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第三十七話
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学校帰りに1人街へと繰り出した。結伊達にはまだ返事はしてない。俺は…春が好きだし、それは変わっていないからだ。だから付き合えないと断ろうと俺は思って一度は断ろうとしたものの、それを断わられた形だ。必ず好きにさせてみせるから返事はいらないと先に言われた。3人共俺に想い人がいるのにはどうやら気付いてはいる様だ。多分歩美から伝わったんだと思う。
ホント俺なんかのどこがいいのだろうか?俺自身不思議でならない。 とにかく、街へと繰り出したのはもうすぐ春の誕生日だからだ。今年は何を贈ろうか…。 そんな事を思いながら物を物色して歩いていると、
「今、彼氏居ないしょっ?俺達と遊ぼうよ?」 「そうそう、良いところ知ってるんだよ?」 「絶対損はさせないって!」
「…彼氏を待ってるってさっきから言ってるでしょっ?」
「またまたぁ~ そんな事言っちゃって」
「さっきから全然彼氏こないじゃん?」
「どうせ嘘なんでしょっ?騙されたと思って俺達に付き合ってよ?」
「…だから…さっきから私は嫌と言ってるわよね?」
聞いた事ある声の方に視線を向けると同じ歳位の男が3人、1人の女性を取り囲む様にしながらそんな会話をしている。しつこいナンパみたいだ。そしてナンパされているのは見知った顔で…
「デジャヴか?」
何か前にもこういった事があったなぁ…と、思いながらもその女性へと駆け寄り声を掛ける。
「ごめんごめん。庵、遅くなって悪い。で、俺の彼女に何か用か?」
庵先輩は俺の話に合わせるかの様に俺の腕に抱きついてくる。
「だから彼氏が居ると私は言ったでしょ?」
「マジだったのか…」
「ちぇっ…」
「こりゃ、残念」
そう言いながら男達はそそくさとその場を後にした。その際、あんまりしつこいと警察呼ばれるぞ?と、一言言っておいたのは言うまでもない。
男達の姿が見えなくなってから俺は庵先輩へ改めて声を掛ける。
「もう大丈夫ですよ、庵先輩?」
「くすっ…また助けられちゃったわね?」
「相変わらずモテるみたいですね?庵先輩は」
「あんな風にしつこく声を掛けられると毎回断るのに大変なんだよ?それと…」
「?」
「さっきみたいに庵って呼んでくれても私は構わないんだけど?」
「いや、それは…」
「むぅ~~~」
頬をぷくっと膨らます先輩のその仕草はなんだか歳上の先輩というよりは歳下の後輩みたいに見えてつい微笑ましくなってしまう。
「あっ…何か歳下扱いしてない?」
女性ってこういう時なんで鋭いんだろうな?
「そ、そんな事はないですよ?」
「うん、私の目をちゃんと見てからその言葉をもう一度言ってみようか?」
「と、とにかく…庵先輩に何事もなくて良かったですよ」
「誤魔化したのは明らかなんだけど…そういう返しはズルいと思うよ?」
「何がズルいんですっ!?ズルいとこありました?」
「うん、あったあった。鈍感な聖夜君には分からないだろうけどね?」
そう言って片目を瞑り、ペロッっと舌を出す庵先輩。庵先輩にも鈍感と思われているとは本当に鈍感なんだなとヘコんでしまうな…。
「ちょっ!?そんなに落ち込まなくても…そ、そうだ。聖夜君はそもそもどうしてここに?」
「ああ。もうすぐ姉さんの誕生日だから、そのプレゼントを買いにね?」
「ふ~ん。そっかぁ、春さんの…。だったら…私も付き添っていい?」
「先輩は用事とかは大丈夫なんです?」
「友達に付き添った帰りだから気にしないでいいよ?」
「それなら…付き添ってもらおうかな。何が流行りなのかは俺は疎いし…。それに…」
「?」
「庵先輩が一人で帰ったらまたナンパされてもアレでしょうし、どっちにしろ俺が庵先輩を送ろうかと思ってましたので…」
「っ!?そ、そういうとこだよ!?」
「何がですっ!?」
「い、いいから行くよ!?ほら、早く!」
