
凛「嘘でしょ?」
日和「そうなのかっ!?」
優花「まさか…お父さん?」
「「「「「それはない!」」」」」
芽依「優花さんて…天然?」
優花「違うわよっ!」
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