恋愛ゲームのヒロインにガチ恋~転生したのは大好きなヒロインが居る世界。でも弟として~

美鈴

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第三十五話

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更新遅れてすいません!二度目の入院、療養しておりました!体調次第にはなりますが更新頑張りますので引き続き宜しくお願いします!


********************




アタシは家に帰ってすぐリリムを起動。みんなを呼び出す事にした。アタシも負けないように頑張ったんだという事と二人に並んだんだという事を取り急ぎ伝えたかった。 

『―どうしたんです、歩美先輩?』 

真っ先に通話に出たのは美優。 
 
「…いつも思うんだけど、真っ先に出るのって美優よね?美優って暇なの?」 

『なっ!? 掛かってきたから通話に出たのに喧嘩売ってるんですか、歩美先輩!?も、もう先輩から掛かってきても私は出ませんからね?』 

「嘘よ、美優。冗談だから、冗談」 

『…許すのは今回だけですからね、歩美先輩?言っていい事と悪い事があるんですからね?それでどうしたんです?』 

「えっ…ああ…うん…ちょっと待って?そろそろ後の2人も―」 

『やっほ~』 
『どうしたのかしら?』 

結伊と庵先輩も通話が繋がった状態になった。 

「えっと…報告があるのよ」 

『…あまり聞きたくないような…』 

怪訝な表情で美優が言った。アンタだって聖夜と…キスしたでしょうに…   

『…進展があったということね?』 
 
流石は庵先輩。アタシが言う前からこれから言う事を予測したようだ。 

『まさか…歩美。聖夜に睡眠薬か何かを盛って…』 

「結伊は何言ってるのっ!?アタシと結伊は一番付き合い長いわよね!?そんな事しないわよっ! 普段アンタがアタシの事をどう思ってるのか分かった気がするわ…」 

『ジョークだよ、ジョーク。ちょっと美優からこの間借りた本にそんな話が載ってあって言いたくなっただけと言うか―』 
『結伊先輩!? その本の事は内緒って言ったのにぃ!』 
『…今度私も借りてみようかしら…。そういうのあんまり詳しくないし…』 
『美優から借りた本は凄かったですよ、庵先輩!物凄く事細かに描かれていて…』 
『ちょっとちょっと!結伊先輩!?言わないで下さいよ!』 
『『ざ、タ◯チのモノマネ?』』 
『違います!しませんよ、そんなモノマネ』

 三人共そんな話で盛り上がらないで?アタシは早くあった事を伝えたいのに… 

『―も、もう、それで歩美先輩は何があったんです?』 

ナイスよ、美優。持つべきものは可愛い後輩ね…。 

「アタシも…アタシもキス…したから…」

 『『『…へっ?』』』 

「ちゃ、ちゃんと…アタシの気持ちを聖夜に伝えて…それで…アタシもキス…したの…」

 アタシは自分でも分かる位顔を真っ赤に染めながらみんなにそう伝えた。 

すると少しだけ静寂が訪れる…。三人共唖然としているわね。 静寂の間、アタシはあの時の事を鮮明思い出してしまい、まだ通話中という事を完全に忘れてアタシは自分の世界に入り込んでしまった。

そしてそれに浸る様に自然と自分の人差し指を自分の唇にそっと触れさせていた。 あたかもあの瞬間のファーストキスの余韻を確かめるかのように…。 

『あっ…ああーっ!?歩美先輩がメス顔で余韻に浸ってるぅぅぅーーー!!』

 ハッ―と、美優のその声で我にかえる。メス顔って何よ?メス顔って…。 

『えっと、びっくりしたけど…おめでとう歩美ちゃん。歩美ちゃんも頑張ったんだね…』 

「…うん。結伊と美優と並んだよ?アタシ」

 結伊と美優にそう伝える。 

『そっかあ…歩美ちゃんもかぁ…とにかく、まずはおめでとう』 

「ありがとうございます、庵先輩」 

『私だけ置いていかれてしまったわね』

「でも、庵先輩もこの間の結伊と美優を見て?」 

『あら…やっぱり分かる?』 

「はい、アタシもあの時、そう思いましたから…」 
『…だよね』 

庵先輩もアタシみたいに動くみたいね。聖夜は鈍感だし…なにより、この恋は待ってるだけじゃあ、多分そのまま終わってしまう。 

―そんな事を思いながらみんなと雑談というよりは聖夜の事ばかり話をしあった…。そして少しだけ卑猥な話…主にバナナとか、バナナとか…。それらは全て美優から…。 とにかく存分に語られて語ってから通話を終える。

 通話を終えるとふと思う。みんな恋敵なんだけどアタシには大事な人達…。 

そういう風に思うと考え込んでしまう。

アタシには聖夜しかいないと…。みんなも間違いなく同じ気持ちだろうと…。みんなに負けたくないと…。でも…みんなの泣く顔も見たくないし自分も泣きたくないと思う…。願わくばみんなの恋が叶えばいいのにと…。 

嗚呼!もぅ~~~!

色々思い過ぎて、考え込んでしまってちょっと気持ちがゴチャゴチャになっちゃったけど今日だけは…聖夜との初めてのキスの余韻に浸ろうよ、アタシ? 

思い立ったが吉日、アタシは自室のベッドに飛び込んで横になり、早速目を瞑ると他の事は取り敢えず今日は考えずに聖夜とのキスの事以外はシャットダウン。そのままファーストキスの余韻に身を委ねたのだった。
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