「ちょっ…急に手を引かないで下さいよ~」
「それと…」
「はい?」
「ありがとうね?」
「はい」
そんな感じで姉さんの誕生日プレゼントを庵先輩と選ぶ事になったんだけど…この後、また告白される事になるとは俺は1ミリたりとも思っていなかった。
ホント俺なんかのどこがいいのだろうか?俺自身不思議でならない。 とにかく、街へと繰り出したのはもうすぐ春の誕生日だからだ。今年は何を贈ろうか…。 そんな事を思いながら物を物色して歩いていると、
「今、彼氏居ないしょっ?俺達と遊ぼうよ?」 「そうそう、良いところ知ってるんだよ?」 「絶対損はさせないって!」
「…彼氏を待ってるってさっきから言ってるでしょっ?」
「またまたぁ~ そんな事言っちゃって」
「さっきから全然彼氏こないじゃん?」
「どうせ嘘なんでしょっ?騙されたと思って俺達に付き合ってよ?」
「…だから…さっきから私は嫌と言ってるわよね?」
聞いた事ある声の方に視線を向けると同じ歳位の男が3人、1人の女性を取り囲む様にしながらそんな会話をしている。しつこいナンパみたいだ。そしてナンパされているのは見知った顔で…
「デジャヴか?」
何か前にもこういった事があったなぁ…と、思いながらもその女性へと駆け寄り声を掛ける。
「ごめんごめん。庵、遅くなって悪い。で、俺の彼女に何か用か?」
庵先輩は俺の話に合わせるかの様に俺の腕に抱きついてくる。
「だから彼氏が居ると私は言ったでしょ?」
「マジだったのか…」
「ちぇっ…」
「こりゃ、残念」
そう言いながら男達はそそくさとその場を後にした。その際、あんまりしつこいと警察呼ばれるぞ?と、一言言っておいたのは言うまでもない。
男達の姿が見えなくなってから俺は庵先輩へ改めて声を掛ける。
「もう大丈夫ですよ、庵先輩?」
「くすっ…また助けられちゃったわね?」
「相変わらずモテるみたいですね?庵先輩は」
「あんな風にしつこく声を掛けられると毎回断るのに大変なんだよ?それと…」
「?」
「さっきみたいに庵って呼んでくれても私は構わないんだけど?」
「いや、それは…」
「むぅ~~~」
頬をぷくっと膨らます先輩のその仕草はなんだか歳上の先輩というよりは歳下の後輩みたいに見えてつい微笑ましくなってしまう。
「あっ…何か歳下扱いしてない?」
女性ってこういう時なんで鋭いんだろうな?
「そ、そんな事はないですよ?」
「うん、私の目をちゃんと見てからその言葉をもう一度言ってみようか?」
「と、とにかく…庵先輩に何事もなくて良かったですよ」
「誤魔化したのは明らかなんだけど…そういう返しはズルいと思うよ?」
「何がズルいんですっ!?ズルいとこありました?」
「うん、あったあった。鈍感な聖夜君には分からないだろうけどね?」
そう言って片目を瞑り、ペロッっと舌を出す庵先輩。庵先輩にも鈍感と思われているとは本当に鈍感なんだなとヘコんでしまうな…。
「ちょっ!?そんなに落ち込まなくても…そ、そうだ。聖夜君はそもそもどうしてここに?」
「ああ。もうすぐ姉さんの誕生日だから、そのプレゼントを買いにね?」
「ふ~ん。そっかぁ、春さんの…。だったら…私も付き添っていい?」
「先輩は用事とかは大丈夫なんです?」
「友達に付き添った帰りだから気にしないでいいよ?」
「それなら…付き添ってもらおうかな。何が流行りなのかは俺は疎いし…。それに…」
「?」
「庵先輩が一人で帰ったらまたナンパされてもアレでしょうし、どっちにしろ俺が庵先輩を送ろうかと思ってましたので…」
「っ!?そ、そういうとこだよ!?」
「何がですっ!?」
「い、いいから行くよ!?ほら、早く!」
「ちょっ…急に手を引かないで下さいよ~」
「それと…」
「はい?」
「ありがとうね?」
「はい」
そんな感じで姉さんの誕生日プレゼントを庵先輩と選ぶ事になったんだけど…この後、また告白される事になるとは俺は1ミリたりとも思っていなかった。
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